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はじめてのフィリピンパブ


仕事の帰りに整体へ行った時の出来事です。

そこの整体院は、僕よりも若いお兄さんが一人で開業して施術をしています。

技術は勿論のこと、自分よりも若い人が一生懸命頑張っているので、

応援したいという気持ちもあり、ここの整体院が行きつけになっています。

その施術をしてくれるお兄さんから色んな世間話を振られるんですが、

頻繁に“夜遊び(お水系)”の話も振ってきます。

見た目は誠実で真面目そうなお兄さんなのに、

意外と夜遊びが好きなんだと前からずっと思っていました。

その話の中で、毎回言われる台詞がありました。

それは「たちさん!たまには夜の遊びも必要っすよ!」
「フィリピンパブは1回でも行った方が良いっすよ!」
「たちさんが行きたいなら僕も着いて行ってあげますよ?」

常々しつこく言ってくるのです。

(※なぜフィリピンパブかと言うと、お兄さん曰く「安めの金額で女の子と遊べるから」だそうです。)

僕はフィリピンパブのお誘いを「また今度行きましょう」とずっとスルーし続けてきました。

でも、本当はわかっていました。フィリピンパブに一番行きたいのはお兄さんだって事を。

本当は永遠に断り続けるつもりでしたが、1回だけなら行ってあげようかな。とも思っていて

でも実際は、行くのが面倒になってきて「また今度行きましょう」と毎回断り続け、

お兄さんの「それじゃあ、また次回ですね」という言葉が決まり文句でした。

そして、2019年3月20日(水)

この日は整体の予約がしてあり、翌日は祝日で仕事も休み。

僕は密かにこの日をフィリピンパブ実行の日と定め、

朝からフィリピンパブに行く気分にコンディションを高め、

お兄さんに聞かれるまで黙っておきました。

そして、施術が終わりがけになると、いつもの言葉が出てきます。

「たちさん!今日もフィリピンパブ行かないんすか?」
「たちさんが行きたいなら僕も着いて行ってあげますよ?」

僕はお兄さんに言い返しました。

「今日だったら良いですよ。」

僕が返事をした瞬間、

お兄さんの指圧の圧力が、

いつもの3倍ほど強くなった様な気がしました。

 
時間は23時を過ぎて、お客さんは僕で最後。

お兄さんは私服に着替える為、整体院の近くにある自宅マンションまで戻り、僕も一緒に付いて行きました。

僕はマンションの1階で10分ほど待っていました。

「遅いなぁ」と思いながらエレベーターの階数表示が下へ降り始めました。

そして、1階の表示になりドアが開いた瞬間、

がっつりキメこんだお兄さんが現れました。

僕は心の中で(行く気満々じゃねーかこの野郎)と思いつつ、

夜の街へ繰り出しました。


目的のお店へ到着し、パブのお姉さん2人とお兄さんと僕で同じ席に着きました。

始まると同時に、お姉さんの方から色々と話しかけてくれましたが、

日本語があまり話せなくて、僕は話の内容を理解しようと必死でした。

僕の方からもフィリピンについて話題を振りましたが、

お姉さんの言っている事は9割理解できませんでした。

「日本で好きなものは何ですか?」と聞いたら

「スシ、エビ、イッパイ、タベマスネ」といった具合で、

話を広げることも無く、そのあと「他にも日本で興味あるものはありますか?」とか

「休みの日は何をしていますか?」とか聞きましたが、

お姉さんは「ワカラナイデスネ、マイニチ、シゴトデス」と答えてくれました。

そんな状況でお姉さんは「ワタシ、オ酒、ノンデイイデスカ?」
「延長シマスカ?」「LINEコウカン、シマセンカ?」と営業を仕掛けて来ましたが

僕は全拒否してしまいました。

こんなやりとりが60分間続き、僕はお姉さんから何も学ぶ事はできませんでした。

そして、残り10分で終わろうとしている時に

奥の方にいるお姉さんがカラオケを唄いだしました。

店内に流れていた騒がしいBGMが、聞き覚えのあるしっとりしたBGMに変わりました。

その曲は、平井堅さんの『僕は君に恋をする』という唄でした。

店内に設置されたテレビ画面の全てがカラオケ歌詞の画面に変わり、

僕達がいる席の方の画面にもカラオケ映像が流れました。

しんみりと聴き入っている中、曲がサビに入った途端、
僕の相手をして下さっているお姉さんが
急に唄いだしました。ペラペラの日本語で。

今まで日本語がカタコトだった反動もあり、とても上手に聴こえました。

僕の身体に寄り添って耳元5センチくらいの距離でささやく様に唄われました。

生暖かい吐息だけが耳にかかり、僕はお姉さんに何も対処せず、

ただ唄い終わるのを待つだけでした。

唄い終えた後、接待終了の時間になり、すぐにお店を出ました。

整体のお兄さんに「楽しかったっすか?」と聞かれたので

僕は「まぁ、そうですね。」と言っておきました。

(今後、お誘いされたとしても、僕は「この前行ったじゃないですか?」と言い訳できます。)


今回の件で得たものは特に無く、

やっぱり家で作業(ミィちゃんのLINEスタンプづくり)を

していた方が良かったな。という後悔だけでした。


最後に僕から3つ言わせてください。


■ 一つ「夜遊びしてないからって勝手にストレス溜まってると思うな!」

二つ「自分の趣味を他人も興味があると思うな!押し付けるな!」

三つ「もうフィリピンパブには行かないけど、お兄さんの整体院には行くから!!!

以上です。

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