12/10

電球が切れた。オレンジ色のマメ球で過ごす。なんだか自分の部屋が他人行儀に見える。ビジネスホテルに一人で止まる時みたいな、慣れない不安感がある。急につかれが来た。小説の手は止まった。人に読んでもらうためのものを書かないといけない。愛される話しを。人間分析、取材(インタビュー)、欠く努力、読む努力。何もかも納得行く所までやりきっていない。あきらめるのはそれからだ。誰にも認められない、自己満足の私小説を書き続けるのか。
人を楽しませる楽しみ。人を感動させる楽しみ。何か自分の中の大切な思いをたくさんの人と共有する楽しみ。気休めを与える楽しみ、特定の誰かを救済する楽しみ。色んなものが見出せるはずだ。この短い人生で。
いつまでも立ち止まってちゃいけない。

ぐったりつかれた、だからどうしたこのままじゃ。
ひっそり死ぬまで、空を食ってくだけの道。
旅人に、なるなら今なんだ。

(原文ママ)