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死票にはどのような効果があるのか

こーぞーです。

皆さんは,2021年10月31日の衆議院議員選挙の投票に行きましたか?

皆さんもちろん投票行きますよね FB

昔社会科を教えていた者としては,,みんな政治に関心を持って投票に行ってもらいたいものです。

さて,こんな記事がありました。
「母子家庭で…」「生活保護を受給しています」選挙に一度も行ったことがない2000人の声を聞いてみた

2021年10月中旬の時点で「これまで国政選挙で投票したことがなく、今回も投票しない」という人にアンケートをとったというのがありました。
その結果が下の画像です。

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ほう。

色々突っ込みたい点があるんですが,ここでは,「投票しなくても何も変わらないと思う」に突っ込みます。47.4%。

そんなわけないだろ…有権者の票で当選者決めてるんだから…

このnoteでは,そんなことを思って投票に行かない(行かなかった)人が,ちょっとでも「今度は投票に行こうかなー」と思えるようにならないだろうか,と色々考えました。

ということでこのnoteでは,いわゆる死票を中心としていくつか考えたことを書きます。

死票とは

死票とは,「選挙で、当選者の決定に結びつかなかった票。特に、選挙区で、落選候補に投じられた票。死に票。」(コトバンクより)とあります。

日本の衆議院議員選挙は小選挙区比例代表並立制という制度で選挙を行いますから,小選挙区ではいわゆる死票が発生します。

しかしちょっと考えたんです。
死票って,まるで何の効果もないような言い方じゃないですか?

死票と呼ばれるその票は本当に死んでいるのか?

ということで,死票にどのような意味があるか考えました。

政党への投げ銭?

結構大きな意味があるなあと感じたのが政党助成金です。国から政党に支払われるものです。

東京新聞に記事があったので抜粋します。以下の記事です。

年間総額300億円超の助成金は、その半分が国会議員数に応じた「議員数割」、残る半分は直前の衆院選と過去2回の参院選での得票数に基づく「得票数割」でそれぞれ配分され、各党の受け取り額が決まる。

政党助成金は,国会議員の数と,選挙での得票数によって配分されるんですね。特に参院選は2回分が影響するということで,選挙後6年間は投票の影響があるということになります。

ここまで社会科で教えなかったなあ…教えた方が投票率上がるのかなあ…

上記の東京新聞の記事では,自民党の助成金を例として,1票の具体的な金額を計算しています。
すると,衆院選の小選挙区の1票は約87円、比例代表の1票は約79円になるといいます。

選挙区で結果的に落選者に投票したとしても,政党助成金の算出は得票数による部分がありますから,大いに意味があるわけですね。

これって半分noteの投げ銭みたいなものなんじゃ…?

およそ80円を誰に,どの政党に投げ銭するか,という考え方をすると,投票しようという気になる…という人もいるかもしれません。

また,上のアンケートで「投票したい候補者・政党がない」という人にとっても,一番嫌じゃない候補者に投票することによって,他の候補者への政党助成金を相対的に減らすことができるわけです。

無所属の場合はこれに当てはまらないというのはありますが,1票にはおよそ80円くらいの価値があるということですね。

小選挙区での投票が比例代表にも影響する

日本の衆院選は小選挙区比例代表並立制で行われています。小選挙区で落選した候補者が,比例代表で復活するというのが起こりますね。

今回それが顕著だったのが新潟県だと思います。

新潟県の小選挙区は全部で6区です。ここでは注目された新潟5区を見てみます。

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小選挙区での選出は米山隆一氏となりましたが,2位の泉田裕彦氏も比例で復活しています。有効投票数のうちの34.4%を得票しています。
この得票率が10%いかないと,比例代表でも復活できないです
から,ここでもやはり当選者以外の候補に投票する意味があるということになります。

ちなみに,新潟県は比例復活が多くて,5区の泉田氏や1区塚田一郎氏は,惜敗率がそんなに高くないですが,比例で復活しています。
新潟日報でもこの件は取り上げられています。
本県自民の敗者、なぜ全員復活?衆院選比例代表 他県で大勝し「枠」多く

小選挙区での1票が,比例代表にも影響するということになります。
小選挙区で「投票したい候補者・政党がない」としても,比例代表にも影響するのなら,やや話が変わりませんか。

また,投票したい政党がないという人は,消去法で無所属の人に投票するという手段があります。
すると,その人が落選したとしても,政党に属している候補者の得票率は下げることができます。いずれの政党も支持しないという意思表示をしたい場合,こんな方法が考えられますね。

「投票しなくても何も変わらないと思う」というのは,誤りであると言ってもいいでしょう。結構いろんな方面に影響を及ぼしますから。

もはや死票という呼称が不適当である

投票に行かない人のうち,
「投票しなくても何も変わらないと思う」
「投票したい候補者・政党がない」と言っていた人は,このnoteを見ると,もう投票に行くようになりますね!(自画自賛)

票は死にません。

票は死にません。
(こーぞー 2021年)

偉人の名言風。ちょっとニーチェを意識しました(笑)

ということで,落選者への1票も全くもって無駄ではないです。もっと挙げればいろんな意味があるでしょうし。
皆さん投票に行きましょう。

死票じゃなくて,なんかいい名前ないかな…

ちなみに,今回の投票率は…
衆院選小選挙区、投票率55.93% 戦後3番目に低く 最低の山口県は50%届かず 共同通信集計

あまり高くなかった様子。
ただ,新潟県は63.16%,市部でも開票所によっては70%を超えてるところが結構あります(上の方のNHKのリンク参照)。新潟県って政治意識高めなんでしょうか。

終わり。

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