無題

「できない物語」から「できる物語」へ

先週から始まった南スーダン難民自立支援1期生の調査もおおよそ大部分を終えて、これから集計や、具体的なフォローアップの段階に入ります。

今回は僕が調査で感じたことを中心に書きます。

共通の課題

この日は2名にインタビュー調査ができました。そのうちの1名にフォーカスしてお伝えをすると、彼は南スーダン難民で、木工大工の職業訓練を受けていました。

ヒアリングを進める中で、彼の収入は一見、安定していました。しかしその内容は、身につけた技術による収入ではありませんでした。人から雇われて、家の屋根を修理したりなど(日雇いのようなもの?)が大半でした。

では、なぜ木工大工の技術を使った仕事をしていないのでしょうか。開業した受益者の方達のほとんどが共通して答えた課題がありました。

それは交通費の問題です。調査では基本的に車やバイクを使って受益者の家庭を回りましたが、彼らのお店(私たちのオフィスの近く)からは車で悪路を30分ほどでした。

この距離を移動して仕事場に来るためにはバイクタクシーを使わなければなりません。例えば15kmくらい離れていると往復200円弱ほどの交通費がかかります。これを一ヶ月続けると、かなりの出費になることがわかります。(ウガンダの平均月収6~7000円)

それゆえ、彼らはなかなか仕事場に来られず、農業をしたり、炭を売ったり、比較的日給の高い他の日雇いに出かけていってしまうのでした。

フォローアップの内容としては「頑張ってる数人には自転車を与える予定」だとのことでした。確かに自転車があれば、仕事場に来やすくなります。

しかし、数ヶ月後にビジネスを始める2期生は70人ほどいますが、また共通の課題が生まれることも予想できます。果たして、自転車供給はどこまで効果があって、持続可能なのでしょうか。(実際に見てみなければわかりません)

「できない物語」から「できる物語」へ

もう一つは資材コストの問題でした。今はビジネス開業時にテラルネから資材が提供され、その分材料費なしに売り上げをそのまま利益にかえることができました。

しかし、資材の輸送コストなどを考慮すると、利益は売り上げの2割ほどしか残らず、単純計算で収入が8割減。実際現在の調査で収入と支出はほぼイコールだったので、このままだとこれから大変なことになってしまいます。

この改善案としてはグループでお金を出し合って、一度の輸送でたくさんの資材を買って、輸送コストを下げることです。この部分は、自立した受益者の方達が自分たちで手を取り合って、解決していく「自治」の部分です。

テラルネからアドバイスは受けても、行動に出るのは本人たちなので、今後の動きに注目していきたいと思います。

ポジティブな自分もここ最近は「あぁなかなかうまくいってないのかなぁ」と調査に行くとしょんぼりしていました。思えば、課題、問題、ダメなこと、ばかりを見ていたのです。

ですが、改めて、尊敬してやまないテラ・ルネッサンス理事長の小川さんがよく言っていた「できない物語」から「できる物語へ」という言葉を思い出しました。

課題も確かにあるかもしれないけれど、その人達が「できたこと」、成果もある。そっちに目を向けることも重要だということです。

成果に目を向けること

調査の最後に、自分の人生で達成したいことを聞くのですが、多くの方が、「自分自身のお店を開きたい」と答えるのです。身につけた技術を使いたいと思っているし、一所懸命考えているのだと思います。

また成果を見ると受益者の中には、300,000シリング(9000円ほど)稼ぐようになった人もいました。最高貯金額は900,000シリング(27000円ほど)の人もいました。

Ⅰ年半前は難民となってウガンダに流入し、自分の力だけでは生きていくことが難しかった人たちが、今では自分の力で収入を得て、子どもを学校に通わせることもできています。

都合の悪い点ばかりが目についてしまう中でも、たくさんの変化は産まれていました。今回見えた課題を改善すると同時に、これまでの成果を今一度評価することも大事だと思います。

来月以降、南スーダン難民への食糧支援が半減するようです。これまで以上に「自立」が問われるようになります。

ではでは

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たばてぃー

大学休学生。認定NPO法人テラ・ルネッサンスのウガンダ事務所でインターン中。(2019.8~2020.2) NGOの海外事業の業務やウガンダ北部の町グルでの生活を発信します。
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