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Balisick_超私的バリ島ガイドBOOK② ガルーダって、なんだ? インドネシアのナショナルフラッグ・キャリア、ガルーダインドネシア航空のこと。その1


コーポレートカラーの青の色合いが美しい、ガルーダインドネシア航空の機体デザイン。派手さはないけれど、落ち着きがあり、やわらかな印象で、私はとても好き。(機体全体は、ひとつ前の記事の写真を参照ください)


ガルーダとはヒンズー教の神話に登場する鳥の王。人の体に鳥の頭と翼を持ち、その背中にヒンズー教の三大神の一人、ヴィシュヌ神(維持神)を乗せて、ともにこの世界を維持する役割を担っていると言われている。

ちなみに三大神の残り二人は、世界を破壊するシヴァ神と、世界を創造するブラフマ神。

ここで少し話を脇道にそらすが、インドネシア国民のほとんどはイスラム教徒だ。しかしバリ島だけは、島民の90パーセント以上がバリヒンズー教を信仰している。つまりバリ島だけが、インドネシアの中では独自の宗教文化を持っているのだ。

元々バリには土着のアニミズム(植物、動物、鉱物、滝、岩、山、月など、自然界のあらゆるものに霊魂が宿るという思想や信仰/精霊崇拝)があったが、4、5世紀ごろにインドのヒンズー教や仏教が流入。さらに16世紀、インドネシアにおけるイスラム教の台頭により、マジャパイト王国からヒンズー教徒がバリに逃げてきたのを大きなきっかけに、アニミズムと融合しながら、この土地独自のバリヒンズー教として進化を遂げていくことになる。

バリヒンズー教の神話にも登場するガルーダは、ガルーダインドネシア航空のロゴマーク(ひとつ前の投稿の写真で、胴体に描かれているもの)に描かれ、またインドネシア共和国の国章にもなっている神の鳥。国章についてくわしく書かれた下のページを見てもわかるとおり、ガルーダはインドネシアを象徴する鳥なのだ。

13,000以上の島で構成される島嶼国家であり、2億3,100万人の多様な民族が暮らすインドネシアは、まさに「多様性」の国。

そしてガルーダインドネシア航空の機体両翼の先(この記事のTOPの写真)、および尾翼に描かれている青のグラデーションは、ガルーダの翼=羽であり、これはまさに多民族のグラデーションを表しているような気がするのだけど、どうだろうか。また一番下のほうの水色は、バリ島南部の海の色と同じ。

爽やかなこの水色は、機内のシートのブラウンともマッチしていて、とてもいい感じ。しかも下の写真ではわかりにくいが、シートは濃いブラウンと金色とも黄土色ともとれる淡い茶色の2種があって、それが交互に並んでいるのもきれいだった。


座席には、枕とブランケットが用意されており、貸出し用のブランケットすら使わせてもらえなかったコロナ禍のJAL便に慣れ切っていたため、こんなことにもなんだか感激してしまう。(念のため書いておくと、私はれっきとしたJALラヴァーです。)コロナ禍を経て、感動の閾値が下がったのは幸せなことである。

今回、往路では、最後尾から2列目の窓側席を確保。通常、座席の事前指定はガルーダインドネシア航空のHPから有料にて可能だが、出発2日前から受け付けるWebチェックインのときにのみ、これが無料でできると知り、出発前日にギリギリで窓側を指定。
そして当日搭乗してみると、ラッキーなことに隣席は誰もおらず、悠々快適な空の旅を満喫したのだった。

とはいえ、ただひとつ無念だったことが。最後尾の席にすると、機内食の順番が一番最後になることをすっかり忘れていて、お目当てのインドネシア料理の機内食にありつけなかったのだ。バリに向かっているというのに、日本食ではどうにも気分が盛り上がらない。デザートとして人形焼がついていたのはうれしかったが。
パーソナルスペースを取るか、選択肢のある機内食を取るか、なかなかむすがしい問題である。

じつは近年のガルーダインドネシア航空は、「World Airline Awards(ワールド・エアライン・アワード)」にて、「World's Best Cabin Crew(ワールド・ベスト・キャビンクルー)賞」を5回も受賞しているのだとか。 
この賞は、世界中の航空会社が最も受賞したい賞らしく、ガルーダインドネシア航空も、この賞の受賞を目標に努力を続けてきたとのこと。この次の投稿で書くけれど、たしかにサービスはとても良かったように思う。

そして、ひとつ前の投稿を読んでくださったかたは、きっと気になっているであろう、あの件。私の目が届く範囲では、着陸時に荷物棚の扉が開いてしまうことはなかった。
だけどリクライニングについては、私の席はちょっと調子が悪かったのか、立ち上がるときや姿勢を変える際に、もたれかかるのをやめてしまうと、すーっと音もなく静かにリクライニングが戻ってきてしまったのは、まあ、ご愛嬌ということで😆

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