ニンジャ初心者に送る私的ニンジャスレイヤー入門

あなたはニンジャスレイヤーという作品を知っているだろうか?

私はかれこれ1年ほど前にどハマりして忍殺(注:ニンジャスレイヤーの略語)のTwitterアカウントもフォローしたし、物理書籍版(注:実際の書籍として販売されているもの。同作がTwitter上で連載されていることからこう呼ばれる)も購入したし、限定ドラマCDもゲットして日々ニンジャ生活を楽しんでいる。

しかし、周りの人におすすめしてみても中々良さが伝わらない……面白そう、読んでみるわ、との言葉は貰いつつも中々同士が増えない……そう、忍殺は口頭で説明するにはなかなか特殊な作品なのだ。

そこでひとまず、ニンジャスレイヤーとは何か?どんな特徴があってどんなところがPRポイントなのか?について簡潔に、忍殺に興味があるけど…と思う人が気になる点に重点を置きながら個人的にまとめたいと思う。

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Q.ニンジャスレイヤーってそもそも何?

A.端的に言うと「ニンジャが出て殺す」サイバー・パンク小説。であり、その実態はアメリカ人のブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズ原作による翻訳小説である。もうすでにややこしい。

そしてその特徴的な点は、①独特の翻訳文体と世界観を持ち
            ②Twitterで
            ③カットアップ連載がされ
            ④それと並行して様々なメディア展開もするところ
ではないだろうか。

Q.まずどういうストーリーなの?

A.あらすじを紹介すると「妻子をニンジャに殺され、自身も瀕死の大怪我を負った主人公フジキド・ケンジが、ニンジャソウルの憑依を受け自らもニンジャとなり復讐を誓い戦う物語」というのが一番わかりやすいかもしれない。

しかし、実はニンジャスレイヤーは現在第4部まで進行している長い物語である。上記のあらすじは確かにあらすじではあるが、あくまでニンジャスレイヤーという作品のほんの一部である。後述する通り、「ある男の復讐物語」という言葉でくくれるほど単純な物語ではない。

Q.「アイエエエエ!」とかいうよく分からんスラング小説なんでしょ?

A.それはあくまで作品の一部であり、全てではない。上記の特徴①でも述べたように、ニンジャスレイヤーと言えば外せないのが特徴的な言い回し、コレジャナイ感漂う誤訳なのかなんなのか分からない謎の用語……いわゆる忍殺語である。しかしネット世界のイメージとは異なり、作中で繰り広げられる忍殺語は多岐にわたる。単なるスラングに留まらず、作品世界を支える重要な要素にもなっている。傍から見てたら「よく分からん」と思うかもしれないけど、ニンジャヘッズ(注:ニンジャスレイヤーのファンを指す)でも「よく分からん」ってなってる。7年連載が続いてる中でも未だ正体不明の用語があるくらいだ。その全容を把握するのは熟練ニンジャヘッズでも難しいのではないのだろうか……。

Q.世界観がよく分からない……ジャンルは何?

A.これも上記特徴①と関連する話である。ニンジャスレイヤーは活字なので、最初はその特異な世界を思い描くのが難しいかもしれない。そこで、あくまできっかけ的な用法で考えてほしいのだが、おそらく世界観として近いのが「ウルヴァリン:SAMURAI」(個人の感想です)。とりあえず近未来で日本でいかにも曲解してるなあというトンデモ描写ではあるが実際には現代日本への深い理解を踏まえた造形で、なおかつ伝統とテクノロジーがカオスに混ざり合う猥雑なサイバー世界という闇鍋的なものだと思って読むのが早いと思う。あとニンジャは強くてスゴイと言い伝えられるが一般人には架空の存在ということも必須。

そして、ジャンルの話だがこれも多岐にわたる。一応ニンジャへの復讐の物語ではあるが、あくまでそれは一側面。ニンジャスレイヤーにストーリーの大きな流れはあるものの、実際は個々のエピソードの集合体であるため、それぞれの特色が出るのだ。例えば、青春、物悲しい大人の恋、SF、ハードボイルドからミュージカル調、コメディ、グルメバトルまでとにかく色々あるんだよ!読み進める中でお気に入りのジャンルを見つけるのもいいかもしれない。(この辺りはまた属性ごと紹介してみたい)。もちろん、登場キャラクターもたくさんいる。自分の推しエピ&推し忍を探すのも楽しみの一つだ。

Q.これらは何かで連載してるの?どこで読めるの?

