見出し画像

趣味を楽しむ拠点「ワークスペース」

おはようございます!
前回、更新させていただいた記事の続きです。
今回は「T邸」の間取りについて詳しく解説していきます!

まず前回の間取りから

前回の記事では「中庭型の住宅がなぜいいのか」という内容で
紹介させていただきました。

今回は中庭を使った場合の
間取りについて紹介したいと思います。


今回の考えた間取りは
空から見ると中庭を囲うように
ドーナッツ型の建物になりま。

そこで、同心円上に要望通りの部屋を配置していこうと思います。

前回、載せるのを忘れてましたが、
クライアント(私の父)の要望としてはこの通りです。!

クライアント(私の父)の要望

  • 団欒できる場所は広くとりたい!

  • 親戚が集まって泊まれる様、3家族分の部屋が欲しい

  • 山や海が近くにあり大自然を満喫できるため、
    その準備スペースや納戸が欲しい

  • また、墓地も近くにあるので、家に墓所の役割を持たせたい

  • もちろん老後の為、バリアフリーには気を遣いたい!

  • 南側の光を多く取り込みたい!

などなど、多くの要望をいただきました!
様々な要望をまとめていく中で、
「大自然を満喫したい」という点に焦点を絞ってみました!

この土地は周囲に住宅が少なく、山に囲まれた土地です。
近くには畑やキノコ、タケノコが生えている山々があります。

瀬戸内の海も徒歩10分の場所にあり、
レジャーを楽しむのに最適な場所だと感じました。

それを踏まえた上で、ゾーニング(動線や部屋との関わり)を考えてみました。

ゾーニングとは!
空間を機能や用途別に分けて、
それぞれに必要な広さや位置をゾーンとしてとらえ、
相互の関係をみながら空間全体の中での位置関係を決めること

家事動線や部屋との関わりを考えたゾーニング

道沿いには外的な要素と関わりが深い
ガレージやワークスペース、仏間付きの和室やリビングを設けました。

反対にプライベート性が高く、内的な要素の水廻りや個室は
道から極力遠ざけた配置としています。

ワークスペースは外と密接に関われる場所に配置

ワークスペースは動きの多いオープンなスペースである為、道沿いに配置しました。
このオープンなスペースはフレキシブルに様々な空間を演出することができます。

山や海のレジャーを楽しむ為の準備スペース。
近くに畑や墓もあるので、
畑の準備をしたり、墓参りの為の墓所としても利用できます。
地域住民と交流するスペースや詰所、前室、
もちろん車を駐車するスペースとして活用もできます!

夏の暑い日、外で遊びたいけど紫外線を浴びたくない場合には、
冬の寒い日、外で遊びたいけど寒い場合にはこのスペースを活用できます。

また、外壁は耐火性、耐熱性、遮音性の高いビニールカーテンで計画することで、
ある時はカーテンを全開でBBQ等楽しむことができるし、
ある時はカーテンを閉めて七輪を焚いて牡蠣小屋にすることもできます。

ワークスペースは趣味を楽しむ為の拠点

このオープンなスペースはある種、
「趣味を楽しむ為の拠点」として使うことができるのです!


中庭とワークスペースのつながり

道に近い場所でワークスペースを計画しました。
墓所としての役割やレジャーの拠点スペースとしての役割があるので、
パブリックな空間として捉えれます。

その反面、中庭空間は建物に囲まれており、
視線を遮断できるので、プライベートな空間として捉えれます。

パブリックなワークスペースとプライベートな中庭は
同じアクティブな要素を持ち合わせているのですが、
繊細さが違う様です

ワークスペースは誰でも利用できるラフなイメージですが、

中庭は住む人しか利用できないデリケートなイメージがあります。

アクティブな要素を持ち合わせていますが、

繊細さが違う二つの空間を密接に繋げ
可動式のビニールカーテンで仕切ることで、

住宅に面白い物語(化学反応)が生まれてくると思います。

住宅にお祭りを計画しました。

その物語は冠婚葬祭です!

おめでたい日や悲しい日にはカーテンを開き多くの人を呼びます。

親戚が一同に集まればカーテンを開き、ご先祖様に挨拶をします。

ご先祖様と一緒に花見や食事をすることもできます。

私はその物語をお祭りに例えようと思います。

お祭りは「ハレ」と「ケ」の概念があります。

「ハレ」とは「非日常」、「ケ」は「日常」。

祭りは「ハレ」であり、華やかに執り行うことで

「ケ」をリセットする意味があります。

「ケ」の時はカーテンを閉じ、

パブリックな空間とプライベートな空間を遮断します。

「ハレ」の時は祖先に感謝の意を込めて、

二つの空間を開放し親族とご先祖様でお祭りをするのです。

ワークスペースと中庭のお祭り空間では

多くのお祭り開催し思い出を作っていくのではないでしょうか。

私はこのパブリックなワークスペースとプライベートな中庭を使って、

住宅にお祭りを計画しました。


今日のところはひとまず終わります。
次回は立体的な計画の手法について書こうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?