【盛岡市大沢河原】心の酒場「熊ヶ井旅館食堂」の絶品手料理に舌鼓
⚪︎大沢河原「熊ヶ井旅館」の食堂部の概要
JR盛岡駅東口から徒歩5分、大沢河原にあるのが「熊ヶ井旅館」は、1966年に開業し、以来、「マチナカの旅館」として全国の旅行客だけでなく海外からの旅行客から愛されてきたお宿です。
そのお宿の食堂部としての位置付けが「熊ヶ井旅館食堂」であり、宿泊客だけでなく一般客も利用でき、地域の方々の半端ないリピート率でいつもにぎわっている酒場となっています。
詳しくは公式サイトをご覧いただきたいと思いますが、軽く食堂部の紹介などを。
⚪︎隠れ家的酒場として
慣れないとわかりづらい入口となっていますが、一度訪れると、こちらの最大の特徴でもあり強みでもある、家族経営だからこそのアットホームな雰囲気に癒され、二度目以降は、懐かしいようなほっとするような、実家に帰ってきたような安心感があるような気持ちで、足を運ぶことになると思います。
食堂は旅館に併設されているわけですが、一般的に旅館の食堂では、宿泊客以外が飲食できないと思いますので、こちらはそういう意味でもレア感・特別感があって、それもあってか、盛岡市内においても知る人ぞ知る隠れ家的酒場となっています。
さて、この日は家族三人で店を訪れると、若旦那が厨房から顔を出してくれましたので、「本年もよろしくお願いします」と年頭の挨拶をし、「個室、いいよ」と促されましたので、入口の正面にある6人ぐらいが定員の個室に向かわせてもらいます。
こちらの個室は、わたしもよく友人や親族との食事の際に使わせてもらっています。
さてさて、まずはサッポロ「赤星」を手酌でぐいーっと呑りながら、メニューに目を通します。妻は生ビール、ムスメはジンジャーエールとしました。
「熊ヶ井旅館」は、2023年に大規模リフォームをし、しばし休業期間があったため、わたし自身は久しぶりの来店になっていましたので、刷新されたメニューをじっくり眺めます。
⚪︎リフォーム後の酒場メニューのラインナップ
こちら、メニュー左上に配置されている「小鉢フルセット」が実にお得メニューなので、基本それを注文し、あとは食べたいものをアラカルトで追加するというのが、飲食スタイルとなります。
なので、家族三人「小鉢フルセット(7品)」を注文しようと思ったのですが、右列に「店主におまかせ! セット」というものがあったので、わたしはこちらを注文することにしました。
注文を取りにきた若い女性店員に内容を伺うと、「小鉢数品にお刺身、そして肉料理がつきます」とのことでした。
その女性店員がホワイトボードを持ってきて、「本日のオススメになりますので、スマホで写真を撮ってからゆっくりご覧になるとよろしいかと思います」とにっこり微笑みながら教えてくれましたので、「あ、なるほどなるほど」とばしゃり一枚撮影し、妻とムスメにLINEしました。
こちらのメニューから、アラカルトを注文することになります。
なお、日替わりで東北を中心に地酒が各種揃えられていますが、超人気日本酒「新政」が充実しているので、お好きな方はぜひぜひご注文ください。
⚪︎小鉢に「熊ヶ井旅館」の底力が現れています
さてさて、その小鉢フルセット(7品)がこちらになります。煮物を中心に、大豆醤油漬け、白菜漬け、ベビーホタテと新ワカメの酢の物、春菊胡麻和え、小エビ素揚げ、胡麻豆腐となっています。
この小鉢が食堂部の底力といえるとわたしは思っており、実際、この小鉢を楽しみに毎日のように通う常連もいるほどです。若女将曰く「いかついオヤジが作るお袋の味」とのことで(笑)、最初に出迎えてくれた若旦那が日々腕を揮っています。
なお、「いかついオヤジ」その人である若旦那は、かつて盛岡市内で有名なバーテンダーでして、旅館を継ぐ前は自身が店に立ってのバー経営をされており、今もなお、盛岡で人気のバー「にっか亭」の経営者でもあります。
さて、わたしが注文した「店主におまかせ! セット」がこちら。いいですねーー、最高ですねーー、小鉢4品に刺身がついて、後から肉料理も届きます。
若女将が顔を出してくれたので、ちょっと間が空いてしまいましたが、青森旅行の際にアドバイスをくれたことに礼を述べます。そう、青森市へ行った際に「横丁」という素晴らしい酒場を教えてくれたのは、青森市出身の若女将なのでした。
⚪︎さすが元バーテンダーです、肉料理がほんっっと旨い
若女将に日本酒を注文します。秋田は栗林酒造の「春霞 純吟 無濾過生」をもっきりでいただきました。なみなみと注がれて、酒好きにはたまりません。
フレッシュかつキレの良い綺麗な酒質で、「いかついオヤジ」が心を込めて作った料理とよく合いました。
クリームチーズにピンクペッパーが散らされた肉料理が登場です。ローストポークです。
で、こちらがほろっほろ、ふわっふわでして、ナイフでさっくさくに切れる切れる。クリームチーズと玉ねぎのソースとの相性が最高すぎます。
いやホント、マスター、じゃない若旦那の肉料理は何を食べても絶品です。バーテンダー時代から肉料理はじめ洋食の腕は最高級でしたが、まったくもって今も最高の料理人ですね。
もう火の入り具合が最高すぎです、旨すぎです。われわれ家族三人、食堂部が出来てから15年とかになるのでしょうけれど、ずっと胃袋を若旦那に掴まれっぱなしです。
⚪︎最後に看板犬・ゴン太のことを思いながら
「熊ヶ井旅館」には、「ゴン太」というアイドルであり看板犬がいて、可愛らしい姿で旅館内・食堂内を愛嬌いっぱいで走り回り、客たちから「ゴンちゃん、ゴンちゃん」と愛されていたのですが、残念ながら2022年12月29日に天国へ行ってしまったのです。
ゴン太に会いたくて呑みに行く、ということもざらにありましたし、ムスメも2歳か3歳くらいのときから通っていて、ゴン太と戯れあって育ってきたので、本当に残念です。
今回、久しぶりに訪れてみて、改めてゴン太がいない喪失感というものを感じました。
もちろん、飼い主であった「熊ヶ井旅館」のみなさんのそれは、わたしなんかよりもずっと計り知れないものだとは思うのですが。
とはいえ、旅館は2023年にフルリフォームを経てさらに進化し、食道部も同様に改装によって広くなり便利になり、さらにさらに、若旦那が教えている調理師専門学校の生徒が二人、スタッフとして働くようになっており、施設の面でもマンパワーの面でも、しっかり一歩ずつ前へ前へと進んでいるのが、われわれ家族の心の酒場「熊ヶ井旅館食堂」なのです。
そんなことを改めて実感しながら、旨い酒と旨い料理を堪能した夜だったのでした。
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