出校日にする話 その2

 生徒の気持ちを盛り上げる、出校日の話 その2です。

 出校日はどれくらいに設定されているでしょうか。おそらく8月の後半「夏休みは半分以上終わったよ、元気か?宿題は終わったかい?2学期のよいスタートは切れそうかい?」という時期の学校が多いのではないでしょうか。

 出校日の大きな目的の1つは

「2学期のスタートをよりよいものにするため」と言ってよいでしょう。

では、よいスタートを切れない生徒、心配な生徒というのはどんな生徒でしょうか。

 最も多いパターンは「宿題の状況がよくない」ではないでしょうか。この記事を書いている私自身も、お盆があけてから読書感想文の本を読み始めて苦労した経験が何度もあります(苦笑)40日間を計画的に過ごし、宿題を早めに終わらせることができる優秀な子はある程度ほかっておいてもよいスタートを切るでしょう。問題はそうではない、昔の私のような生徒です。

 では、そんな宿題の状況が芳しくない生徒をどう前向きにするか。それは「個別対応」をすることです。計画的にできた子は全体で大いに褒め、がんばってよかったという気持ちにさせ、もう少しでそうなれそうな生徒を奮起させます。しかし、それとは程遠い生徒もいるのが現状ではないでしょうか。その生徒を全体の場で立たせ、叱ることでやる気は起きるのでしょうか。多くの場合はそうはならないと思います。(最悪の場合、課題が原因で不登校になってしまいます…。)

 そこで、個別にどこまでがんばれそうかを聞き取り、改めて何をどこまでにやるのかをその生徒に決めさせ、先生と2人で約束するのです。そして、約束を守ることができたことを褒めるのです。

 また、やはり課題の話ばかりする先生は生徒の目から魅力的にうつるはずがありません。課題のこととは別に、残りの夏休みをどのように過ごすかを考えさせ、なるべく具体的に目標を決めさせます。ちょっとがんばれば達成できそうなことであることが大切なので「朝ご飯を食べる」「新聞を読む」「夜11時には寝る」「youtubeを見る時間を1日2時間以内にする」「弟に優しくする」…などどんな小さなことでもよいのです。新学期の始まりに、できたことを言わせることで、どこか明るく前向きな雰囲気になり、よいスタートが切れることでしょう。

 例えば、私なら次のように話します。

①課題をやれたことはすごいことだと大いに褒める。

 今日出すべき課題をすべて提出できた生徒は挙手をしましょう。周りを見渡しましょう。どこか誇らしげな子はきっとがんばって期限を守ったのでしょう。素晴らしいですね。また、当然のことだと思う子は課題を計画的に取り組むことが習慣として身についているのかもしれないね。これも素晴らしいことです。見習いたいですね。残念ながらすべて提出できなかった子も、残りの日でなんとか取り戻して、よい2学期のスタートにしましょうね。

② 未提出者に個別に話をする。

 「提出できなかった課題はいくつかな?次の登校日には出せそうかな?」のように聞いて対話を進める。生徒の様子を見て、全てがんばらせるかどうかを判断し、生徒と1対1の約束をさせる。対話を通して、民主的に約束にもっていくことがポイントです。

③ 課題以外のことにも目を向けさせ、前向きにさせる。

 さて、ところで夏休みもあと10日です。残りの夏休みをどのように過ごしますか?課題や勉強、部活動に励むこともよいですが、何か目標をもって取り組むとよいでしょう。私は4月の学級開きのときに「主体的」を目指そうという話をしました。今日までの30日間は主体的に活動できたでしょうか。先生が言うからする、親が言うかするということも大事ですが、やはり今何をするとよいかという目標を自分で定め、それに向かってがんばれる人はどんな社会でも強いものです。「朝ご飯を毎日食べる」でも「家事を1日1つ見つけて取り組む」でも「かばんの中を整理する」でもどんな小さなことでもよいのです。ポイントはなるべく具体的で、ちょっとがんばればできそうなことにすることです。ちょっと考えて、周りの子に宣言してみましょう。(…グループで話し、状況に応じて全体でも話す)目標は人に宣言すると達成する確率が上がるというデータがあります。2学期の始業式の日に達成できたかどうかも言ってもらいます。胸を張ってできたといえる残りの夏休みを過ごしてくださいね。

…と言った感じでしょうか。夏休みの終わりになんとなく気分が沈む子は少なくないでしょう。(教員が一番沈むかもしれません笑)先生も何か小さなおもしろい目標を決め、出校日に生徒の前で宣言し、2学期のよいスタートにつなげてみませんか? 山芝T

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