直近、食品ロス削減アプリ「TABETE」のレスキュー隊員（ユーザー）さんから 、以下のような疑問を多くいただくようになりました：

突然、これまでレスキューしていた店舗さんの詰め合わせの内容量が減っていて、驚かれる方もいらっしゃるかと思います。

なぜ、ここ最近でレスキューの詰め合わせ内容が変わってきているのか。

この業界が直面している状況について理解を深めてもらえるとうれしいです。

原材料高騰におけるTABETE加盟店さんへの影響

この頃、「原材料高騰」による値上げに関するニュースを耳にする機会が増えたと思います。この一年、ウクライナ・ロシア戦争の影響でサプライチェーンが混乱し、原油価格が高騰し、また円安も急速に進んでしまいました。それに加え、国内でも温暖化を原因とする異常気象による不作や、人件費の上昇が発生していて、その影響も無視できません。これらは全て、食品の原料や販売価格を押し上げる原因となります。はじめはどれも、どこか遠い場所のニュースに感じられたかもしれませんが、いろいろな食品の値上げが相次ぐことで、その影響の大きさを実感した方も多いのではないでしょうか。

もちろん、TABETEを多く活用しているパン屋さん・ケーキ屋さんなども例外ではありません。これまで長い年月の間、緻密な仕入れの調整やコスト削減などの経営努力によって、これらのお店は価格の維持に尽力されてきました。しかし今回の原料高の波で、多くの店舗さんが、いよいよ販売価格の値上げを余儀なくされました。その影響で、TABETEに出品する「詰め合わせ」の内容量も一部店舗さんでは減少、またはレスキュー価格を上げることで商品の内容量を維持しています。

TABETE加盟店さんは、TABETEに出品するレスキュー価格をどのように設定しているのか

そもそも、TABETE加盟店さんは、TABETEに出品するレスキュー価格をどのような考え方に基づいて設定されているのでしょうか。

…など、店舗さんによりレスキュー価格の値付けスタンスは異なります。ただ、共通して言えるのはどの店舗さんでも「最低限守るべき利益」を意識して設定されているということです。

TABETEには何らかの理由で食品ロスになってしまいそうな食品が並びますが、いずれも「まだ美味しく食べられる」ことが前提となります。そういった意味では、店頭で通常価格で販売されている他の商品と何も変わりません。

誇りをもって作られたパンやケーキ、料理等の食品に対して、しっかりと「つくり手」に利益が入るような価格設定にされることが、私たちは重要だと考えています。そのため、私たちは店舗さんに対して、割引の強制等は一切実施していません。店舗さんは、その時の状況や最低限確保したい利益に応じて、レスキュー価格を最終的に自身で設定されています。

「賞味期限間近だから格安で当たり前」という、食品ロスに対する考え方を変えていく。

近年は食品ロスに関するサービスや取り組みが増え、誰もが食品ロスに積極的に、気軽に取り組めるようになりました。これはとても良い傾向だと思います。

その一方で、以下のような意見も出てきているように感じます。

これは、間違った考え方だと思います。

私たちは、「TABETE」を通して、「つくり手・食べ手間に新たなかたちの関係性を構築し食業界の持続可能性を再定義する」ことをミッションとしています。そのためには、お店で売れ残ってしまいそうな食品をレスキューに来てくれる「食べ手(レスキュー隊員)」、誇りをもって美味しい食を提供してくれる「つくり手(TABETE加盟店)」が、お互いに尊敬し合い、感謝し合える関係をつくっていくことが重要だと感じています。

その関係性に基づいて考えた時に、「賞味期限間近だから格安で当たり前」という考え方ではなく、食品ロスの背景、原材料高騰の背景含めて、お互いに納得した上でレスキュー活動を続けていくことが必要であり、私たちはその環境づくりをTABETE上でつくれるように尽力していきます。

「持続可能」で「多様な」食の未来のために

ぜひTABETEをきっかけにお店側の課題や背景について知っていただき、それについて何ができるのかを考えながら、日々食品ロスという課題に触れていただけると嬉しいです。

今後もTABETEの展開や、食品ロス削減に対する想いについて、noteで発信していく予定です。今後ともTABETEを何卒よろしくお願いいたします！

https://lp.tabete.me/?utm_source=note&utm_medium=referral&utm_campaign=note-0074