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高知県須崎市の「てくテックすさき」を視察しました①(みんなのコードと連携)。

 先日、高知県須崎市の「てくテックすさき」を視察させていただきました。ご協力いただきました須崎市役所議会事務局、学校教育課のみなさま、施設を運営するみんなのコードのみなさま、同施設のメンターのみなさま、関係者のみなさま、そして松田健須崎市議会議員、大変ありがとうございました。
 「てくテックすさき」は、須崎市とテクノロジー教育の普及を目指すNPO法人「みんなのコード」が運営する施設です。10代の子どもたちへ、気軽に、安全にテクノロジーに触れられる場を提供しています。子どもたちの新たな心の拠り所となる第三の居場所として、日本財団の子ども第三の居場所事業の支援を受けています。

 ここでは、小学校5年生から高校生まで誰でも無料で、プログラミング(LEGOロボット、ゲーム制作、web・アプリ制作)、イラスト・アニメ制作(2D・3Dイラスト制作、2D・3Dアニメ制作、グラフィックデザイン、アフレコ)、造形・クラフト(レーザーカッター、3Dプリンタ)、音楽(楽曲制作 作曲編曲アプリGarageBand 音声合成技術 VOCALOID)、VR、撮影編集(写真撮影編集、ドローン撮影)に関する体験、機器使用ができます。

てくテックすさきチラシより

 こうしたITや先端技術に触れられる施設は、石川県加賀市の「コンピュータクラブハウスかが」が有名で、私も2021年と22年に同地を訪問しています。また、金沢市にも同様の施設ができています。東洋経済のこの記事が参考になるかも!https://toyokeizai.net/articles/-/605851

 小中学生のころから、ITやテクノロジーに触れることは、将来の進学や就職、社会での活動で大きな利点となります。逆にそのチャンスがなければ、大きなマイナスにもなりかねません。以下、須崎市の取組をご紹介しますね。

 視察でレクチャーしてくださったのは、学校教育課のOさん、教職員ではなく、市の行政職員の方だが、ITに通じており、非常に有能な方でした。
 Oさんのご説明は要旨以下のとおりです。

須崎市が目指す人材は、①ITリテラシー、②チャレンジする能力、を持つ

テクノロジー教育で、自己実現を経験し、自尊心を養う

 須崎のICT教育における目指す人材像とは、「ソサイエティ5.0を生き抜く力を持った人材」と位置付けています。そして、必要な力とは、①情報活用能力、プログラミングやAIに関する基礎的な知識や技術、新しいことにチャレンジする意欲、などとしています。市では、このために必要な教育を、公教育におけるICT教育の推進と、第三の居場所でのテクノロジー教育の推進、という両輪で行っていこうとしています。
 令和3年4月、テクノロジー教育の機会を通じて、自己実現の経験を得て、自尊心を養うことも目標とし、現在のてくテックすさきの設立事業をスタートさせます。

連携先はみんなのコード

 須崎市の連携先は、特定非営利法人(NPO)の「みんなのコード」です。
てくテックすさきは、みんなのコードさんが運営を受託されています。
みんなのコードってどんな組織なの?と思いますよね。下は、みんなのコードさんの自己紹介の文章です。家庭、地域、学校によって、テクノロジーに関する格差をなくすことを目的とされているNPOです。学校の先生への支援や、プログラミングコンテンツの開発などに取組まれています。
https://code.or.jp/

みんなのコードHPより

 須崎市は、テクノロジー教育の施設を開くにあたり、米国発「コンピュータクラブハウス」のノウハウを導入することを方針としました。コンピュータクラブハウスとは、1993年に「The Club house Network」がMITメディアラボと共同で、米国・ボストンに初めて設立した、子どもたちが「いつでも」「安全に」「テクノロジーと触れられる」「コミュニティ」です。
世界21か国100箇所以上に設置されています。日本には「コンピュータクラブハウス加賀」(石川県加賀市)のみとなります。
 須崎市は、日本で唯一、「The Club house Network」に参加し、加賀市において、コンピュータクラブハウスを運営する特定非営利活動法人みんなのコードに、テクノロジー教育の施設の運営を委託することとしました。

 須崎市とみんなのコードの連携事項は、
①プログラミング教育の充実及び発展に向けた取組みの企画及び実施に関すること。
②プログラミング教育の充実及び発展の係る情報等の共有に関すること。
③特に、コンピュータでできることに触れられる機会を確保すること。
 です。

 約1年間の準備を経て、第三の居場所でのテクノロジー教育の推進施設「
てくテックすさき」が、令和4年3月26日にオープンしました。初期費用の施設・備品代など(2021年度)は、日本財団の子ども第三の居場所事業の助成約2700万円を受けました。
https://nippon.zaidan.info/jigyo/2021/0000096640/jigyo_info.html


 次回は、施設で、子どもたちがどんな学びをしているか、みてみましょう!

濱田高知県知事が訪問(5.1.23 県HPより)

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