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国立歴史民俗博物館はすごい3

第2展示室は中世、第3展示室は近世である。
第1展示室に思わぬほどの時間を要したので、構えて第2展示室に入った。
自分の正直なところで、中世や近世については、関心が相対的に薄いのだろう。そして、中世と近世は資料も豊富だ。
なので、展示も再現スケールが大きくなっていた。

かなり大きなスケールで再現した京の都、王朝文化における寝所の再現、十二単を着た人形など、ほかでも見たことのあるもの。
もちろん、その再現スケールや精密さは群を抜いているのだが、第一展示室でお腹いっぱいになっていたところもあり、比較的早く通過した。
・・・30分ほどで。
いや、かなり端折って見ても、そしてそんなに興味がない時代であっても、それでも優に30分以上は、足が止まってしまうわけである。

解説の分かりやすさ、これは解説文に限らず、そのレイアウトや照明の明るさまが影響しあって、向上していくものなのだ。

文書の展示は、今までどの博物館や美術館に行ってもスルーに近いものだったが、今回はたまたま、このような本を読み始めていた。
日本史を学ぶための 古文書・古記録訓読法(吉川弘文館)
それもあってか文書のコーナーで結構足が止まった。
当時であっても、少し前(100年以上の間隔は空いている)の文書をどう読むかは知識人にとって悩みどころ。正確に解釈し後代に伝えていくための試行錯誤の過程が、訓点の仕方体系化となり、今に続いている。

また、印刷文化のコーナーも興味深かった。
版木の作成は、文字を組むのかなあと思っていたが、版木を当時は掘り出していたんだ! ということに驚き。
このあたりのコーナーの写真を撮ってこなかったので、残念だが、文字を書いた版木から文字を掘り起こし(なんと地道な作業なことか)それを版として刷っていく。印刷技術といえるかどうか、というところだが、その精巧な技術と当時の写経に対する情熱が垣間見えた。

他にも見どころはたくさんある。あまり興味がない者の足も止めてしまう魔的な空間、そしてまだここは第2展示室である。

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