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2019年1月リリース楽曲BEST10とか、プレイリストを作ってみた話とか

2018年の振り返り記事を出したのはつい先日のことだが、そういえば楽曲解説を書いていなかったことなどを後悔していたら、ダラダラと月日は過ぎてしまった。とはいえプライベートで聴く音楽の比率もますます高まるこの頃、せっかく聴いた曲は紹介しておきたい。そんな感じで1月〜最近のリリースから面白かったものを10曲選んでみたし、タイトルがどこか“こんまり”めいたプレイリストも作ってみた。

1.Sub Urban「Cradles」
シカゴの青年プロデューサーによる楽曲。ビートはTRAP的なマナーを踏まえてのものだが、そこに暗く澱んだキック、キャッチーだがマイナー調の陰鬱なドロップが入ってくるのが新鮮。Twitterなども追っていくとだいぶ癖のある若者なので、個人的にも注目していきたい。

2.Dzeko vs. Riggi & Piros「Heaven (feat. Veronica) 」
トロントのプロデューサーJulian Dzeko(Dzeko & TorresのDzeko)とニュージャージーのユニット・Riggi & PirosがヴォーカルにVeronicaを迎えて制作され、Spinnin' Recordsからリリースした楽曲。立ち上がりからサビまではあまりピンと来なかったが、一回ドロップを聴いただけでハマってしまった。騙されたと思って途中まで聴いてほしい。2曲続けてドロップの話題になったので気付いたが、最近はどうやら“ブチ上がらないけどクセのあるドロップ”にハマりやすいようだ。

3.KEITA「Don't Leave Me Alone」
w-inds.橘慶太のソロプロジェクトであるKEITAによる久々のリリース。ここ数年で明らかに楽曲制作における覚醒を迎えた橘の才気が爆発している。タイトだがずっしり響くトラックのまとめ方も見事だし、緊張状態から一気に解放されたサビ頭に音を止めてもう一回引き締める展開はストリーミングで一層効果的に響く。おそらくその辺りも考えて作られたものではないか。

4.Sneaks「The Way It Goes」
ワシントンのEva Moolchanによるソロ・プロジェクト。SNSではポスト・パンク的という表現を見たが、それはどちらかというと前作までの話であって、今回のアルバムはインダストリアルなアプローチが多いうえ、それでも綺麗に(不穏に)纏まっている快作といえる。ビートはTRAP的なものだが、単調さを感じさせないベースやボーカルの組み合わせが良い。

5.Terror Jr「Terrified」
The CataracsのDavid “Campa” Benjamin率いるアメリカのポップ・デュオ による1stフルアルバムからの1曲。シングルカットの曲はどれもいいのだが、個人的にはこの曲が一番“今っぽい”アプローチのうえでポップさと閉塞感を両立した新しさを感じた。

6.Toro y Moi「Fading」
キャリアの初期から追っている身としては思い入れ的なものが強いので、アルバム丸ごと好きという感情しかないのだが、あえて選ぶならこの曲。音のアプローチは終始面白いし、シンセ・コーラスのアプローチはどこか退廃的で、感傷的なリリックとの落差もまた味がある(どこか虚勢を張っているような)。

7.Billie Eilish「bury a friend」
1月はこの曲のためにあったのでは?というくらい圧倒的な強度、ホラー小説1冊分の密度を感じる楽曲。MVもかなりダークなテイストだし、重く滲ませたベースの音や重ねたコーラスが醸し出す恐怖は決して安いものではなく、ポップソングとして耳にも頭にも残り続ける作用もある。

8.James Blake,Andre 3000「Where's The Catch?」
James Blake新作からの1曲。各メディアで賛否の分かれる作品だが、個人的には彼のトラックメイカーとしての一面もソングライターとしての一面も好きなので、そこまで否定的にもなれないし、先行シングルが進化し過ぎていたとはいえ、この曲のような静かなチャレンジ(どこかCalvin Harris ft. Frank Ocean, Migosの「Slide」を思い出す)を聴くと、決して彼のそのような(葛藤の末の)バランス感は衰えていないと思える。

9.kolme「No need to rush」
callmeから改名した3人組ユニットによる新アルバムより。正直もう少しベースが欲しいと思ってしまったのだが、メロディの転がし方やビートの丁寧さ、キュートな英語のアプローチが妙に耳に残る。決して海外の最先端とは言えないが、とはいえ日本的な“アーバン”にも収まらない、どこか存在しない世界のポップソングのような気持ち良いむず痒さを覚えてしまう。

10.Spangle call Lilli line「lay low」
意外とまわりで言及している人が少なかったので改めて紹介。新作は一聴すればわかるように、バンドがリズムや低域周りの進化にどう向き合うべきかという問いへの回答にも思えるアルバムだし、打ち込みと生音のバランス、そぎ落とされた音の配置、それでもキャッチーに聴こえるさじ加減の上手さは流石としか言えない。

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とまあ今月はこんな感じで。入りきらなかった曲を含めたプレイリストは随時更新していくので、気になったらフォローするなり定期的に眺めてみるなりしてみてください。


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