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ヘッドフォンやモニタースピーカー、何が一番良いのか?を語る前に(^^)/

長年、ヘッドフォンやモニタースピーカーは何が一番良いのか、質問を受け続けているのですが、業界人ならば同じ経験をしていることでしょう。

同時に、業界人であっても、志望者であっても、

「一番良いヘッドフォンは何?」
「一番良いモニタースピーカーは何?」


という疑問は、「常に持っている」ものです。

いろいろなアーティスト、ミュージシャン、作家が、誌面やSNS上で、自分の好きなものを挙げています。誌面やSNS上でも、比較検証特集などもありますよね。
そういうものを見て、実際に使ってみると、笑ってしまうほど、簡単な結論に毎回辿り着きます。

・使う人・音楽を作る人自身の耳の精度
・使う人・音楽を作る人が聴いてきた量&作ってきた量
・使う人・音楽を作る人の音の好み

によって、全然違う

という結論です。

非常に当たり前な結論なのに、どうしても、これを考えずに語ってしまったり、誰かが良いって言ってるからと信じてしまう。

当然自分が信頼する人のものや、自分の好みの音を作る人が言う言葉であれば、そこに乗ることも大事です。

しかし、膨大な音楽を聴き込んでいない志望者と、膨大な音楽を聴き込んでいる音楽人では、そもそも「まず耳が違う」ので、そこで「同じものを使っても、同じ感想にはならない」のです。

とにかく、まずは、膨大な音楽を「意識して聴き込んで」ください。

そうすることで、必ず耳は成長しますし、聴き取れなかった音まで聴き取れるようになりますし、追えなかった演奏が追えるようになります(^^)/

自分の書籍、連載、講義でも、17年以上ずっと言い続けてきているのですが、本当にこれに尽きますから♪

「意識しての聴き込み」の数だけ、確実に自分の音楽的引き出し(知識・感覚・経験)が増えます。(無意識に流しているのを聴いていても効果ナイです)


そして、いまだに、誰かのオススメや誌上レビューだけを信じ込んでしまい、自分はまったく使ったこともない&触れたこともないのに、「あれは良くない」とかバッサリしてしまう人も、非常に多いです。

理由は「あの人が言ってたから」「なんかそんなようなことをネットで見たから」みたいに言ってしまう。僕の受講者でも、相談者でも、マネジメント作家でも、そういう人たちが多かった(多い)です。

理由を聞いても、根拠ゼロなのです。

とくに、そういう人こそ、実績がナイ志望者や、採用実績が少ない作家さんに多い。知識を語ることで、自分をアピールしたい気持ちも理解出来ますが、「結果は実績に出さないと」ですね(^-^;

これも「あるある」ですが、よく「SONY MDR-CD900ST」という定番モニターヘッドフォンというものがあります。もう30年以上、スタジオの定番として君臨してきたものです。

「900を持っていないとアウト」「え、900使ってないの?」みたいな感じも長年あり、使用している人も多いことでしょう。確かに昔はそうでした。

しかし、もうここ10年くらいから、「これじゃなきゃいけない」みたいな感じは、とっくに、消えています

平均的にパっと聴いてすべてのバランスが分かるような「目安」として900は使われていた・使われていると思います。今も、全体の目安チェック用に使うエンジニアさんも作家さんもいます。そういう意味で、スタジオ完備な状態は今も変わっていません。

とにかく全部の音のアタックが速いので、「全体の把握に良い」という面で評価をされていた・されているように思います。

ハイも強調されている印象なので、「ノイズの発見にも効果的」というのも、スタジオ完備やエンジニアさん使用の理由です。

僕もこの20年で何個買ったことか・・・(笑)今の作業場にはミュージシャン・クライアント用に4つ残っていますが、正直、一度も良いと思ったことはありません(^-^; (noteのヘッダーの写真では900をつけていますが、ライヴのマニピュレーター出演時に、見た目的に薄いヘッドフォンが必要だったので、900を使用しています。他の理由はありません 笑)

これは個人的感想ですが、とにかく耳が痛くなる、すべての音がベロシティー127で再生されてるみたいな強いアタックで鳴る、全然低域出ない、というので、別のヘッドフォンを常に模索してきました。

実際にここ数年の現場のエンジニアさんで、900で作業している人は凄まじく減っています。毎週のように、いろいろなエンジニアさんとヘッドフォントークや機材トークをしていますが、言えることは、

「今の時代には、多くのさまざまなヘッドフォンが出ている」

ということですね。

同時に、モニタースピーカーも同じです。

本当にきちんとした防音の部屋、整音された部屋じゃないと、効果は発揮されないわけですし、「ある程度の音量を出してこそ」のモニタースピーカーです。

昔はよく生徒の家に行き教えたりもしていましたが、「音量小さすぎる・・・これで毎回モニタリングしてるの?」と驚くくらい、小さな音量で鳴らしています。「これ、全然このモニタースピーカーの意味ないよね・・・?」という状況ですね。

部屋の問題があるので、当然と言えば当然なのですが、正直モニタースピーカーは、部屋の大きさもある程度欲しいですし、防音・整音も考慮した上で語るべき、選定すべきです。

すごく高いヘッドフォンやモニタースピーカーを使っている志望者の音源に思い切りノイズが入っていて、「え、これ、気づかないの?」と言っても、そのノイズを再度聴き直しても、認識出来ていなかったり、、、(汗)

まったくその機材の恩恵を受けていない、というか、「自分がその機材を使う耳になっていないことが、一番の問題」なのです。

最近はコンパクトサイズのモニタースピーカーでも、小さな音量でもバランス良く再生されるものや、低域までしっかりと出るものや、結構な音量が出るものも発売されているので、結構な音量で出せない作業環境の人は、そういうのでも、まったく問題ナイと思いますよ(^^)/

かつての大量の音を詰め込んでいるJ-POPシーンから、音数少な目なJ-POPも海外の影響で増えてきましたし、コード関係よりもリズム重視・低音重視のサウンドも増えています。

時代と共に、製品の特性も変化しています。


多種多様なヘッドフォンやモニタースピーカーが発売されているわけですから、「選択肢は、昔よりもはるかにある」のです。

そして、楽器屋さんや家電量販店さんなどでも、試聴可能なところも多いですし、直接試すことが出来るところも多いので、実際に自分の作った曲や参考曲、好きな曲などをスマホやタブレットなどに入れて持っていき、お店でいろいろなヘッドドンやモニタースピーカーで鳴らして、試してみることも大事です。

自分が作りたい音楽の方向性、自分の制作環境に合うものを一番に考えましょう。

最後にもう一度。

機材を使う・語る、その前に、まず自分の耳を鍛えること。

これが本当に大前提であり、クオリティー改善のために最初に行うべきことだと思います(^^)/是非、意識してみてください。


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