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企画と番組の関係

22歳で日本テレビの入社して制作に行きたくて編成部で企画を出し続けたという話は以前書いた。制作に行ってからは必要に応じて企画書を書くようになる。30歳で「元気が出るテレビ」を離れないとならなくなった時に(自分の意思ではなく会社の命令)想定される枠に対して企画書を書いた。提出した上司にめちゃくちゃ直された。結局やることになったのは上司の言いなりになった企画だった。失敗した。
それから書いては番組になり失敗して打ち切られ又書いては失敗して打ち切られ遂に制作から外され編成に異動した。
今度は企画書を書かせる役回りになった。あまり覚えていない2年間だった。再び制作に戻った。社内の誰も自分に期待していないのは明らかだったからタナボタみたいに落ちてきた枠に出した企画書は滅茶苦茶なものだった。それでも3ヶ月のツナギだからとよく読まれもせずにゴーが出た。
それが電波少年である。実は放送された番組は企画書とは全く違うものだ。こうして約10年「電波少年」「雷波少年」「ウリナリ」とヒット番組を生み出し続けた。
そして突然、何故か編成部長になれと会社から命令された。又企画書を書かせる方になった。いや書かせて選んで決める役回りになった。
この時に初めて『企画書ってなんだ?」と考えることになった。
まずは社内社外とにかく広く企画書を出してもらうこと。それを人に任せず自分で一つ一つ全部読むこと。当時の日本テレビはトップだしまだ業績も良かったししがらみ無しで企画本意で決める態勢を取ったから一つの枠に500以上の企画書が集まった。
そして読んで読んで読みまくって分かったこと。出される企画書の約8割は「思いつき」を「企画」だと出してきている。
このことに注意して読むだけで8割を落とすことができる。あとはそれ以外の2割をよく読めばいいのだ。

何故そのことを教えてくれるひとがいないのだろう。
思いつきは企画とは言わないよ、と。
思いつきでは番組は作れない。思いつきからスタートして実際に作ることを脳内シミュレーションして何千回も壁に当たってやっと番組の形が見えてきた時が企画が生まれる時なのだ。
これは番組企画だけではない。他の業種でも「企画を考える」時はあるだろう。その時に「思いつき」で終わらずに実行した時に起こることのシミュレーションを”自分の脳の中で”やった後に出てくるのが企画なのである。
それはみんなの意見を聞いて会議で誰かに決めてもらえばいい!では企画は生まれない。ゼロから1は個人からしか生まれないのだ。集団から企画は生まれないという当たり前のことをもう少し分かった方がいい。

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