未来掲載短歌 2017年5月号

未来2017年5月号掲載

歩く

花の名を忘れるたびに天国のばあちゃんからの手紙が届く
窓を這う蜘蛛にもわかるように言う 今日の私はここから出ない
パソコンの凄いところはほっとくとあっという間に眠れるところ
そこからは自分で歩け 濃い月が全部見ている 私は歩く
ウエディングドレス売り場に迷い込みとにかく歩く 止まってはだめ
夢であることに気づいてしまうまで自分を抱いていてかまわない
眠らせて あすの朝には消えているはずの気持ちにのまれないため
あの星がなんの星かはわからない しかしもうすぐ戦う星だ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?