遭難日記②

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進んでいく時間に希望が持てない。時間が逆戻りすればいいのにと思う。そしたら失敗せずにすんだ事もたくさんあったのにと思う。どんどん呼吸が苦しくなって、体の自由がきかなくなって、状況はもっともっと悪くなっていくのに、それもわかっているのに、苦手な泳ぎ方だけでなんとか乗り切らなきゃいけないんだ。乗り切れたとしても、きっと精も根も尽き果ててるんだと思う。その先には、無に帰す死しかない。考えたくもないのに、そのイメージだけは鮮明なイメージ、質感と重さを持っていつでもまとわりついてくるんだ。
(原文ママ)

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