未来掲載短歌 2017年2月号

未来2017年2月号掲載(未来広場)

光を結ぶ

なんとなく笑顔と思う満月はだれかのように笑っていると
クリスマス二か月前に光りだす街を飛びゆく鳥のばさばさ
木もおしゃれして街に立つ 耳に似ているあたりへと光を結ぶ
パンプスをはだしではいてもう少し座る 頭痛を大事に思う
演じきる ここがおとぎの国だよときみが確かにそう言ったから
学校が全世界だったその頃の私へ贈る冬の花束
生協で今日揚げられるからあげの数を思って楽しく暮らす
鶏肉に塩を揉みこむ要領でお風呂あがりの身体を満たす
雨が降り続ける朝も仕方ない そういうときはだれにでもある
海風の瀬戸大橋を次々と車が過ぎる さざなみは過去

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