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2020年、いちじくを初めて食べた

いちじくという果物に縁がなかった。

存在は知っていたけれどずっと食べたことがなくて、大人になってようやくドライいちじくを食べる機会が数回あったくらい。その魅力がわからないから、キルフェボンでいちじくタルトを注文する夫がどんな味を求めているのか正直わからなかった。

ところが、ここ数年で地元の新潟市西蒲区は秋口からいちじくを売りにしているようすをなんとなく感じている。実家に帰ったときに母が「そろそろいちじくの季節ね」なんて言い出すこともあって、わたしはひどく混乱した。わたしが住んでいたころはお店や食卓でいちじくを見たことなんてなかったじゃないか。地元の秋のくだものと言ったら仁箇堤の柿じゃなかったのか。

そんなことを思っていたのだけど、ひょんなことから地元のいちじくが手元に届いた。

しかも巷でよく見る黒いちじくと呼ばれるものと、皮まで食べられる白いちじくの2種類。……食べ方がわからない。

何はともあれ、食べてみないと。食べ方を検索して、まずはカットして食べることにした。

(左が白いちじく、右が黒いちじく。うつわの色と反対でわかりにくくてごめんなさい。)

黒いちじくは皮をむいたのだけど、むかずにがぶりと食べるパターンで夫は育っているらしい。知らなかった。食べてみると思ったより甘さは控えめ、ねっとりとした食感。もっと甘いものを想像していたから、ちょっとびっくりした。

白いちじくは黒いちじくに比べて甘さも食感もあっさり。試しに生ハムとクリームチーズといっしょに食べたら塩気とクリーム感がぴったりで、ついつい手が伸びる。生ハムクリームチーズは白の方が合うんじゃないかな。

せっかくだから他にもアレンジして食べ比べてみたいと思い、マフィンも焼いてみた。

黒いちじくは焼いた方が甘味がぎゅっとするから、わたしは加熱したほうが好み。

白いちじくはやっぱりあっさりめ。ケークサレみたいに塩気を足してもおいしそう。

結構楽しんだつもりだったけど思ったより冷蔵庫に残ってどんどん熟れてしまったので、最後は白黒ミックスでジャムにすることに。

白黒合わせて250gのいちじくと70gの砂糖と少しのレモン汁とでくつくつ煮ていくだけのかんたんレシピ

この後、わたしはようやくいちじくの魅力に気づくことになる。味見で食べたこのジャムがおいしすぎて、めちゃくちゃ驚いてしまった。なにこれめっちゃうまいじゃんか。

仕上がったジャムは、甘さ控えめ。どこかシナモンのような香りが感じられて、プチプチとした食感も楽しい。なにこれめっちゃうまいじゃんか(2回目)。

すっかりわたしはいちじくジャムに夢中になってしまって、ジャムを作ってから毎朝トーストにいちじくジャムを塗って食べている。控えめな甘さが今のわたしの気分にはぴったりだった。

あと、塩豚につけて食べるのもおいしかった。

豚肉にジャムとは……とこのレシピを見たときは思っていて、いつもねぎ塩ダレかおろしポン酢で食べていたのだけど、初めてジャムにも挑戦してみた。どうしてこれまで試さなかったんだろう。そう思うくらいに塩豚のやさしい塩気とジャムの甘さやフルーティさがちょうどよくて、びっくりした。

いちじく、おいしいじゃないか。

結果として、わたしはいちじくのジャムがとても好きになった。生のいちじくの魅力には正直まだ気付ききれていないけれど、ジャムは来年もつくろうと思うくらいに夢中になっている。

2020年秋、わたしはいちじくのおいしさを知った。

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ちなみに今回いちじくを手に入れたのは、春にも頼んだ『そら野テラス』さんの野菜セットの秋バージョンを購入したから。

送られてくる野菜は選べないし時期にもその日の収穫にもよるから絶対にいちじくが2種類入っているとは限らないけれど、新鮮でおいしいお野菜はたっぷり楽しめると思います。(実を言うとわたしは写真の左に写っている梨が入っていたらいいな〜と思っていたけれど入っていなくて、代わりに白いちじくや他のお野菜が入っていたのです。何が入ってくるかわくわくできて一期一会を楽しめる方にはぴったりだと思います。)

そろそろ新米の季節なので、お米も頼もうかな。

2020年の秋もおいしいものをたくさん食べたいです。

読んでいただきありがとうございました。ゆるやかなあたたかさで、これからもお付き合いいただけるとうれしいです。