未来掲載短歌 2017年9月号

未来2017年9月号掲載

面接の日に

私には見えない雨が降っている そう教えられたので信じる
終活をしたいとぼやく友人が雷のなか向かう面接
遅れるなあ だけどなんだか立てないや 天気予報を真顔で見てた
実家から仕事に通う人生もいいものだろう、なんだろうけど
叶わない夢は綺麗だ あの場所にずっとベンツが停まったままで
学生の漠然とした質問をさばく人事のみずいろめがね
イヤホンをして歩いたら地に足がついているのか微妙になるね

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