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ほっこりするひと

何の変哲もない日常で贈り物をもらったような気分になるときがあります。私にとってほっこりと和んだ話を少し書きます。

机を挟んでおばさん達8人くらいで作業をしていた職場での話です。
当時20代前半の私は先輩方に囲まれて
少し緊張ぎみに仕事をしていました。

斜め前に座っていたDさんが、息子さんにやっと
お嫁さんがきた話を皆に話し出しました。
「そんでよー」「んーでさあ」「だどもよ」
Dさんの話し方は日本昔話を聞いているような独特で
ゆっくりと暖かみのある口調でした。

「うちとこは息子が3人で男ばっかだったもんで、
爺さんがよろこんでよー
なにが嬉しいって明るくなったわなー
今まではよーねずみ色や黒、
洗ったってドブ色ばかりじゃったけんど
外の物干し竿にヒラヒラとよ
赤や黄色や 今まで無かった色のある洗濯もんがよ
はためいて朝から明るくなるんよ」

それを聞いて皆がドッと大笑いしました。
まるで鯉のぼりを仰ぎ見るように
干した洗濯物がカラフルになって喜ぶDさんの姿が
かわいらしく ほっこりしたのでした。
めでたし めでたし おしまい。

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