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カブ夏#3 長野→滋賀(?)

まずは前回の振り返りから。
山越え谷超え、長野県飯田市に到着した僕とカブでしたが、綺麗な景色にうっとりしてたらうっかりカブを倒してしまったり、虫の襲撃にあったり。そんなクロスカブ(JA10)と一緒に2,131Km走ったお話、3日目です。

3日目の朝

3日目朝は快晴でした!
天気がいいとカブも調子が良くて、10キロ近い荷物と一緒にぐんぐん進んでいきます。

気持ち良い朝!

チェーンのメンテナンス

チェーンには200Kmくらい走ったらオイルをつけてあげるのが長持ちの秘訣らしい。出発前にチェーンルブというオイルをシューっと、チェーンにつけてみたら確かに音が違う気がする。カブは毎日頑張ってくれているので、僕ができることはちゃんとしようと思いました。

洗濯して乾かなかった靴下はネットに絡めて乾かすの図

寄り道

不意に止まった道の路肩で感じた空の青さとか、セミの声とか、コオロギの声を聞いていたら、カブと一緒に旅に出た理由がやっとわかってきた気がする。

蓮畑と水車
気づいたらこの場所に30分くらいいた

天龍川

緑色に輝く川の橋にカメラを持ったおじさんがひとり。バイクを止め話しかけると、2時間に1本、飯田線という路線が渓谷を走っていて、それを待っているそう。ほがらかで一本筋が通ってて、本当に電車が好きなんだなっていうのが伝わってくる人で、かっこいい。

「ホラ、電車が来たよ」とおじさん。
ラッキーなことにちょうどその電車を見ることができました。

そして、秋になったら紅葉がまたきれいなんだと教えてくれました。その時期にも来てみたいな。

天龍村

村の入り口は甘い花の匂いがして、どこか別の国に来てしまったのかと思ってしまった。

天龍川を越えた先の村でガソリンスタンドがあるっぽいとGoogle Map先生。山道だとどうしてもカブの燃費が悪くなるらしく、ガソリンメーターが真ん中を指したらこまめに給油するようにしていました。

そういえば時間はお昼になっていて、僕もお腹が減ってきました。ガソリンスタンドのおっちゃんに食事どころを聞くと、もう少し先に行くとレストランがあるらしいとのこと。

コンビニはこの村になく(!)、雑貨屋にパンが置いてあるくらいとか。

ガソリンをチョロチョロ入れる

そんな話をしながらおっちゃんのガソリンの入れ方に注目する僕。
給油レバーをちょっとだけ開いて、チョロチョロ、っと少しずつガソリンを入れています。4リットルちょっとしかガソリンが入らないカブにはこうしたらいいんだ!僕はセルフで給油することがほとんどで、誰かがカブに給油しているところを見るのは初めて。車と同じ感覚で毎回フルスロットルでガソリンを入れるものだから、吹きこぼれがすごかったのです…。

そして次の給油から真似をしました。バイバイ、吹きこぼれ。

レストラン龍泉

ガソリンスタンドからカブで1分くらいのところに教えてもらったレストランがありました。

大きなナスの定食がオススメ!ということで早速オーダー。予想以上に大きい茄子に驚いたら「今年は特に大きなナスが取れたのよ」と、レストランのおばちゃんに教えてもらいました。

ていざなす定食、めっちゃでかいナス!とてもおいしい。

ふんわり、けれどしっかり身の入った茄子と味噌は相性バツグン。お腹も一杯になりました。

レストラン龍泉があるのは「ふれあいステーション龍泉閣」という施設の1階。温泉や宿泊施設と駅が併設されている(!)という、なんとも素敵な場所。機会があれば是非利用してみたい!

そしてこんなところまで連れてきてくれてありがとう、カブ。

Google先生は常に見知らぬ地へ誘う

「あれ、おかしいな、また天竜川の方から回ろうとしている。」
天龍村の先へ南下を指していたはずのMapが、急に北へ戻れ言い始めたのは昼食後。今思えばそのまま南下して良かったと思うのですが、方向音痴の僕は思考停止してGoogleMapを信じることにしました。

その結果ものっすごい山道を走るという洗礼を受けることに…。1時間近く対向車なし、家なし、人なし、無人キャンプ場あり。こんなところでガス欠になったらどうするんだよ!(ビビってます)

たまにひらけた場所に着くと、さながら気分はゲームのセーブポイント。そこで見つけた最新自販機と山の風景には、なんとも言えない異世界感を感じました。ここまでメンテしにくる人がいる。ここに買いにくる人がいる。

落石注意…!?

