レンズ沼から抜け出すためにたどり着いたライカQ2
ライカQ2というカメラを買いました。
憧れのライカ。
というほど強い憧れも持っていませんでした。でも買ってしまった。レンズ交換のできない、いわゆる高級コンパクトデジカメ。70万円もします。
高校時代からミノルタ、コニカ、キヤノン、ニコン、オリンパス、リコーGR、ローライ、Pentax67、パナソニック、ソニーとさまざまなカメラを使ってきました。
最近は子どもが生まれたことを言い訳にソニーの α7RIIIでレンズを揃え、ついでにGIZMODOの懸賞でFUJIFILMのX-H1が当選したりもして。
レンズ交換式カメラは楽しい。16歳のときに親からもらった最初のカメラが24mmスタートのズームで、高校時代は24mmで地元の廃墟や港の写真を撮っていました。
これが当時使っていたカメラ。ゴムのグリップが風化して朽ち果てました。
1997年頃、田舎にもHIROMIXブームが到来し、17歳でBigMiniがもつ35mm単焦点の気持ちよさにも目覚めました。24mmと35mmで世界はこんなにも変わる。その当時の原体験をいまだ追ってる気がします。
時は流れて2019年、α7RIIIなどというオーバースペックなカメラに、いつのまにか15万とか20万とかするレンズを3本もつけて遊んでいる自分がいました。
でもこれって趣味のくせにプロ以上の機材を揃えて週末しか撮らない人間じゃん。いや、それはいい。趣味は人生を豊かにするのだから。財布を軽くもするけど。
問題はそこじゃない。撮りたい写真の前に、買いたいレンズが先走ってる人間じゃん。これってもしかして「レンズ沼おじさん」では!?
ズブズブと深みにはまるレンズ沼。あぁ楽しい。
いやいや、こんなはずでは!
際限がない沼から抜けねば!
ジャンキーから足を洗うなら早いほうがいい。
以前にnote主催の企画でGoogle Pixel3が当選し、カメラ顔負けの写りの良さに驚嘆し、いつしか常用カメラになっていることもαシステムの売却に拍車をかけました(FUJIのX-H1はαのレンズ資金に売ってしまいました)。
フルサイズαのレンズはいいものであればあるほど大きくなるのも悩みの種でした。重たい。1本600g以上のレンズをボディに付ければ「ミラーレスって軽さが売りだったはずなのに」・・・夜には肩が凝ります。
写真を純粋に、シンプルに楽しむ状況をもう一度手に入れたい。
ただ記録するだけならPixel3が推し進めるコンピュテーショナル・フォトグラフィーの進化でじゅうぶん満足できるけど、ファインダーを覗いてゾクゾクする楽しみも捨てられない。カメラという機械が好きでもある。
そこに現れたのがライカQ2でした(ここから本題です)。
ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.レンズで35mm、50mm、75mmにもクロップ可能。写りはライカのしっとり感。だけどAF。4,730万画素。レンズ一体型で防滴・防塵。手ぶれ補正。718g。
高額にもかかわらず非常に売れているらしく、発表の翌日に予約しましたが入手できたのは発売から1か月半も後でした。今から注文しても3か月待ちだそうです。
まだ届いて1週間も経ってないので外でまったく撮れていませんが、とても満足しています。しっとり。ボケ感がきれい。サイズ感がたまらない。
28mm画角は苦手意識があったけど、家の中で撮るには意外といい。
それにしても、まさか自分が「ちびまる子ちゃん」のたまちゃんのパパと同じになるとは(たまちゃんのパパは「ライカのカメラだぞ〜」と興奮しながらたまちゃんを撮りまくっている)。
瞳AFなんて気の利いた先進システムもバリアングル液晶も搭載されていませんが、撮る行為と、出てくる写真にワクワクするのです。
この子が大人になる頃にはミラーレス一眼はおろか、デジタルカメラというジャンルの製品自体がなくなっているかもしれない。
fladdictの深津さんがそのあたりのことについて詳しく書かれていますが、同感です。
じゃあなぜ70万円のコンデジに手を染めたのか?
それは、ライカという趣味性の権化だからこそ投資の価値があると判断したのと、4年に1回くらいしかモデルチェンジしない息の長さに惹かれたこと、先の見えないレンズ沼から解放されるならライカの方がトータルで安上がりでは?と考えたからです(ぜんぶ言い訳)。
趣味にのめり込む。メカにのめりこむ。
NO HOBBY, NO LIFE.
たまたまSXSWで出会ったライカ古参ユーザーの方に「Qは入り口。ライカはMだから。沼へようこそ」などと脅されました。が、沼おじさんを抜けてやっと幸せボンビーおじさんになれたのだから、Mなど知るものか。
今は、これを持って実家に帰省して、高校時代に撮りまくった田舎を撮りたいです。毎日がちょっと楽しい。それでプライスレスです。
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