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【函館】(2/5)最強深化、函館「大門」の酒場がすごすぎて感動して、ついつい呑み過ぎ一泊二日旅 2024年2月3日(土)-4日(日)

函館到着し、いきなり「茶夢」で呑んで喰っての狙いどおりの展開を迎え、さてさて続いて函館観光でもしようじゃないか、と意気込んで函館の街に出たのでした。だがしかし、この日の函館は氷点下10度を下回る厳寒の天気。北国・岩手盛岡から来た身としても、さすがに堪えました(笑)


⚪︎金森赤レンガ倉庫へ

さて、この日のホテルは函館駅前の「アパホテル」としていました。いつもの「東横INN」は満室でしたので、代わりに空室があったのが「アパホテル」でした。

ホテルは函館駅前、函館朝市から徒歩数分という好立地です。近くにもコンビニもあるし、目の前に路面電車も走ってるし。

まず、「アパホテル」のチェックインは15時でして、このとき時間はまだ13時前だったので、ホテルフロントに荷物だけ預けて元町方面へ歩きます。その途中、「金森赤レンガ倉庫」に寄って、いろいろ眺めてまわります。

わたしは、「はこだてわいん 葡萄館西部店」に目をつけ、陳列されたワインボトルにふらふらと近寄っていきます。

「はこだてわいん」は、51年前に創業した七飯町のワイナリーで、駒ヶ岳山麓で小さく葡萄畑を開墾し、それから北海道らしいワインを造ることを心がけて今に至っているようです。

試飲コーナーがあったので、ピノ・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、ピノ・ノワールを利かせていただきましたが、優しい膨らみがあるソーヴィニョン・ブランが好みでした。

⚪︎大三坂「天然酵母パンtombolo」と古民家と

大三坂を行きます
おしゃれなゲストハウスの入り口
歴史がありそうな酒屋

「中学校時代に函館に修学旅行に来たじゃん。そのとき、10月だったんだけど、元町教会群から函館の街を見下ろしたら、ナナカマドの葉っぱとか身が赤く色づいて、ものっっっっすごく綺麗で、一気に函館が好きになったんだよね」と語るのはムスメです。

冬なのが残念ですが、それでも十分に美しい通りと街並み。厳寒の函館ですが、元町を歩くと好奇心が尽きず、あっちへこっちへと、あらゆる路地を覗いてみたくなり、店舗前に立って眺めてみたくなり、あっという間に時間が過ぎます。

あ、ちなみに、一帯の古い建物については、地域資源として活用するプロジェクトが進んでいたようでした。

こちらの記事は函館から帰ってきて見つけたのですが、プロジェクトの中心となった方が営む天然酵母パン「tombolo」を訪れます。

tombolo

「tombolo」は、ご両親が営む陶芸ギャラリーを、芋坂さんご夫婦がリノベーションして陶芸ギャラリー&天然パン工房としてオープンさせたそうです。

「tombolo」とは、陸繋砂州(りくけいさす)のことらしく、函館山もそうですが、秋田の男鹿半島や神奈川の江ノ島なども同様の地形のようです。

2016年12月に宮崎の友・イグチさんに案内していただいた、宮崎市の青島も一種の陸繋砂州で繋がった陸繋島なんでしょうね。

complet(コンプレ)を買いました

さて、店内があまりにカッコいいので、「写真撮らせてもらっていいですか」と、記事に出てきた芋坂さんであろう男性に訊くと、「どうぞどうぞ」と快くおっしゃっていただいたので、撮影させてもらいます。

数日ぐらいもちますよ、と教えていただいたので、「complet(コンプレ)」を買います。「complet」は全粒粉のパンのことで、実にずっしりときます。

クロワッサンもとても美味しそうだったので、こちらも購入して、どこかで3人でシェアして食べることにしました。

店内には陶芸作品も陳列され、なんとも落ち着きのあるスタイリッシュな空間となっていました。上品な空気感漂う元町らしい店の一つに感じました。

その後、2時間ほどかけて教会や公会堂を見学し、クロワッサンを食べ(ものすごくしっかりしていて、食べ応え十分でした)、坂を巡ってみましたが、日が傾き始めると体が冷え切ってきたので、サムイサムイと元町方面を後にしたのでした。

⚪︎大門のはなし

以前の函館旅で、「(にぎわっているのは)大門より五稜郭だよ」と饒舌なタクシー運転手に教えてもらったのですが、今回も大門中心に酒を呑もうと思っています。

なぜかわたし、大門に惹かれます。大門をもっときちんと知ったら、五稜郭の方にも足を伸ばしてみたいところです。

大門とはどういうエリアなのかを調べると、ざっくり言うと、松風町と若松町を併せたあたりのことを指し(明確な定義はない)、移動の手段が船だったときは、金森赤レンガ館がある十字街が函館の中心街だったものが、船から鉄道に交通手段が変わってきた1910年代からは、函館駅前の若松町付近と東側で隣り合った松風町あたり、つまり、その大門に繁華街が移ってきたという経緯があるようです。

デパートのような大型商業施設が3つも大門にはあったようですが、函館東部地区の住宅需要による人口増の結果、市民のくらしの中心部は五稜郭付近に移り、大門は徐々に衰退、3つの大型商業施設も平成の時代に閉店してしまい、大門には大きな空き地や駐車場が目立つようになったのです。

歓楽街としても繁栄した大門ですが、「ここにくればなんでも買える、なんでもできる」といった多様性と利便性に優れたエリアだったようで、栄えていた頃は、誰もが一日遊べる街だったのでしょう。

ということで、大門について調べて書き連ねてみましたが、もう少し大門の話をします(笑)

あるとき、函館では有名なフリーペーパーの編集者と話す機会があった。40代の彼は、函館生まれ函館育ち。聞けば大門が好きで、もっぱら飲み歩いているのだという。なにがよくて、通い詰めるのだろうか。 「大門には“におい”があるんです。建物がどんどん変わって、前みたいに活気がなくなっても残っている“におい”に惹かれてしまうんだと思います。」 私が感じた「さみしい町」には、どうにも人を惹きつける“におい”が漂っているのだという。その“におい”をかいでみたいと思った。そして、その正体はなんなのだろうか。 大門の“におい”を求めて、カメラを片手に探訪することにした。 (NHK函館ディレクター 岡勇之介)

出典:函館・大門の「におい」を探して-

まさに、わたしが大門に惹かれる理由がこちらに書かれていました。

「におい」はすごく感覚的にわかります。旅先、たしかにわたしは「におい」がある界隈を探し、そしてそこにある酒場と人に出会いたいと望みます。

無味無臭・無機質・潔癖な街は苦手です。どこか猥雑なところがあっても、人間の温かさや、どこからともなく漏れる光や音などの、営みが感じられる界隈が好きです。

その「におい」が、たしかに大門にはあるのです。大門には、にぎやかなところもあれば、寂れているところもあります。昔を懐かしがる人もいるし、そんな背景を知らずに街をゆく観光客もいます(特に今回は外国人旅行客を多く見ました)。

そんなあらゆる要素を包含した歓楽街・大門で、今回も心ゆくまで呑むみたいと考えたのです。

(3/5へつづきます。)

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