【コラム】芸術・歴史・政治 激動する台湾の社会派ボードゲーム

はじめに

昨年、『返校 -Detention-』という電子ゲームが話題になった。台湾のRed Candle Gamesというディベロッパーが開発したホラーゲームだ。白色テロと呼ばれる思想弾圧が行われた1960年代の台湾を舞台にしており、映画や小説のように良質なシナリオが人気を集めた。

『返校 -Detention-』スクリーンショット

白色テロとは、非共産政権が行う思想弾圧のことをいう。赤色が共産政権を代表する色として使われるのと対照した言葉だ。当時の台湾は、1947年の二・二八事件に端を発する戒厳令の発令により、非常に緊張した社会状況にあった。数多くの共産主義者が処刑されたが、これは同時に権力闘争にも利用され、多くの無実の人が犠牲になったともいわれている。このような状況は、1987年に戒厳令が解除されるまで続いた。この時期のことについては、『悲情城市』や『スーパーシチズン 超級大国民』などの映画で描かれているが、電子ゲームの題材として扱われるのは異例だ。

近年は台湾人のアイデンティティー意識が高まっていると言われている。すなわち、我々は中国人ではなく、中華民国人でもなく、台湾人なのだ、というわけだ。これにともなって政治や歴史への関心も高まっており、2014年のひまわり学生運動は記憶に新しい。昨年の『返校 -Detention-』のヒットもこの延長線上に位置づけられるといえる。

さて、社会的な事象への興味の高まりが見られるのは、電子ゲームの分野だけではない。アナログゲームの分野においても、社会派なテーマのものが出てきているのだ。以下、芸術・歴史・政治という3つのテーマに分け、そのような「社会派ゲーム」を紹介したいと思う。

【芸術】
・時代の犠牲になった画家 陳澄波
・「台展三少年」の1人 郭雪湖

【歴史】
・モダン台湾の繁華街 大稲埕
・戦争の悲痛な歴史を追体験

【政治】
・クラウドファンディング史に名を残す濃厚な政治パロディーゲームシリーズ
・台湾はLGBTフレンドリー? 同性愛テーマのボードゲーム

【芸術】
時代の犠牲になった画家 陳澄波

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T.Mizutani

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T.Mizutani

中華卓上遊戯情報部

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