「社会課題を解決したい」系相談の特徴その1
ども、旅ねこです。
熊本で創業・経営支援とコワーキング運営をしています。
女性の社会進出を後押しするための取り組みを行っています。
今日は、最近増えてきた「社会課題を解決したい」系の起業相談について書いてみようかと。
さて、その前に。
マズローの5段階法則について、存知の方も多いかと思いますが、改めて。
この理論は、人間の欲求を5つの段階に分けて説明しています。基本的な生理的欲求から始まり、安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求、そして自己実現の欲求へと進んでいきます。
後年のマズローは、さらに「自己超越欲求」を加えたとあり、社会活動家・社会起業家と呼ばれるタイプの人はこの段階に該当すると言われています。
詳しくは、リンク先の解説に譲りますが、活躍する社会起業家の影響や、ソーシャルビジネス系のビジコン、地域おこし協力隊の活躍もあると思うのですが、「自己超越欲求」クラスタが増えている実感があります。実例を上げると、こんなかんじです。
「耕作放棄地と空き家問題・高齢者の買い物難民の課題を解決したい」
「育児と介護で大変だった自身の経験から、同じような境遇の女性の辛さに寄り添えるコミュニティをつくりたい」
「不登校の子供さんに、まともな教育と安心できる居場所を提供したい。合わせて不登校のお子さんを持つ養育者の心のケアを提供したい」
「アトピーで苦しむ我が子のために、グルテンフリーのおやつを食べさせたい」
「生まれ故郷が衰退の一途を辿り限界集落になっている。地元素材を使った食材を開発し、故郷に雇用と産業、観光資源をつくりたい。」
などなど。
相談者の実体験が原資になっており、ストーリー性もあることが多いです。それぞれ、とても意義のある取り組みや視点ですし、これらの社会的課題が解決できれば素晴らしい世の中になると思います。
いやしかし、美談で済まないのがビジネスの世界。いざ事業化!となると、一筋縄ではいかないものです。
一番欠けている視点を上げるとしたら、これです。
そのサービスに誰がお金を払うか
まず、思いが強すぎるせいか、キャッシュポイントを考えていないケースが圧倒的に多い。
「困っている人を救済したい」「受益者の幸せが私の幸せ」。それ自体は尊い考えなのですが、いや、先立つものはお金ですよね。あなた自身も生活を維持しないといけませんよね。
どこで活動資金を得られますか?
お金は血液。血液が止まれば、死にますよね。
「クラファンでどうにか…」というのもありますが、一時的なものでしかありません(というより、クラファンはテストマーケ的な位置づけと認識)。
基本は自走です。融資を受けるのもアリですが、回収の見込みがないのに、お金を貸してくれる親切な金融機関はこの世に存在しません。
受益者が異なる場合はさらに綿密な事業計画が必要になります。助成金補助金ありきの事業計画は長続きしません。
そもそも補助金関連は返さなくても良いお金ではありますが、応募すれば必ずしも採択されるわけではなく、かつ、事業完了後一定の期間のちに支払われるもので、その間資金的体力がないか、つなぎ資金のアテがなければ当然詰みます。
中小企業診断士の先生に、厳し目に添削してもらいましょう。
一応断っておきますが「諦めろ」と言っているわけではありません。
むしろ、おおいに挑戦してもらいたいし、私も応援したいです。
ただ、ときに、取り返しが付かないほど痛手を食うことがあります。
それに耐えられる人が少ないのも事実です。
なので、仮にコケたとして、リカバリできるだけの資金的・精神的・体力的があるかを見極めながら挑戦してもらいたいなと思っている次第です。
続きはまた今度。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。
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