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占いは統計学? んなわけねぇだろ!

最近麻薬の所持で逮捕された芸能人が、有名な占い師に裁判の星が出てくるとか予言されてたってニュースが上がっていましたね。
あれは、たまたまか、そういう情報が占い師のもとに事前に入ってきてたんだと思いますが。

で、そういうニュースが上がると、必ず「占いは統計学」だとか言う輩が出てきます。
はっきり言います。
んなわけがありません。

てなわけで、今回は占いは統計学ではない根拠を述べていきたいと思います。

占いとは? 統計学とは?

占いとは、手相、占星術、タロットカード、数秘術など、さまざまな方法で人の人生に関する情報を予言することです。
多くの人が占いに興味を持ち、自分の性格や運命、将来の出来事などを占うことができると信じています。

統計学は、データの収集、分析、提示、解釈の科学です。
データとは、収集、分析、要約して発表・解釈する事実や数値のことです。
データは、定量的なもの(どれだけの量や数を測定する)、または定性的なもの(同じような項目のカテゴリにラベルや名前を提供する)であることがあります。
統計学は、より良い情報に基づいた意思決定をおこない、より客観的かつ合理的な方法で世界を理解するために使用することができます。

占いと統計学の違い:データ、手法、エビデンスをどう使うか

占いと統計学は、データ、方法、エビデンスをどのように使うかで異なります。
占いは、経験的な観察や測定に基づかない主観的なデータに依存しています。
たとえば、手相は手の形や線を使って占いますが、これらの特徴がその人の人生とどのように関係しているのか、科学的根拠はありません。
また占いは、厳密さや一貫性のない方法を用いています。
たとえば、占星術は天体の位置から占いますが、同じデータでも占星術師によって、そのシステムや解釈が異なることがあります。
さらに占いは、その主張を裏付ける証拠や、正確さを検証するための証拠がありません。
たとえば、占い師が立てた仮説や予測について、統計的な分析や検証はおこなわれていないんです。

一方、統計学は、経験的な観察または測定に基づく客観的なデータに依拠します。
たとえば、統計学では、調査や実験を用いて、個人または物体のサンプルからデータを収集します。
また統計学は、厳密で一貫性のある方法を使用します。
たとえば、グラフや表、数値の要約を用いてデータを要約する記述統計や、推定や仮説検証を用いてデータから結論を導き出す推測統計などを用います。
さらに統計学は、その主張を支持し、正確さを検証するための証拠を提供します。
たとえば、統計学は確率を使用してデータや推論の不確実性や変動性を測定したり、信頼区間やp値を使用して結果の有意性や信頼性のレベルを示したりすることができます。

占いの誤謬:信頼性、妥当性、科学性がない理由

占いは、その信頼性と論理性を損なういくつかの誤謬を犯しているため、信頼性、妥当性、科学性に欠けます。
これらの誤謬のいくつかは以下の通りです。

  • バーナム効果:曖昧な言葉や一般的な言葉を、自分自身の正確な説明や個人的な説明として受け入れてしまう傾向のこと。占い師は、この効果を利用して、自分の予言をより説得力のあるものにしたり、クライアントにとって適切なものに見せたりすることがよくあります。たとえば、占い師は「あなたは他人に好かれ、賞賛されることを強く求めている」「あなたは自分に批判的な傾向がある」と言うかもしれませんが、これは誰にでも当てはまるような特徴です。

  • 確証バイアス:人が自分の既存の信念や期待を確証する情報を探し、解釈する傾向。占い師はこのバイアスを利用して、自分の予言を曖昧なものにすることで、顧客が自分の体験の中にそれを裏付ける証拠を見つけることができるようにします。たとえば、占い師は「あなたはもうすぐ人生に大きな変化が訪れます」「あなたの将来に影響を与える人に出会います」と言うことがありますが、これらはクライアントに何が起こるかによって様々に解釈できる予言なのです。

  • 後知恵バイアス:過去に起こった出来事について、その後に自分の能力を過大評価する傾向のこと。占い師は、このバイアスを利用して、たとえ事前に具体的で一貫性のない予測をしていたとしても、事後に自分の予測が正確だったと主張することがよくあります。たとえば、占い師は、自分の予言と一致することが起こった後、たとえそれが起こる前に詳細や証拠を提示しなかったとしても、「言った通りでしょう」または「予言通りでしたね」と言うかもしれません。

占いの危険性:占いはどのように人を惑わし、利用し、傷つけるか

占いは、さまざまな形で人を惑わし、利用し、傷つけることがあります。そのような例のいくつかを紹介します。

  • 占いは、誤った、あるいは非現実的な期待や信念を生み出し、合理的な意思決定や現実に対処する能力を妨げる可能性があります。たとえば、自分の判断や証拠を用いるのではなく、自分の選択や行動を導くために占いに頼ってしまうことがあります。

  • 預言は、自分の未来はあらかじめ決まっている、あるいは自分では変えられない外的要因に支配されていると考える人に、不安や恐怖をもたらすことがあります。たとえば、自分の健康や人間関係、キャリアに影響を及ぼすかもしれないネガティブな予測や有害な予測について心配することがあります。

  • 占い師は人の弱さや好奇心を利用し、科学的・倫理的基準に基づかないサービスに対してお金を請求することがあります。たとえば、占い師は、欺瞞的または操作的なテクニックを使って、より多くの占いや、運や運勢を高めるとされる製品にお金を払うよう、人を説得することがあります。

結論:なぜ統計学は占いよりも世界を理解するのに適しているのか

統計学は、客観的で厳密、かつ科学的なデータ、方法、エビデンスを用いるため、占いよりも世界を理解するのに適した方法です。
統計学は以下のように私たちを助けてくれます。

  • グラフ、表、数値の要約を使い、データを分かりやすく、意味のある形で記述し、要約する

  • 推定と仮説検証を用いて、データから結論を導き出し、予測を立てる

  • 確率と信頼区間を用いて、データおよび推論の不確実性と変動性を測定する

  • p値や有意性検定を用いて、データや推論の妥当性・信頼性を評価することができる

  • 分散分析と相関分析を用いて、異なるデータセットまたはグループを比較対照する

  • 回帰と相関を利用して、変数間の関係を探る

また、統計学は、占いによる誤謬や危険性を回避するのに役立ちます。

  • データによって検証または誤りを立証することのできる、具体的でテスト可能なステートメントを提供すること

  • 既存の信念や期待に挑戦したり、矛盾するような情報を探し出したり、解釈したりすること

  • 過去や未来の出来事を予測する上での限界や誤りを認めること

  • 曖昧な表現や一般論に左右されない、合理的で根拠に基づいた意思決定をおこなうこと

  • 現実に対処し、世界の予測不可能性や複雑さを受け入れること

  • 欺瞞や操作に基づかない倫理的で専門的な基準を用いること

したがって、統計学は、占いよりも信頼性が高く、有効で、科学的な世界を理解する方法なんです。

なので、皆さんは占いとかいう曖昧でデタラメなものに騙されないようにしましょう。

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