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Beat Makerを志すなら

Table Beats Note スタート


Table BeatsのNoteを始めることにしました。
しばらくはPhennel Kolianderが更新していきながら
他のメンバーも巻き込んだり、お友達のビートメーカーに何か記事依頼していきながら更新できればと思います。
とは言え、メンバーに承諾も得ず勝手に始めたので、もしかしたら永遠に一人で更新していくかもしれません(笑)

TBも今年で5周年
本当に軽はずみな動機でスタートしておきながらやってる自分たちからズブズブはまってしまい気づけば5年となりました。

有難いことに
ビートメーカーの方やリスナーの方から
“見てるよ!”“聴いてるよ!”と言ったレスポンスも頂けて、自分たちが好きだからって気持ちだけでやってはいるものの、いろんな人に届いてる喜びも感じてる今日この頃です。
今年もいろいろやっていくのでcheckして頂ければ嬉しいです。


Beat Makerを志す上で大切なこと

5年ほどやらせて頂いていろんな場所や機会を頂き、LIVEをしていると駆け出しビートメーカーくんや精力的に活動中ビートメーカーくんと交流させて頂く事も多く、いろんなお話をさせてもらうんですがそんな中で特に駆け出しくんからよく聞かれる事第一位として


“どうやったらヤバいビート作れますかね?”


という質問があります。

これはもう殿堂入りで一位の質問ですね、めちゃめちゃ聞かれます。自分も駆け出しの頃は何をどうやってもダサすぎるビートしか出来なくて、頭の中ではイケてるビートが出来上がっているのにいくら手を動かしてもそこに近づけない、もう死にたい。みたいな時期がありました。

でも、そもそも最初からうまく出来る人なんているはずもなく、頭でっかちになってただけだと数年後に気づくのですが、その数年をどう乗り切るかでビートメーカー人生が決まるんですね。

今日はそこについて超個人的な見解でお話したいと思います。

どのソフトの選ぶか

ビートメイクする上で最初の問題、それは“何を使って作るか”です。
Pro Tools、Logic、Maschine、MPC、Ableton、FL STUDIOなどなど
ビートメイクする為のソフトはいろいろありますし、正直初めはそれぞれの違いなんてわからないです、当たり前です。

結論から言うと“なんでも良いんです”
Madlibの名言に“何を使うかが大事じゃない、何を作るかが大事なんだ”というのがあります、まさにその通りです。MadlibはiPadでビート作ったりします。最近ではKoala samplerもかなり使えますよね。使用するソフトそれぞれには確かに個性はありますが“音楽を作る”と言う観点で言えば正直どれも同じと言っても良いです、いや、どれも素晴らしいソフトですと言いたいです。

では、何を基準に選べば良いか。
これは個人的な結論ですが“友達やパイセンと同じヤツを使う”です。
もし周りにビートメーカーがいなければオンラインに転がってるTipsで一番よく見るソフトにすれば良いです。要は、困った時に同じソフトを使ってる人に聞ける、調べる事ができる。これがある意味一番重要です。
先ほど言った“この数年をどう乗り切るか”において、使い方がわからず作業に行き詰まってパソコンから離れがち傾向に陥る事が多々あります。それは問題が解決しないからであって、誰かに聞いたり調べたりすることで問題解決すれば作業が継続でき、モチベーションもキープできるわけです。
ビートメイクする上でモチベーションキープは本当に大切で、創造力の部分に関してはトレーニングでいくらでも鍛えれますが、ソフトの操作方法や有効的なTipsに関してはなるべく同業者同士でシェアしながら切磋琢磨し合う方が吉です。
フリーのサンプルパックやプラグインの情報とかも我々は結構情報シェアしてますし、ビート友達がいることは何より励みになるのでその入り口的なソフトの選び方はとても大切です。


まずは300曲作る

さあ、ソフトは買いました。よっしゃやるかとパソコンに向かっていろいろやってはみるものの、なかなかイケてるビートが出来ない。あの曲みたいなBassにならない、あの人みたいなグルーヴにならない、音のバランスがどうにもイメージとかけ離れているなどなど、様々な問題にぶち当たるものです。

実は、僕はこっそりビートメイクの講師もしてまして、生徒さんでも同じ悩みを抱えてる人が多いです。と言うか誰しもが通る道ですし、前線で活躍してる人は皆ここを乗り越えてまた次の壁にぶち当たってを何度も繰り返してるものです、なので諦めないで欲しい。
あくまで個人的な考察なのですが、そういう時って大体“頭の中で曲をイメージしすぎ”なんですよね。いろんなビートから影響を受けて“自分もあんな感じの曲を作りたい”ってなるのはダメなことではないですが、知らぬうちにその曲がゴール設定されてしまってることありませんか?
曲だけではなくベースの音色、キックの質感、ネタのメロディー感
参考にしてる曲のディテールに囚われすぎて果たして自分のビートメイクができているのだろうか?一度考えてみてください。もし、そのリファレンス曲っぽくできたところでその曲以上に輝くような曲になる事はなかなか無いと思います。

