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シンガポール人が、それなしでは生きていけないもの

「あの人なしでは…」「酒なくして…」、はたまた「No Music No Life」など、欠いては困るものは人それぞれ。シンガポールの人にとっては「ホーカーセンター」(集合屋台)がそれに当たるようです。

'Eat's the best', many say of hawker centres, The Straits Times, June 14, 2019.

なんと9割が満足しているホーカーセンター

今回のニュースは、シンガポール環境庁が、年齢18歳から69歳のシンガポール国民と、永住権保持者を対象におこなった調査の結果。回答者の91%(なんという高率!)が、ホーカーセンターには「たいへん満足」または「満足している」と回答したそうです。

シンガポールの「ホーカーセンター」は、日本でいう屋台村のようなもの。
屋根のある開放的なスペースに小さな区画の飲食店がたくさん集まっていて、ごはんや麺類などが気軽に食べられる場所です。もともとは個別に商売をしていた飲食屋台を、衛生管理の都合で免許制にし、ひとつの場所に集めたことで生まれました。

共働き家庭を支える「地域住民の食堂」

国民の9割が高層団地に住むお国柄、団地のなかには必ずホーカーセンターがあり、今では国内に110のホーカーセンターがあるそうです。屋台とはいえ朝から営業しているので、通勤前に朝食をとる勤め人もいれば、昼はおじいさんたちがお茶を飲みながら談笑していたり、夜は一家で夕食を食べていたりする、居住者の食堂みたいなところ。

基礎生活費がとても高い国ですから、より高収入の仕事に就くためには、熾烈な競争を勝ち抜かなければならず、子どもたちは塾通いに忙しい。生活のレベルを維持するために共働き世帯も多いので、外食(持ち帰りを含む)の頻度はかなり高いのです。インドネシアやフィリピンから出稼ぎに来る、外国人メイドを雇って家事を切り回している家庭も少なくないくらい。

それはそれで、とても合理的な暮らし方のような気もします。でも料理ができないまま育ったおとなにとって「懐かしい味」は、やっぱり近所のホーカーセンターの味ということになるのでしょうか?

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