雨が降る

この旅初の雨。通り雨くらいならやり過ごすんですが、スマホで雨雲レーダーをチェックするとしばらく切れ目がない。あわてて小さな公園に止まって、カッパを着ました。

そしてこのあと、雨はどんどん強くなっていきました。さらに渋滞につかまり、名古屋駅前を通過するのに2時間かかってしまったんです。
追い討ちをかけるようにヘルメットは雨で滲んで先が見えない。何度も水を拭ううちに撥水スプレーも取れてしまったみたい。日はもう落ちてしまって周りは薄暗く、先行車のテールライトを追いかけるような走り方をしていたので怖かったです。

滋賀は諦めよう

渋滞をなんとか抜けた僕はコンビニで休憩。これからどうするか考えました。
今の時刻は19時過ぎ。予約を取ったホテルまではまだ100Km近くあって、天気は相変わらずの雨。加えて慣れない走行3日目の疲れが出始めていることを考えると…。

そう思ってすぐ楽天トラベルをチェックすると、名古屋駅周辺にすぐ泊まれるホテルを発見。予約していた宿はキャンセル。キャンセル料は保険代じゃ!と、3日目は急遽名古屋で宿を取ることに決めました。

名古屋駅前、心を安心させる大切さ

急遽取れたホテルは最近できたばかりのようで、めちゃくちゃ新しくてきれい。飛び込みセールでちょっぴり安い。

今日も屋根付き駐車場をゲット

都市部の駅前ホテルということもあり、これまでみたいに「そこ停めていいよ形式」のバイク置き場はありませんでした。代わりに提携の有料駐車場(立体駐車場)が近くにあり、カブはそちらに停めることになります。

事前に連絡を入れておいたので駐車場の管理人が出てきて、バイクを停める場所を教えてくれました。

カブはびしょびしょ。「何かバイクを拭いていいような雑巾を借りられないでしょうか?」と伺うと、快くタオルを貸してくれました。
バイクを拭いていると他の管理人の方も出てきて「どこからきたの?」「どこまでいくの?」「カブ燃費いいでしょー?」なんて会話が始まって。原付のナンバーは自治体発行なので、知らない土地名から話が広がって嬉しかったな。

後ろの荷物が重いから前輪が浮かび上がるカブの図

管理人さんの一人もカブに乗っていたらしく、それを使って長距離移動するなんてすごいねー、全然気にしないでこの辺置いておいて!と言ってくれたのはとても嬉しかった。

この時の僕は、毎日自分で設定した走行ノルマとか、雨に降られて慣れない駅前の3車線を怖々走ったとか、本当に出雲大社に行けるのかよくわからなくなってきた不安とかでいっぱいで、疲れ切っていたことに気づきました。

体も心も休めよう

安定した毎日が送れること、家があって食事ができて、寝起きする場所があること。それらを毎日探さなくてもいいということ。

そんなの当たり前だと思っているけど、本当はとても大切なことですね。色々焦って走った3日間、いろんな無理が積み重なっていました。

そして僕は、名古屋のこのホテルに2泊することを決めました。
翌日の天気が雨予報だったこともあり、体を休めながらこれから先の走行プランをゆっくり考える日にしようと考えたんです。

自分のペースを知ろう

この3日間でわかった自分の運転を考慮して、無理ない走行プランを考えれば、出雲大社まで行く時の難所が見えるから事前に心構えをすることができる。

何より先を急がないといけない、という自分勝手な焦りから解放されて、本当に頭がスッキリしました。
決めたらやり通す、というのは大切なことなんだけど、時に時間をおいて考えることも必要ですね。

名古屋で一回休み。

文字ばっかりになっちゃった3日目。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。なんだかんだで160Kmほど走りました。

4日目は計画を立てたり、名古屋見物をしたりします。山から都会の落差が大きくて環境の変化に気持ちが追いつけない。

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