愛が溢れた手のひら

普段は子供英会話の先生をしているのですが、
学生のころに、アルバイトしていたたい焼き屋さんを休みの日お手伝いすることがあります。

昭和の家具に、
甘い香りのするキッチン、
ちゃぶ台のある客席はどこか懐かしさが残る場所。

こんなスタッフの落書きが、
「温かいな」と感じられる素敵な場所なのです。

〜〜〜

先日、とある親子が来店されました。
息子さまは60代、お母様は80歳代後半くらいでしょうか。

ふたりは手を繋ぎながら、
ゆっくりとお店に入ってきてくださいました。

ひとつのかき氷じゃ大きすぎるから、と
二人でひとつ、いちごみるくのかき氷を頼まれました。
少しずつ溶けていくかき氷をふたりでゆっくりと。

ふと、視線を感じるなと横を見ると、
お母様がわたしを見て、手を出してこう言いました。
「とても美味しいわ、また来るわね」と。

手に伝わる温度、優しい目線。
なぜでしょう、泣きそうになったのです。

本当に、些細なことかもしれません。

でも手を出して、握って、目を見て、

感謝を伝えて頂くことは

あまりありません。

この手のひらで何人の人を勇気付けたのだろう。
そんな優しい手のひらでした。

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