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ガンジャ先生。8-1

8章 旅の在り処
離島からの帰還

うっすらと目が開き‥今日って何日目だったかな?
今日も日差しが伸び。セミの声がする。
Kygo - Firestone Ft. Conrad Sewell

ジャーとトイレの流す音がし。
「ああ。飲みすぎたな。大丈夫だ。薬も飲んだし。シャワー浴びるわ」

いつものメンバーが集まる。朝のHRだ。
朝食は昨日と同じカフェ。種類も多いしみんなニコニコ食べてる。
猫ちゃんは。。茜からちょっと怯えていた。

「では今日帰るので、忘れものはしない様に。フェリー昼前くらいか。10時半にはチェックアウトする。長旅だな。。トイレとか行っとけ」
「ハイ。カオサンに戻る?」
「多分あの辺りだと思う」
「‥今からマッサージ行っていいですか?」
「時間あればいいぞ。てかダメって言っても行くだろ。。未亜も行ってこい」
「「やったー♪」」

女子はみんなでマッサージ行くみたい。
なんか昨日のダルさ抜けないので、僕は残る事にした。
食い過ぎでなぜか気持ち悪いし。なんでだろ?
タバコを吸うと。僅かに昨日のマリファナの味がした。

「あれ!?匠ちん、俺のパスポート知らない?」
「知らない。。落としたか?」
「マジ!ないんですけど。。うぉー」
「良かったなタツヤ。こっち好きじゃん。住んじゃえ」
「もー冗談じゃなくマジないの!」

それから15分くらい必死で探している。僕も手伝う。すると先生も戻ってきて、何してんの?って聞いてきた。

「パスポートないん。。です。。先生!」
ふむ〜と考え、ぽんっと手を叩く。
「タツヤ。バイクのとこに預けっぱなしだ」
「!!そうか!」
大騒ぎしてそれか。。タツヤ。w
 
 先生に道具整理の時、白いバックを返そうかと思ったけど、先生がやると言ってくれた。
ちょっと気に入ってたから嬉しい。


□□□
無事に"BIG MAMA"でタツヤのパスポートはあった。お礼を言いフェリーに向かう。

フェリーは帰宅の欧米人でめちゃこんでいるが、昨日よりはマシらしい。

船に揺られゆっくりと島を後にする。
あーなんか感慨深いな。2泊だけなのに。いい島だった。
フェリーは屋外の方が落ち着いた。クーラ苦手ではないけど。。船外から見る景気や海の色は楽しい。ゆったり煙草も吸えるし。

ん。。足音が。雪菜かな?雪菜だったら嬉しいな。

「匠くん?隣いい?」
「やった!ユッキーだ♪気にしなくていいよ。みんなと楽しかったね。パンガン島。いろいろあったなぁ・・」
「うん。迷子(笑)にパーティー。夕日とかいろいろあったけど。。思い出の地になるね♪」
「ん?ユッキーいい匂いしてる?クンクン。。」
「あ、マッサージでメンソール塗るのあってね。日焼けにいいんだって。腕とか赤いし。ちょっw近づきすぎ、もう♪」
「いろいろあったね。うん」
「近づきすぎ・・(チュッ)また来よっか?」
「うん。ユッキーと二人で(チュッチュ)」
「・・みんなでと思って言ったんですけど。もうダーメ!匠くん!周り人いるし。恥ずかしい!」
少しの恋人気分を味わう。そっか。
僕の告白した思い出の地になるんだ。


▽▽▽
「また匠と雪ちゃんいないな〜探すか!」
「もう歩ちゃん。。少しは大人しくしなさいよ」
「えー茜は歩の味方でしょ?」
「‥そんなに好きじゃないでしょ?歩メガネ好きだし。。」
言われて気がついた。確かに。

「茜すごいね。。よく分かったね」
「双子だもん。えへへ♪ちなみに雪ちゃんから乙女の匂いがする。。これは感だけどね!」
「マッサージのタイガーバーム。。どっちかというと乙女よりおっさんくさいかも。。」
「ムムム。。乙女の感は難しいなぁ。」
「茜もいい人いないの?ほらそこのマッチョとか?」
いい笑顔でシュワちゃんみたいだ。ニカッ!
「‥怖いよぅ。ロボットだよあれ!?」
「ブハハハ!ウケる〜♪」

「ハイハイ〜デザート食ベル?未亜チャンもドーゾ」
「ハイ!ん!ナシみたいー♪シャクシャク!」
「パパイヤ♪パパイヤ♪白と黒い点のは何ですか?種なんか。。不思議?」
「ドラゴンフルーツカナ?さっぱりスッキリ♪お通じにイイ♪ナシ。。グァバカナ?白人はグァバばかり食べるノデ。ファランって呼びマス(笑)」
こっちでは果物どこでもあるよね。
んー不思議。。でも安いし美味しいからいいか♪

そんな会話をしながら中では中でフェリーを楽しんでいた。

僕は僕でイチャつこうと思ったが。。
屋外では白人さんはぶっ倒れて寝てる。
なんかマグロみたいでムードもなく。はぁ〜



「ハイーこっちのバスネ♪」
チケットを渡しながらプイ先生に続く。
確かにバスは8台も埠頭にいて。。うー並ぶのか。
空はにくいほどの炎天下。体力も取られる。。うう。
バスに乗れたら冷房で生き返った。
ちなみに僕の横はプイさん。ちょっと席替えしてるというか。先生の横未亜だし。そんな感じだ。

あ、と思い出してiPod nanoをつける。
行き聞いてなかったんだよね。
電池は。。ある。壊れて。。ない。よし。

イヤホンをつけて。後ろに倒れ。目を閉じる。
フルムーンパーティーの余韻が再び。
海岸でのシーンがフラッシュバックされ。
眼の前で女の子が踊って。
光と音。花火。
そういえば吸血鬼のユーロガール。。
なんだったんだろう?未だわからず。(帰ってからも分からない。。なんだった?)

あー聞いて行けば知ってる曲もあったかな。
バスは大通りを走っていく。もう海は見えない。

あの島であった事は。夢だったかも。ね。。
徐々に。睡魔が呼んでくる。。ぐぅ。。


□□□
その後食事休憩やガソリンスタンド、トイレ休憩などあるがまだまだバンコクまでは遠い。
流石にみんな疲れてきたのか口数も減った。

ようやく。。市街についたのはもう周りが暗い中。
石畳の首都高様な道を進んでいく。
「もうすぐネーバンコク帰ってキマシタ♪」
「でもすごい車ですね。。渋滞が」
「バンコクダモの〜♪」
「‥はい。」

見慣れたカオサンは相変わらず賑やかに人が多い。
だが買い物するわけでもなく。不思議と懐かしく思えた。
僕らはすぐタクシー乗ってサービスアパートメントへ向かう。どっちかと言うと、タイ人のオーナーに会いたい。

行きは未知なる周辺だけでワクワクしたが。
帰りってこんな感じだ。。ただ移動するだけの旅。

夜になると黄金の屋根は際立つ。
島に居たせいか。都会の光に目がチカチカする。

この国には多くの神様が見守ってくれるのかな?
疲れてはいたがみんな幸せだった。

この時までは。

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経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و