2021年軽トラキャンピングカー製造の歴史Ver1.02

軽トラキャンピングカーは木製から始まりました。創業当初のことはこれからもいろいろなところで記載していきますが、製品の特長はこちらの記事を参照ください。

振返ると、軽トラキャンピングカーVer1は
メリット
 大工さんの製造による、「移動する住宅」が安く販売できた。
デメリット
 重さ、寸法の変更、製品としての事業継続性。

でした。そこで弊社がとった手段は、大量生産に移ろう、ということでした。それまでも弊社は建築資材の卸売りを祖業としており、資材調達に長けていた、と言っていいと思います。ですので大量生産に移行するという発想は至極自然でした。

大量生産に乗り出すために、弊社は兵庫県三田市にある、物流倉庫を買い取りました。物流倉庫ですので何も中身はありません。全部自分たちでリフォームし、工場に作り直していったのです。これが2018年5月のことです。生い茂る草木をなぎ倒し、体がボロボロになったことがいまだにすぐに思い出されます。あまりにも大変すぎて、「きこりさん」を呼びましたら、私たちの10倍くらいのスピードで木を切っていくという超人ぶりを見て、林業の人はすごい!と思ったものです。草木がなくなるとある程度倉庫が見えるようになりました。屋根にもところどころ穴が開いていたりしましたので、こちらも自分たちでフルリフォームです。その間、木製キャンピングカーを製造している工務店さんとは、いかにこの三田工場で大量生産をするか、ということを打合せしていました。200坪を超える床面積でしたので当時の私たちにとってはとても広い、ので最初の動線設計にとても悩みました。しかし弊社も工務店さんも大量生産はできるだろうな、ということは感じていましたのでそのまま進めていきました。これでデメリットである製品としての事業継続性のうちの、大量生産、に関しては何とかなるかな、という感じが見えてきました。

大量生産をするための製造器具配置を含めた設計がVer1.02、という位置づけです。製品自体に手を加えているわけではなく、製造プロセスを変更したということです。そのために、治具を作ったりもしました。なんとなく、工業製品化への一歩を踏み出したと思えるものでした。

しかしデメリットはまだ残っています。重さと寸法の変更(構造の歪み)です。これを何とかしないといけないな、ということで私が描いていた図面を出しました。アルミと木との融合するVer2のモデルです。このモデルを描いたのが2018年1月。このときはまだいつ実現するものか、ということすらわからない状態のもので、基本みんな放置気味の設計でした。そんなことより目の前の受注をどうこなすか、ということに頭がいっぱいだったのです。そんなVer2なわけですが、こちらは私が想定していたメリットデメリットはこんな感じでした。

アルミ+木 のハイブリット製造Ver2
 メリット
  アルミ軸組み工法だと、(木製Ver1と比較すると)軽くなる。
  アルミを溶接すると、強度が安定する。
  部屋内はべニア地やプリント合板で仕上げ、木の温かさを保つ。
  金属軸組なので、ゆがみが無くなる。
 デメリット
  コストが一気に跳ね上がる(アルミが木と比較すると高価)
  アルミ溶接がコストがかかる(大きいので特に高い)

もしこのVer2が製造できれば、商品の品質は格段にレベルがあがる、とは思いました。Ver1でのいいところである木の温かみを活かし、軽量化しても担保される強度、が見えてきたからです。購入いただくユーザー様にとっても、見た目等も何ら変わることなく、そのまま使用できますから、変わりなく喜んでもらえる、と思ってはいました。しかし、大問題はコストが大幅に増えてしまうことでした。はっきり言って赤字が目に見えていました。そこで取った作戦が、自動ロボットの導入と大量受注大量生産化、という販売のほうの力を活用した、製品改良、を試みるしかないかな、と思っていました。しかしこれが問題を後に生むとは、思いもしませんでした。

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