なので、リファレンスがあるのは良いですがそれに囚われすぎず、目の前の作業の中で生まれた一つ一つの音を大事にしながら自分の好みの雰囲気に仕上げていく事が“個性”に繋がると思います。Knxはそこの考え方が長けてるから気持ち悪いくらいの量のリリースができてるんだと思います。

とは言え、それでも最初からうまくなんていくはずもないです、当たり前です。Olive Oil先生が駆け出しビートメーカーに寄せた名言にこんなのがあります。


“まずは300曲だね”


前述したように作業してる中で自分が産み出した音を楽しみながら300曲くらい作れば個性が実ると言う意味です。これ、かなり昔にOlive先生の話を横で聞いてて個人的にビート名言に認定してたんですが、当時は自分にも当てはまるな〜、俺まだ300曲も作れてないな〜って思いました。
確かにそうですよね。スケボー。オーリーだって何百回と練習して初めて会得できるし、そのオーリーから更にいろんなトリックへと展開していく。基礎を固めるのは時間がかかって当たり前なんです。だからこそ、リファレンスと比べて“俺は才能ないのか”などと嘆くのではなく、とにかくやり続ける、わからんかったら友達に聞く、調べる、そして他人の音楽に囚われすぎず自分の音一つ一つを楽しむ。
ビートメーカーを志す上でとても大事な事だと思います。


とにかく毎日やる

前述した事を実らせるには“毎日やる”事も大切です。
別に毎日ビートが完成しなくていいんです。ただ、駆け出しの頃は毎日触って覚える事が大事。例えば、ソフトやプラグインは使い方で化けます。加えてプラグインは使い方で無限の可能性があります。使い方は一つではありません。何回も使って自分だけの設定を見つけるんです。世の中に転がってるTipsはあくまで参考資料です、参考にして自分流にアレンジしていくのが吉ですし、その為には毎日触って使い方を体と脳に覚えさせるんです。
やはり、人間は間が開くと忘れてしまいますので1日30分でも作業する事は絶対スキルに繋がります。
この毎日やる中で慣れてきてビートもボチボチ形になってきた時のポイントとなるのが“1曲に固執しすぎない”です。ビートを組み、作り込んでいく中でちょっと行き詰まったり限界を感じたらすぐに次のビートに取り掛かりましょう。別に締め切りがあるわけでもないので、限界までやったらそのセッションファイルはストックにしてまた後日、スキルが上がった時に改めて触ってみると曲が化けたりします。毎日やる上で立ち止まらず、制作リズムをキープする為にいろいろ工夫してみる、絶対に為になります。
Mitsu The Beats先生は1日1曲を目標に年明けからインスタで状況報告してますね。僕は毎日1曲はかなりハードル高いです(笑)が大先輩でも毎日やってます。

ビートメイクは1日にしてならず。
僕も頭抱えることなんてしょっちゅうです。でも弄りまくったり試しまくってたらなんかヤバいのがちゃんと出来ます。これだけは経験した上でお約束します。周りの連中も毎日やって自分のスキルを更新しています。
なので、初めの一歩で諦めたり悩んだりせず、まずは楽しんで自分の音楽を肯定するような気持ちで続けてみてください。セッションファイルが300を超える頃、あなたは相当ヤバいビートメーカーになってるかもしれません。

by Phennel Koliander

Phennel Koliander
 京都出身。LAやDetroitのビートシーンに影響を受け2010年よりビートメイクに着手。SOUL,JAZZ,REGGAE,電子音,ノイズ,環境音と如何なる素材も巧みにコラージュしてグルーヴへと昇華させるビートメイクスキルは唯一無二。
 過去にはAnderson.Paak"MALIBU"を再構築したコンセプトビートテープ"RE:BUILD"と"Tempaling File 0"そしてコンセプトビートテープ"%"シリーズをリリース。illa-J,Eric Lau,DJ KRUSH, STLNDRMS, James Tillmanなどとのイベント出演、THE NORTH FACE CUPやF.C.Real Bristol、京都市夜観光推奨企画への楽曲提供、BLUE NOTE×EPISTROPHのコンピレーションアルバムへの参加を経て、ビートプログラム"Table Beats"の指揮を取り2019年にはJazzy Sport Kyotoからコレクティブビートアルバム"Someone'Order"をリリース。またNative Instruments社のサンプルパック“EXPANSION”の日本初企画"CONCRETE SUN"の開発に参加したり、Daichi YamamotoのライブDJなど様々な活動を継続しながら各地でのビートライブもこなす。

Twitter : https://twitter.com/phennel_k
 instagram : https://www.instagram.com/phennelkoliander/


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