タロウ

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  • 戦略ファームの上に乗る

    マッキンゼーレポートなどで気になったものをまとめます。

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  • 偉人の肩の上に乗る

    様々な分野の偉人たちについて書きます。

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    本業のB2B領域の機械・FA関連のトレンドを中心にまとめます。

最近の記事

【歴史的観点】映画『ジョーカー』ゴッサムシティの姿は現代まで続く不平等化を表している

映画ジョーカーを(今さら)歴史的観点から捉えた考察です。 以下ネタバレありです。 考察:ゴッサムシティの不平等はその後どうなるのか主人公アーサーの行動は終盤に向かうにつれて大きなムーブメント(暴動)を巻き起こしていきます。暴徒化した大衆に囲まれてパトカーの上で舞い、煽るアーサーはとても衝撃的でした。 今回考えたいのは、あのムーブメントがその後、映画の舞台であるゴッサムシティ内の「不平等」を打破するに至るのかどうかということです。 これを考えていくに当たり、まずは前提と

    • Netflix『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』を解読する

      一番怖いものは? 「自分の脳が止まること」 この映像の冒頭、そんな印象的なインタビューで始まります。 今回は、Netflixの『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』というドキュメンタリーを扱います。 全3回に渡るこのシリーズは、彼がマイクロソフト退任後、何を思い、行動してきたのかをドキュメンタリー形式で紐解いています。キーワードは「トイレ」「ポリオ」「テラパワー」です。 中心となるのは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団です。この世界最大の慈善基金団体は、主に世界中の病気・

      • 天才テスラの数奇な人生:実務家としての戦略的誤り

        前回までのまとめ 電気分野で世の中に革命を起こすニコラ・テスラは幼少の頃からその才能を遺憾なく発揮します。その裏にあったのは、幼くして亡くなった優秀な兄の存在でした。兄が生きていたら成し遂げていたかもしれない成果を絶対に超えなければいけない、そういった思いを生涯抱えて研究に邁進します。 電気の父エジソンとの出会いそして決別。事態は世の中を大きく巻き込んだ電気戦争へと突入していきます。 実務家エジソンとの違い直流を支持するエジソンと交流を支持するテスラ。彼らはその性格も対照的

        • 天才テスラの数奇な人生:コンプレックスとエジソンとの出会い

          今回は我々パナソニックと協業しているEVメーカー・テスラ社の名前の由来となったある天才科学者についてまとめます。その名はニコラ・テスラ。 イーロン・マスクは彼に強い憧れを抱いており、自ら立ち上げた会社の名にしたそうです。また、スティーブ・ジョブズなど多くの現代を代表する事業家達も彼に憧れを持っていたと言います。 オバマ元大統領も大学での講演で、アインシュタインらと並べてニコラ・テスラを移民の中の代表的な人物として挙げています。 また、発明王エジソンの最大のライバルでした。

        【歴史的観点】映画『ジョーカー』ゴッサムシティの姿は現代まで続く不平等化を表している

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          巨人の肩の上に乗った巨人【ニュートン】

          明けましておめでとうございます。今年のテーマは「続」なので、今年も自分のペースで少しずつ発信を続けていけたらいいなと思います。 2020年最初に扱う人物は、科学界の伝説アイザック・ニュートンです。彼は物理学に革命を起こしました。 神を揺るがしたニュートンの発見 彼の生涯で注目すべきは、1665年6月からの1年半です。彼の不滅の業績である運動方程式の確立、万有引力の発見、微分積分法の開発などをそのわずかな期間で成し遂げました。25歳の時です。「驚異の1年半」と呼ばれていま

          巨人の肩の上に乗った巨人【ニュートン】

          僕達は天才チューリングの死から何を学ぶべきか。

          20世紀を代表する天才数学者アラン・チューリング。今私たちの生活に欠かせないものとなっている「コンピュータ」は、彼から始まったと言っても差し支えないかもしれません。 「機械は思考できるのか」 それが彼の生涯通してのテーマでした。 彼が社会にもたらした功績は大きく二つあります。 一つはそれまでの「情報」の概念を覆し、新しい概念を生み出したこと。 そしてもう1つは、「機械としてのコンピュータ」という発想を元に、暗号解読に挑み、世界大戦の終結に貢献したこと。 もし、彼がいなけ

          僕達は天才チューリングの死から何を学ぶべきか。

          マッキンゼー論考「トップ企業はデジタルと分析でどう秀でているのか」

          今回は、マッキンゼーレポートをまとめます。テーマは「トップ企業はデジタルと分析でどう秀でているのか」です。6つのポイントが挙げられているので、順にまとめていきます。関連する別のレポートのリンクも貼ったのでセットでどうぞ。 背景としては、Digital multi-industry ecosystems が2025年には32%を占めることが挙げられています。 1.Strategy: The bold pursuit of digital’s value戦略:デジタルの価値の

          マッキンゼー論考「トップ企業はデジタルと分析でどう秀でているのか」

          アインシュタインが追い求めた真理

          今回は、20世紀を代表する天才物理学者「アルベルト・アインシュタイン」についてまとめます。アインシュタインと言えば、物理学で最も美しい理論とされる「相対性理論」の大系をほとんど1人で作り上げたという偉大な功績で有名です。 彼は、その相対性理論の元になる理論を、なんと26歳で発表します。その時、実は大学教授でも何でもないただのしがない公務員でした。更にこの年は「光電効果についての光量子論」と「ブラウン効果について」の論文も発表しており、その3つとも科学界に、ノーベル賞に値する程

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          ハンナ・アーレントの世界を捉える「思考」