A.上記特徴の②でもあるように、ニンジャスレイヤーはTwitterで連載されている小説である。そしてそれらはTogetterでまとめられ、更にそれがニンジャスレイヤーWikiというものにまとめられている。つまりお手軽にネットの世界で読めちゃうのだ。そして何よりも魅力的なのが、連載と並行してリアルタイムで実況が楽しめるという点だ(これについても後日解説したい)。なのでまずは公式アカウント(@NJSLYR)をフォローするのもいいだろう。しかしデータは消えることもあるし……と不安なあなたに物理書籍(現在19冊刊行)というものがおすすめだ。これもTwitter連載をまとめたものだが、書籍の形になっていて書店で買える。更に連載を大幅加筆修正したもの書籍限定エピソードが収録されている。ニンジャスレイヤーにハマったら是非購入してみてほしい。そして更に有料コンテンツ(月額490円で読み放題)としてニンジャスレイヤープラスという公式noteもある。こちらも限定エピソードや設定・小話などが読めるのでどっぷりハマった人におすすめだ。
※【ニンジャスレイヤーwiki】⇒http://wikiwiki.jp/njslyr/

Q.何かたくさんあるけどどれから読めばいいの?

A.これは上記特徴③で挙げている、カットアップ連載という手法が関連している。これは、わざと時系列を崩してランダムに連載が行われるというもので、慣れないうちはとても戸惑うだろう。つまり、連載順=時系列というわけではないということだ。「時系列で読むには頭の中で作中時間で並べ替えろってこと?無理!」と思うだろう。私もこんがらがるので無理だ。しかし、先達である熟練ニンジャヘッズたちがこれもまたニンジャスレイヤーWiki時系列順にまとめてくれている。スゴイ!なのでとりあえずそこを見れば時系列で読める。もちろん、カットアップ連載を逆手にとって気に入った話から読むのもいいだろう。ニンジャスレイヤーは個々人で自由に楽しめる物語でもある。

Q.小説って言ってるけど漫画もアニメもあるよ?

A.あります。上で述べた④と関連することだが、ニンジャスレイヤーはとにかく色々なメディアで展開する。Twitterおよび物理書籍のほかにコミカライズはそれぞれ趣の異なる3種(無印版、グラマラスキラーズ、キルズ)、そしてアニメ(アニメイシヨン)。オーディオドラマ(限定版含む)もあればフィギュアもある。各種企業やゲームともコラボするし、ライブイベントもやる。ぶっちゃけ全て追うのは大変だけど、個人の自由で好きなものを楽しめばいいと思う。ちなみにコミカライズもTogetterでまとめられている。

個人的に入門編としておすすめなのは「Twitter連載の本編」「無印版コミカライズ」。アニメも素晴らしい出来だが本編を読んだ後の方がとことん楽しめそうと思ってしまったのでやはり素直に本編をおすすめする。「オーディオドラマ」もおすすめなのだが、限定版もあり入手のハードルが少し高いので、手軽に読めるTwitter連載が一番いいと思う。

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簡潔にまとめたつもりが長くなってしまった。11月28日からついにAoMシーズン2が来るということと、最近友人の一人が物理書籍を購入したようなので、これを機に初めてニンジャについて書いてみた。

私が最初に書店でニンジャスレイヤーの物理書籍を見かけたとき、「何かヤバイものが平積みされている……近寄らんとこう」と思ったものだが、数年経てこんなにドハマりするとは思わなかった。本当に沼はどこにあるか分からないなあ!周りに同士がいないので日々鬱屈としたニンジャ愛を抱えていたが、やる気があるうちに色々ぶちまけたいと思っている。好き勝手書いたから熟練ヘッズに怒られるかもとビクビク。ムラハチにはしないでください。でも変なこと書いてたら教えていただけると幸いです。

(了)

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