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「仮歌詞」ばかりを書いている作詞家さんor作詞家志望者が多い実情!

作家事務所の預かり作家さんで、作詞家として活動をしている方からの現状相談で、ここ数年かなり増えてきているのが、

「事務所の作曲家さんのコンペ用の仮歌詞を頼まれるので、毎週、仮歌詞の作詞をしていますが、なかなかチャンスが掴めません」

というもの。

これに関しては残念ですが、
「掴めなくて当然です・・・」と答えざるを得ません(T_T)

楽曲コンペの場合は、あくまでも作曲のコンペです。

コンペに「歌詞の採用も検討させていただきます」と書かれたものであれば、当然チャンスはありますが、数としては多くないのが実情です。

事務所が、「作詞の採用可能性が極めて低いもの、もしくは、皆無なコンペであっても、作詞を頼んでいる」ということが多いようですね。

理由は簡単で、作曲家のデモを採用に導くためにしていることですし、事務所の取り組み方としては、間違っていません。

事務所としても、仮歌詞作詞が出来ない&苦手な人に、フルに活動をしていない預かりの作詞家さん・作詞家志望者さんに、作曲家コンペのデモ仮作詞をお願いしている、という構図です。

仮歌詞作詞が出来ない&苦手な作曲家さんや作曲家志望者さんにとっては、良い語感の歌詞が乗ることで、メロディーの映え方・印象の良さが上がることは絶対的にあるので、メリットはあるかもしれません。

では、書いている作詞家さんにとっては、どうでしょうか?

最初は「経験」として、ものすごく貴重な体験が出来るし、学ぶことも多いでしょう。ある程度の「短期間での経験」ならば、良いと思います。

コンペで、作詞家にわざわざ歌詞を依頼するとなると、作詞が遅くなれば、作曲家さんも仮歌レコーディングや、Editの時間もズレてしまうので、相当短時間で作詞をしなければいけません。

そういう意味で、コンペにおける仮歌詞作詞は、
「修行」「訓練」「経験」としては、凄まじく効果的と言えます

言葉の乗せ方によっては、正直メロディー自体が死んでしまうことも大いにあり得ます。意図しない区切り方で、作曲家からしたら、「なんで、そこで言葉を区切るのよ」とか「ここの掴みの部分、なんでこんなに残らない言葉で書いているの?」と思うこともあるでしょうし、そういう現実的な感想や感想、アドバイスや指摘をもらうことで、リアルな勉強になることもすごく多いと思います。

しかし、中には1、2年と、そういう活動を続け、毎月の膨大な時間を割いてしまい、自分の作詞の勉強や、インプットが出来ていない人が多すぎるのも、また現実です(T_T)

相談内容で非常に多いのが、

「作詞事務所でお世話になり、預かり作家になりました。毎月のコンペはほとんどありません。あるのは、作曲家さんのコンペ用仮歌詞作詞をすることです。」

「もう1~2年、作曲家のコンペの仮歌詞作詞をしていて、作詞コンペの数も少ないです。実績も全然ありません。」

というような内容です。

もはや、ここまで来ると、「経験を積むため」だけでは、語れナイのではないでしょうか?

●自分はなんのために、作詞家を目指してその事務所にお世話になっているのか?

●これを繰り返して本当に、作詞も一緒に採用というのを狙っていけるのだろうか?

●毎月なにげに時間を相当割かれてしまっているが、自分にとって経験以外のメリットは、なんなのだろうか?


きっとこのように悩んでいる方は、結構いることでしょう。

冒頭に書いたように、コンペで作詞まで選考対象にしているものは、少ないです。

とはいえ、本当に仮歌詞がメロディーとバッチリとハマっている場合は、そのまま作詞も採用で、リテイク・ブラッシュアップを継続して伝えられることも、稀にあります。

きっとそういう展開・可能性を狙ってのことでしょうが、採用率の高い作家のデモの仮歌詞作詞をするのと、全然実績がない方のコンペ音源の仮歌詞作詞をするのでも、当然、採用確率も大きく違います。

ちなみに、作曲コンペで、
仮歌詞まで採用・リテイク・ブラッシュアップに繋げられるパターンで多いのは、

●作曲家自身が仮歌詞を書いている

●作曲家自身がシンガーソングライターで、作詞も歌唱も行う

●作曲家さんの信頼する仮歌さんが仮歌詞を書いて歌っている

というパターンです。

リアルな裏話ですが、作詞家さんが作詞をすると、作詞家さんなりの想い・意地・プライド・こだわりなどもあるので、作曲家さんの意図と違うものも、どうしても出てきてしまいます。

そこで思うような楽曲作りが出来ない人もいます(^-^;

