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Media Punta 23ー24


始めに

今や完全に絶滅危機にあるMedia Punta(トップ下)。
かつてはファンタジスタと呼ばれた選手たちが
ピッチの中央に君臨し、試合を支配するという
フットボールが主流でした。
代表的な選手と言えば
ジネディーヌ・ジダン

圧倒的なボールキープ能力と伝家の宝刀”マルセイユルーレット”で
世界中のフットボールファンを魅了したフランスフットボール史上最高傑作のMF。
W杯決勝でイタリア代表DFマテラッツィに対して行った頭突きはあまりにも有名。

ロナウジーニョ・ガウーチョ

遊び心あるプレーと圧倒的なテクニックで
バルセロナを暗黒期から復活させ、黄金期への転換期の中心となった。
彼のエラシコとシザーズによって数多のDFがアンクルブレイクされた。

フランチェスコ・トッティ

プロデビューから約25年もの間ローマ一筋でプレーし続けた
まさにバンディエラであり正真正銘のファンタジスタ。
クラブの最多出場記録、最多ゴール記録を持つ。

などでしょうか。20代30代の
フットボールファンは皆一度は
彼らの虜になったことでしょう。
他にもジェイジェイ・オコチャ
ロベルト・バッジョリケルメ
バルデラマ
ルート・フリットなど
ファンタジスタと呼ばれた選手たちは多くいます。
日本人だと中村俊輔中田英寿
香川真司あたりでしょうか。
彼らに共通する特徴としては、
中央付近にポジションを置き、
あまり動き回ることなくボールを引き出し、
そこからチャンスを生み出すというもの。
つまりファンタジスタを中心に攻撃を
つくり出すことが必須だったわけです。
バルセロナ時代、左WGにロナウジーニョが
置かれていた以外は殆どのファンタジスタと
呼ばれる選手がトップ下でプレーをしています。
しかし、現代のフットボールはテクニックも
勿論重要ではありますが、それに加えて
フィジカル的な能力の必要性が高まったことで
このトップ下というポジションは事実上
ここ10年の間に影を潜めてしまったのです。

守備の免除はメッシエンバぺなど
本当にチームの心臓となる選手以外には
認められず、ハーランドでさえ守備を
し続けることを求められています。

そんなトップ下ですが、今季、
復活の兆しを見せています。
どのような選手がトップ下として
プレーしているのか、復活に
貢献しているのかを見ていきましょう。
※ラ・リーガ限定です。

①イスコ(ベティス)

マドリーのCL3連覇の偉業に大きく貢献
イマジネーション溢れるプレーには多くのファンが集まる

レアル・マドリ―を退団し、その後
セビージャに移籍するも活躍できず
再びわずか1シーズンで退団。なかなか
新天地が見つからず、一時期引退かとも
言われた現代のスペイン人フットボーラー
きってのファンタジスタがベティスで
完全復活を遂げました。
13節終了時点で2G2Aと数字としては
飛び抜けてはいないものの、欧州5大リーグ
において単独トップのチャンスクリエイト数を
誇り、現段階で8度もMOMに選ばれています。
確かにスピードやアジリティの部分では
全盛期に比べれば劣っているものの、
足元の技術や判断の良さは健在。
まさに現代にほとんど見られなくなった
No.10としてチームの中心となっています。
ここにフェキルが復帰してくると
かなりの破壊力を見せるのではないかと
期待しています。

②ラキティッチ(セビージャ)

クレの方々は彼の素晴らしさは
心の底から理解しているでしょう。
元バルセロナ、現セビージャで
活躍するイヴァン・ラキティッチです。
もともとはピボーテ、インテリオールの
選手ですが現在はチームのシステム上
トップ下を務めることが多いです。
セビージャは昨季から続いてリーグ戦での
不調が続き、13試合で僅か2勝で13位という
厳しい状況です。セルヒオ・ラモスが加入し
守備が改善されるかと思いきや、長年守護神として
活躍していたボノがサウジに引き抜かれ、
中々失点が減らず、かといって攻撃陣も
頼れる9番がいないため、ルケバキオや
ラメラをFalso nueve(偽9番)に
置かざるをえず、得点も乏しい。
そんな中ピッチの中央で存在感を発揮
しているのがラキティッチです。
もともとハードワーク出来る黒子役として
バルセロナではMSNを支えていましたが、
セビージャでは攻撃の中心として君臨しています。
攻守に渡るハードワークは35歳という年齢からも
減っては来ているものの、CL、リーグ戦で数々記録した
印象的なスーパーミドルシュートやスルーパスは健在。
11試合で2G1Aでチームの得点ランク2位タイにつけています。
ここからチームを立て直せるかはラモスと
このラキティッチにかかっていると言えるでしょう。

③アイマールオロス(オサスナ)

(いい写真がなかったです、ごめんなさい)
オトラ勢の中でも昨季は7位と
躍進していたオサスナの若き
背番号10であるアイマール・オロス。
正直全部の試合を見ているわけではないので
詳しく語り尽くす事は出来ないのですが、
彼もまた中盤の攻撃的なポジションで
タクトを振るまさにトップ下の選手。
やはり彼の特徴はチャンスメイク。
このようなチームでは個人の力に
頼らざるを得ないシーンが多く
そういった中でパス精度83%、
獲得ファール数20、など無理が利く
選手としてスモールクラブの攻撃を
支えています。現在はスペインの
U21代表に選ばれており、今よりも
更にパフォーマンスを高レベルで維持できる
ようになればラ・ロハ入りも夢ではないでしょう。

まとめ

このようにかつてはファンタジスタと
呼ばれた選手たちがピッチを支配して
いましたが、時代は変わり、テクニック
よりもスピードやフィジカルが重要視される
フットボールへと変貌を遂げています。
(トッティと中田の対談より)
しかしながら、そのような環境の中で
今でもトップ下として輝きを放っている
選手はいます。彼らによって再び
トップ下というポジションが復活し、
1990年代~2000年代のようなフットボールを
またいつか見れるかもしれないという
少しばかりの期待を持ちながら、
私たちは現代フットボールを見るのです。

fin.



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