「Google Travel」とは? 何がすごいのかをわかりやすくまとめた記事。

from:大阪梅田のカフェ(コンサル時代はここで泣きながら働いてたなあ)


先日Googleさんが、旅行プランニングツールとして、「Google Travel」【PC版】をリリースしました。

Googleはこれまでも、旅行分野で3つのサービスを提供していました。

アプリ版の旅行プランニングツール「Google Trips」
ホテル比較・検索サイトの「Google ホテル検索」
航空券比較・予約サイトの「Google フライト」

今回の「Google Travel」は、それらをマージしたものになります。


「うわっ!旅行会社やOTAはどうなるの!!」と少し話題になっていますのが、ビジネス的観点での僕の見解はこうです。

・OTAは利益率が減り続けるが、業態としては生き残る。
・Googleがこれによって、とんでもなく儲けることはない。

せっかくなので少しまとめたいと思います。


「Google Travel」のビジネスモデル

GoogleTravelのビジネスモデルは、メタサーチです。つまり次の2つがキャッシュポイントになり得ます。

①各OTA/航空キャリアへの送客手数料
②各サプライヤーからの広告料


実態はまだわかりませんが、過去のGoogleのサービスは、①でお金をとっていませんでした。しかし、今回のサービスを「事業」として位置付けているでのあれば、①もキャッシュポイントにすると思います。

そうなるとOTAさんの利益率が縮小します。

しかし、①で儲ける可能性はまだ低いはずです。
理由は単純で "独占禁止法に触れる可能性があるから” ですね。3月にやられたばかりですし。


「Google Travel」のユーザーインターフェイス


TOPは、Googleの世界観を保ったとてもシンプルなUIです。
URL:https://www.google.com/travel

これまでの踏襲版なので、メニューも「目的地検索」「フライト検索」「ホテル検索」の3つだけです。

今回は、「ホテル検索」「目的地検索」の2つを見ながら、Google Travelの特徴と、影響力について考えます。



  - ホテル検索

ホテル詳細ページは、トラベルコやトリバゴなどの既存メタサーチに対して、圧倒的な情報格差を作り上げています。その要素は次の2つ。

・独自性の高い画像と口コミ
・マップフル活用と独自のスコアリング


 ▼ --- ホテル詳細ページのUI

メニューは、料金、レビュー、立地、概要、写真 の5つです。


 ▼ --- 料金ページ

各OTAから、最安値(恐らく)の1プランのみ表示しようとしています。クリックすると各OTAのホテルページに遷移します。

例えばこの場合、Expediaの方がbooking.comよりも$89高いですが、遷移先のbooking.comには、それよりも安いプランがあります

これは、それぞれのOTAからどのようなロジックでプランを取得するかによって、往々におこることです。最安値思考のユーザーからすると、少し使い勝手が悪いですね。



 ▼ --- レビューページ

独自に溜め込んできた口コミに加え、bookingとトリップアドバイザーの口コミも表記してあります。

なぜこの2社かというと、他媒体に口コミを提供しているプレイヤーがまさにこの2社だけだからです。

旅行は、誰と行くかや、シーンや目的によって購買基準が変わりますので、「旅行者タイプ別の評価」はいいですね。他のOTAやメタサーチにはまだありません。どの様に算出しているのかはわかりませんが。


 ▼ --- 立地ページ

これが強いと思います。
「立地スコア」なるものを算出しており、概要はこうです。

スコアは Google マップのデータに基づいて計算され、ホテルから周辺のおすすめスポット、交通機関、空港への近さを評価しています。

つまり、旅行向けのコンテンツが、「より近くにあればあるほど、評価が高くなる。」と捉えて良さそうです。


 ▼ --- 写真ページ

こちらも独自に溜め込んだ画像を表示しています。

各OTAがカメラマンを使ってとても綺麗な画像を掲載しているのに対して、Googleはユーザーが撮った画像なのでリアル感が出ますね。インスタほどキラキラではありませんが。


  - 目的地検索

 ▼ --- 旅行ガイドページ

そのロケーション情報が取得できます。
地味ですが僕が一番いいなと思ったのは「品川発沖縄いきのフåライト」(オレンジのとこ)の表記です。

実はこの「どこから」という要素は旅行をプランニングする際に欠かせないのですが、この要素を最初から取得した状態(会員登録などをせず)でUIを提供できる旅行サービスはこれまで存在していませんでした


 ▼ --- 目的地ページ

きっとですが、ここに表示されているタグたちは、「沖縄県」というキーワードに対するサジェストだと思います。

今後は、過去の検索行動からパーソナライズされたタグが表示される様になりますね。

最早行きつけのどの旅行会社よりも、あなたのことをよく理解して旅行を提案してくれます。なかなかエグい。


 ▼ --- 観光プランページ

おすすめの観光地を紐づけて提案してくれます。

まだまだ精度は低いです。
また、ホテルやフライトと合わせてアクティビティを丸っと予約できる様になるのは、だいぶ先のことになると思います。


これは、ホテルのOTAとタビナカのOTAの数字の違いからでもありますが、

キャンセル率(ホテル<タビナカ)
ノーショー率(ホテル<タビナカ)
予約〜当日の日数(ホテル>タビナカ)

要は、タビナカ消費は、「当日時間が余ったら」「当日行けるかわからないのでキャンセル料が怖くて」とかの理由で、あまり先に予約されることはありません。

加えて、タビナカのメタサーチがこれまでいなかったため、APIやデータベースもそれほど整備して準備されていないはずです。

予約できる様になるのは少し先かもしれません。(もしかしたらタビナカは予約までできない状態で行くかも)



結局、「Google Travel」はすごいの?使えるの?

旅行を消費する際の4つの制約条件である

①誰が誰と
②どこから
③いつころ
④いくらで

この内、①と②を綺麗にクリアしているプレーヤーがいませんでしたが、Google Travelはそれを実現できる環境にあると思います。

その点で、Google Travelは他よりも優れていますし、使えるサービスだと言い切れます。

しかし、特にOTAとはポジションを棲み分けて共存する世界が続くはずですので、どちらかと言うと業界で話題になるのは、 ”Google Travel活用術” みたいなの話になって来るはずです。


結局SEOの世界が薄れても、Googleの上で踊らされる世界は続くわけですね。。



参考:メタサーチとかタビナカの記事はこちら




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