未来掲載短歌 2017年7月号

未来2017年7月号掲載

もしかして春

私だけ冬のコートを着ていても大学なんてそういうものだ
手のひらの上でトマトを切るときに生まれた歌を誰に贈ろう
情報の負荷すさまじく就活はあれやこれやが手放せません
張り切って回る地球をほめながら朝がくるたび泣きそうになる
エントリーするだけはしたとこからの電話にうまく対応しすぎた
去年にも花を咲かせた桜からご丁寧にもあいさつされる
生命の仕組みが違う鳥とまで仲良くできる人に見とれる
唇の色が濃いこと悩みつつ志望動機を書き直す夜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?