大きく咲いた櫻は何処へ行くのか 前編
2023年、1年を通して大躍進を果たし、紅白歌合戦へのカムバックも果たした櫻坂46。現時点では乃木坂、日向坂と合わせての総称である”坂道グループ”のなかで最も勢いがあり、”アツい”グループと言っても良いだろう。
他の2グループとは一線を画すダンススキル、そして一本鎗ではなく多くのメンバーがアイドル以外の多方面で活躍を見せている。そして昨年は海外の野外フェスにも進出し、東南アジアやヨーロッパへもその名を響かせた。
”彼女たちの強さはどこから来るのか。”
Buddies(櫻坂46のファンの総称)ではなくても恐らく広く知られているであろう”欅坂46からの改名”が一番の要因ではないかと考えられる。
”絶対的センター平手友梨奈の脱退”、幻の9thシングルの存在などあの頃のグループは混沌としていた。そこから新たに櫻坂46として生まれ変わったグループは、まず”三本の槍”を置いた。似たような表現として毛利元就の逸話で有名な「三本の矢」がある。一人(一本)の矢では簡単に折れてしまうが、三本まとめると中々折れない、つまり彼は三人の子どもに協力して国を治めていくようにという教えをこの例えに込めたのである。
話を元に戻すと、誰か一人に大きな負担をかけるのではなく、複数のグループの顔的な存在を作り、グループの崩壊を防ごうという意図があったのではないかと考えられるということだ。その三人とは”森田ひかる・藤吉夏鈴・山崎天”である。
三人に共通しているのはグループを作り上げてきた一期生ではなく、坂道合同オーディションにより加入した二期生であるということだ。いわゆるグループの未来ともいえるような存在の三人をグループの中心に添える決断をしたのだ。
ここで櫻坂46に改名後のシングル・アルバム、そのセンターを見てみたい。
なんと全てのシングル・アルバムにおいてセンターは二期生(守屋麗奈は新二期生)のメンバーが務めているのだ。特に森田は4回、山崎は3回センターを務めている。これは単に世代交代として見るのはナンセンスだろう。
上述した三本の槍以外にも田村、守屋がそれぞれCの経験があり、実質的にこの5人が”グループの顔”としての役割を担っている。これが平手一強体制となっていた欅坂との大きな違いである。そして一期生は二列目、三列目の重要なポジションに入り、グループをまとめ上げる役割を任せられていくようになるのだ。
前編はここら辺にして、後編では2023ー24年のグループの大躍進について書いていきたいと思う。
fin.
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