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【合気道】受け身のコツ

 今回は私が思う受け身のコツについて書こうと思います。
 受け身については一般的には、稽古の安全のために習得するものと位置づけられていると思います。どんな入門者にも必ず受け身の大切さを説き、基本的な受身の稽古時間を一定時間とってから、次に基本的な技へと入っていきます。
 この受身に費やす時間については、各道場の配分裁量によるものと言えるでしょう。概ね学生合気道においては、十分な稽古時間が取れるため、およそ稽古時間の三分の一から半分位が受身の稽古になります。
 それ故、学生合気道出身の人の受身はかなりの精度であると同時に、社会人になって続けても身体が覚えているようです。
 一方で、社会人特に高齢になってから始められた方については、残念ながら十分な受身の時間を取ることもできず、また受け身そのものが怪我をさせてしまうと言うところで敬遠されると言う悪循環もあり、十分な習得ができないまま、ただ基本技の仕手を稽古することが多くなり、受け身ができないことにより、ゆくゆくは限界を感じて、惜しくも去っていかれる方も多いように見受けられます。

 社会人の方こそ、十分に受身の時間を費やし、きちんと習得(体得)できた後に、次のステップに進むと言うのが本来ではあると思います。しかし、多様なレベルの社会人が集う稽古では、そうそう教える側もつきっきりで受身ばかり教えるわけにもいかず、なかなか難しいのだと思います。受身ばかりでは、せっかくの入門者を飽きさせてしまうでしょうしね。
 すると、いかに効率的に受身を習得させるかと言うことになりますが、道場においての稽古時間が限られる中では、やはり家で自習していただくのが最も良いのだと思われます。
 特に仕事の比率が少なくなり、余暇のある方で、ご自宅に畳があれば、もしくは布団の上で受身の稽古ができます。
 私が修してきた養神館合気道や大東流では、技も厳しく受身も早く激しいので、なかなか家での習得も難しいように思われますが、合気会合気道の受身は、体への負荷が少なく、稽古体系としても激しさが少ないので、習得しやすいのだと思っています。(もっとも最大会派ですので、ほとんどが合気会式だと思いますが)

 受身の最重要注意点として、まず頭を打たないこととされております。倒れた時に最も重い部分である頭をなるべく地面に触れさせてないこと、これが最も重要なわけですが、これに感覚的にわかっていただけると思います。 
 しかし、その後の細かい意識や受身のコツについては、教本にも確立したことが書いてあるわけではなく、各道場、場合によっては各先生方の指導によるようです。
 私も何かの本によってと言うよりも、自分の研究工夫により取得した独自の受け身上達法というのがあり、これは日々バージョンアップさせています。
 これを道場の方に、僭越ながらヒントとしてお伝えしています。
 私は美しい演武、演武映えする受身こそが、良いと思っています。
 合理的なものほど美しい、美しいものこそ合理的であると言う考えがあり、美しい受身をすることができれば、上手な受身はできていると考えております。
 その中で非常に参考になる動画としては、神武錬成塾の白川先生の道場の受身動画は非常に参考になると思っています。

 この道場の受身動画をずっと研究しているなかで、気づいたことがあります。
 なかなか受身がうまくできない人の場合を見ていると
① 手が先につけていない
② 回転の軸がまっすぐでない
と言うことが挙げられますが、それらを指摘してもなかなか上達はしないようです。私は、第三のポイントとして
③ 踏切足に対する意識が希薄
というのに気づきました。例えば養神館合気道の受身では、踏切足ではなく、後足を強く伸ばし、最後までその足を伸ばし切ったまま、受身を取ると教えます。これは後ろ足の緊張感が空中でも持続して比較的意識しやすいものです。ただし、これは非常に体への負荷があるもので、高齢者には正直お薦めできないです。
 一方で、踏切の際の後足を、着地の際に折り曲げるタイプの受身については、踏切時に強く踏み締めたかかとを最終的には緩め曲げて地面に先に着地し、この後、踏切足が伸びて後から少し遅れて着地します。空中で踏切足をまっすぐ伸ばすと言う意識ができれば、受身がうまくできない人への上達へのアドバイスになるではないかと、最近気づいた次第です。

 今後、道場で実践してみたいと思っています。

 さて、最後にものすごく柔らかい受身の動画で、ひそかに受身の究極系ではないかと思っている動画をご紹介します。


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