          今回は哲学者ハンナ・アーレントの「世界」の捉え方についてまとめます。 ハンナ・アーレントの基本情報はこちらで。 有名なアイヒマン論争 彼女のことでよく取り上げられるのはアイヒマン裁判についての言及です。この裁判はナチス政権時、ユダヤ人をアウシュヴィッツ強制収容所へ大量移送する指揮的役割を担ったアドルフ・アイヒマンをイスラエルが戦後、法廷で裁判にかけたものです。 ユダヤ人である彼女はこの裁判を実際に生で見てそれについての報告を発信します。それが『イェルサレムのアイヒマンー

          ハンナ・アーレントの世界を捉える「思考」

          チャールズ・ダーウィンが最期に考えたこと

          今回はチャールズ・ダーウィンに関する様々な資料を読んで、印象に残ったダーウィンの心の葛藤について、まとめたいと思います。 彼の発見した進化論、これは衝撃的な科学革命であり、この前後で大きく科学界の潮流が変わったのは事実です。 自然淘汰説とは:ダーウィンの進化論において特に重要な部分。3段論法が用いられています。 第一の事実:全ての生物は、生き残れるよりもたくさんの数の子孫を生んでいる。 第二の事実:同じ種でも全ての個体に違い(変異)が見られる。 第三の事実:少なくともその

          チャールズ・ダーウィンが最期に考えたこと

          東京モーターショー2019でのトヨタ社長の「ホンネ」

          今自動車業界は、目下CAFE規制への対策に奔走しており、とにかく「燃費の良い、環境に優しい車」を作るのが最大のミッションになっています。 そんな中今まさに行われている東京モーターショー2019。 その中のトヨタの企画の一つ「モリゾウトークライブ」でのトヨタ豊田章男社長の発言がネットで話題になっていました。 こちらです。 僕自身入社する今まで全く関わってこなかったモノづくり。 より生産性を上げるものとか、役に立つもの、もっと便利なもの、それを使う人たちが、世の中から求

          東京モーターショー2019でのトヨタ社長の「ホンネ」

          自動車業界:CAFE規制について調べたら、当面はEVではなくHVが勝ち筋?

          今回は自動車業界に大きな影響を与えているCAFE規制について改めてまとめます。 というのも、僕達のB2B事業は自動車業界のいわゆるTier1やTier2(ラグビーじゃないです)が大きいお客さんの1つになってきます。 Tier1とは: 完成車メーカーに直接部品を供給するメーカーのこと。Tier2はそのTier1に部品を供給する。 で、このメーカーたちは当然、完成車メーカーのニーズや市場特性を注視しなければいけません。そしてそれは、僕たちにとっても顧客の顧客“Customer

          自動車業界:CAFE規制について調べたら、当面はEVではなくHVが勝ち筋?

          僕たちは神秘や合理性の外側にあるように思えるものをどう理解していくべきか

          先日は、即位礼正殿の儀。ネット界隈は大盛り上がりでしたね。うまく言葉に表現できませんが、とにかく不思議な出来事で、僕もびっくりしました。 こういったいわゆる神話や、精霊信仰(アニミズム)などの神秘的な文化は日本以外でも世界中に存在しています。僕も以前タイに旅行に行った際にタイ特有のアニミズムに触れ、タイ人ならではの文脈での考えを知りました。 このようなそれぞれの歴史の中で培われてきた文化は決して見落としてはいけないと思いますし、当然グローバル進出のために自分たちとは異なる

          僕たちは神秘や合理性の外側にあるように思えるものをどう理解していくべきか

          ダ・ヴィンチ的思考をMVPプロセス/リードユーザーマーケティングに活かす

          前回前々回と2回に渡ってマッキンゼーレポートから機械・FA業界の市場トレンドを読み解きました。 ①Shifting growth patterns(成長パターンのシフト) ・ソフトウェア、アプリプロバイダーの著しい成長 ・アジア圏の台頭(アジア内サプライチェーンの可能性)   ②Increased pace of degitization(デジタイゼーションのペースの向上) ・特筆すべき「オープンオートメーション」という概念 この様に市場自体が大きく変わっていっています。

          ダ・ヴィンチ的思考をMVPプロセス/リードユーザーマーケティングに活かす

          マッキンゼーレポートから機械・FA事業のトレンドを読み解いてみた Part2

          前回の記事で、機械・FA事業の注目すべきトレンドの1つとして挙げた、「成長パターンのシフト」。ソフトウェア・プラットフォーム・アプリプロバイダーの成長や、アジア内プラットフォームの可能性は具体的にどれほどのインパクトがあるのかをマッキンゼーレポートを中心に調べました。 (TwitterでPart1を多くの方に見て頂けて大分テンション上がってます。それに今までずっとTwitterやnoteを見ていた方にもフォローしてもらえて素直に嬉しかったです。普段は通知オフにしているのです

          マッキンゼーレポートから機械・FA事業のトレンドを読み解いてみた Part2

          マッキンゼーレポートから機械・FA事業の市場トレンドを読み解いてみたPart1

          前回の記事では、僕がパナに入社した理由について書きました。 今回は、今の仕事である機械・FA事業の商品企画として自分がやるべきことを整理するために、マクロ的な視点で今後の市場動向を整理してみます。 機械・FA事業のエコシステムに影響を与える、注目すべき2つのトレンド現在、機械・FA事業は、3DプリンタやIoT、インダストリー4.0などなど様々なトレンドにより、業界自体が大きく変わってきているのはみなさんご存知の通りです。 ではそういったトレンドは具体的にどれくらいの

          マッキンゼーレポートから機械・FA事業の市場トレンドを読み解いてみたPart1