作曲家さんとしたら、正直時間のない〆切との戦いの中で、メロディーにハマる言葉で、良さげなフレーズや語感が乗れば、デモとしては「それでいい」とする人が多いです。

実際に意味合いとか通じていなくても良かったりもします(苦笑)

ただ、それは、妥協というわけじゃなく、

「いかに時間のない中で、メロディーを良くする・印象づける言葉を乗せるか、語感を良くすることが出来るかが、最も大事」
だからです。

仮歌詞の作詞と、通常の作詞は、異なるわけです(^-^;

仮歌詞の作詞が上手い人は、やっぱりコンペ時の仮歌詞の付け方の感覚を身に付けている人(作曲家自身or作詞と仮歌を担当するシンガーさん)ですね。

僕は作詞作曲での提供も多いですが、デモから作詞は狙って本気で書いています。しかし、「完全に作詞は採用対象ではナイという場合」は、完全に語感重視で、残る言葉・印象的な言葉をメインに作詞をします。メロディーをいかに輝かせられるかにポイントを置きます。

とはいっても、別に奇をてらえば良いというわけじゃナイです。

パワーや掴みが弱いメロディーの場合、言葉だけ斬新やインパクトがありすぎても、浮いてしまうので、マッチングが上手くいかないのです。

言葉では期待だけさせるけれど、言葉のインパクトとメロの平坦さの矛盾によって、ガッカリさも加味されてしまい、メロディーの評価は下がってしまうことが非常に多い、というか、ほとんどそうなってしまうでしょう。(経験談 苦笑)

作曲家自らが歌詞も書くから、短時間の中でも制作が出来ますし、一番自分のメロディーに合う言葉をセレクト・ジャッジすることが出来るという人も多いです。

また、毎回歌ってもらう仮歌歌手の人に作詞をしてもらうことで、歌の表現までも考慮した作詞が出来て、そのまま良い感じで歌唱してもらうことで、楽曲のクオリティー・印象を高めることが出来ます。

上でも書いたように、作詞家さんが仮歌詞を書くことは、訓練としても非常に良いですし、経験値を積むためにも、オススメです。

ただ、長期的に、選考対象ではない仮歌詞作詞や、可能性がほぼナイ仮歌詞作詞「ばかり&メインで」続けていることは、あまりオススメはしません(^-^;

月に仮歌詞作詞は1、2曲程度(2曲でも合計最大で1時間程度)で、あとはコンペに参加し、それ以外の時間を、歌詞の分析・研究、いろいろな曲の聴き込みなど、インプット作業に充てたほうが良いと思います。

これを読んで「私も同じような・似たような状況だなぁ」と思っている方は、これ以上、選考対象ではないコンペの仮歌詞作詞や、選考可能性が低いコンペの仮歌詞作詞に、

「自分の貴重な時間の大半を費やして良いのか?」
「今の環境のままで良いのか?」

と、考えてみるのも良いと思います!

「経験のために・・・」と2、3か月~半年くらいやっている人ならば、良いと思いますが、1年近くとか、それ以上やっている人は、見極めることも大事です。

時間って本当に貴重ですから。

事務所を見極めることも重要ですし、事務所にきちんと状況を聞いてみる、というのも必要です。

「事務所の人にいろいろ聞くと嫌われそう」

と思って、現状打破出来ない方や、受け入れるしかない方もいますが、実際にその事務所でお世話になっているわけですし、自分自身が現状を把握していない仮歌詞作詞を大量にしているわけですから、「自分のために」きちんと確認をとることは必要だと思います。

それを後回しにしたら、時間だけが過ぎていき、本当に取り返しのつかないことになりかねません((+_+))

「あの時事務所に聞いて、すぐに動くべきだった・・・」という後悔だらけの相談も、今でも毎月のように多数いただきます。

コンペの数が少なくて不満であれば、事務所を変えるために動くことや、事務所へ現状を相談してみることは大事だと思います。

また、ある程度、事務所でコンペに参加したけれど、採用実績がないという場合は、きちんと未来のために覚悟を決めて、再度1、2年勉強をし直すという選択肢も必要と言えます。

●ダラダラとなんとなく続ける1、2年

●気持ちや環境を切り替えて、成長した自分を作るための1、2年


では、確実に、凄まじい違いがあります。

自分の執筆している書籍や、このnoteでも記載していますが、
「コンペは何年か参加したら決まる、なんてものは、ナイ」
です。実力主義な厳しい世界です。

悩む作詞家志望者や作詞家をコライトに誘導するケース増えているので、自分がどういう活動をしたいのか、しっかりと見極めていきましょうね!

この記事を読んで、少しでも、現状打破に役立てば嬉しいです!(^^)/

(不定期ですが、記事を更新したら、お知らせが行きますので、
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