コーヒーとパソコン

正規雇用か非正規雇用か・・・・・

そんな内容について書かれているブログを読んでいたときに、
ちょっと考えたことを今日は書いてみます。

正規雇用、いわゆる正社員の方が、
非正規社員、派遣社員やパートより責任のある仕事があって、
だからその分給料が高いのは当然なんだ、という考え。

そして人はその条件の違いを理解した上で、
正規雇用か非正規かを選ぶことができるということ。

確かに、そうなんだけど、
実際は選べないのかもしれないですよね。
正社員になりたいのに、派遣の仕事しかない・・など。

そういえば、派遣社員で、正社員と同じように働いているのに
給料は同じ・・という不満も良く聞きますよね。

私も派遣社員をしていた時代があったので、良くわかります。

日本語学校での日本語教師の場合、
正規雇用は専任講師と言われ、常勤講師採用として
求人情報には掲載されています。
会社でいう正社員の事で、月給制で会社が保険料の一部負担をし、
厚生年金にも加入できます。有給休暇や他の慶弔休暇も付与されたりします。

非正規は、この場合非常勤講師のことで、
時間給で働くことになります。
この時間給、通常は授業をしている時間に対して計算をされる事が多く、
採点している時や、準備をしている時には、加算がされないことが多いです。
最近では他校と差別化するために、採点手当や、担任手当等をつけるところも
増えていますが、それでもトータルで計算すると、たいした額にはなりません。

非常勤講師時代のある日、
学生が休み時間にアルバイトの時給から手取りを計算しているのを見て、
自分がもらっている額より多くて、
なんだかなぁ、と思ったことがあります。

授業準備に時間をかけると、国の最低賃金を軽く下回ってしまう現実に、
授業が上手くいかなくて悩んだ時は、
だって「これ」しかもらってないんだもん、質を求められても仕方ないよねぇ。
と心の言い訳がわりにしたこともありました。

上記でいう「責任ある仕事」として正規・非正規を区別した場合、
専任講師には授業以外のいろいろな仕事があり、
学校が円滑に運営されるためのもの、
非常勤講師が快適に授業ができるようにするためのもの
などさまざまです。

学生がどのような経緯を経て、日本で留学をして、在留資格を取って、
どのように学校で管理をされて、卒業まで日本語学校でどう扱われるか。
特に告示校と呼ばれている日本語学校は、様々な規制の中で
報告義務をこなし、学生管理をしている事実があるので、
それを知ることは大切だと考えるからです。

そのような全体を理解できるようになるためには、
専任講師を一度は経験した方がいいと思いますが、
「教える」事に関して、ただひたすら経験を積みたいのであれば、
必ずしも専任講師である必要はないかもしれません。

というのも、授業以外の事が多すぎて、
授業に集中できないことも多いからです。
授業後に行う作業に遅れない為に、
授業を早く切り上げてしまう、なんて学生主体とは思えない
行動をする人も出てきたりします。

学校によっては内部勉強会があるようですが、少数派です。
大体は日々の仕事で疲れていて・・・といったところかもしれませんね。
外部で教授法などのセミナーや勉強会がいろいろ開催されていますが、
参加している人はほんの一部でしょう。

人並みに生活をしたい場合、
非常勤講師だけでは生活が成り立たないことも事実です。
実際は、他の仕事と掛け持ちをしている講師を多く見かけます。

人手不足解消のための外国人材の登用に関連して、
これからの日本語教師のあり方はどうなんだろう、と考える時、
日本語教師としての地位の確立と共に待遇の改善も考えていきたいところです。

そういえば、日本語教師が不足しているという話も聞きます。
それは本当なのでしょうか? いい日本語教師が足りないのでしょうか。
一部で時給が上がっているということもあるようです。

時給が上がること、これは実にいい傾向だと思ったのですが、
困る人がいることがわかりました。
実は配偶者の扶養の範囲内で働きたいという人にとっては、
時給が上がる事がネックだったりするんですよね。。。
そしてその人達ができる授業の数が減ると、
教師が一見足りない・・・ということになる。

扶養控除の制度って変わるんでしたっけ?
ほんの一部の人のことかもしれませんが、見逃せないことかもしれません。

そういえば、「勤務時間を超えての仕事はしないで!」といった
ある日本語教師の方のブログも読みました。
時間給で働いてはいるが、授業後にも熱心に学生への指導をしてくれる人のことで、上記の扶養に入っている講師陣に多いのではと思います。
何でも時間を気にせず熱心にやってくれるので、
学校にとっては「いい非常勤講師」かもしれません。
でも、これが「標準」ではいけないと思います。
きちんとした「働き」には「対価」を求めていくことも必要でしょう。

正規雇用か非正規雇用か、
どちらを選んでも、
お互いの働き方が、お互いを邪魔しないようにしなくてはいけません。
お互いを尊重し、その仕事としての地位・待遇を向上させることを
意識しなければいけないのではと思うのです。


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