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ガンジャ先生。7-6

疲れの悪夢

おいおい〜置いていくぞ?
ほら起きろ。匠。
遠くから声が聞こえてくる。
そうだ起きないと。眼の前には雪菜が心配そうな顔をして。「匠くん!」 ・・現実で合って くれ
Blackmill - Evil Beauty

疲れもピークで寝ていた。冷房は心地よく。
僕は夢を見ていた。

〜〜〜
「今日も天気がいいわね〜匠」
「具合はどうですか?匠くん」
「一命はとりとめたみたいだけど。。意識が戻らないの」
母さんが窓を開けると、生ぬるい風が流てくる。
なぜか制服姿の雪菜と話している。

あれ?なんでバンコクなんだ。なんで病院?
僕の体は動かず金縛りにあった様だ。
が、薄く目を開けると。。腕から喉から。管で繋がれている。ああ。あの時と同じだ・・
点滴の落ちるスピードが変わったり、上に上がったり。

これは夢だ。

「匠〜パーティー行くぞ?」
「先生よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げてお礼をいうおふくろ。違う。
「んじゃ持ち上げるッス〜手を貸して茜ちん♪」
「ほーい」
車椅子に持ち上げられ乗せられる。僕の体は凄く軽く、まるで浮いているようだ。

「未亜が押したい!ふんス!」
「もー気をつけてね。匠くん?聞こえるかな?パーティーだよ・・」

場面が変わる。
なぜかバスで歩がキスをしてくる。
「タクミ。。動いて。。ハァハァ。。ン」

これは夢だ。

景色がクルッと変わる。僕はストレッチャー乗せられれたまま海岸にいた。
タオ島のビーチだ。外人達しかいない。
何も話せず、何も動けず。
僕は外人の踊る姿を見つめるだけだ。

「どう?パーティー楽しいでショ?私もオドロ♪」
プイさんはそう言ってビキニなって外人にまぎれて行った。

「ハヤクこないノ?動けるクセに」
「タクミ。ワタシ。。好きなんだよ。。」
「行こうか?みんな待ってるよ?」
「マジ暑いし〜てか匠コーラ持ってない?」
「むー先生どこ行ったー」
「起きろ〜ビビビ‥」
僕はピクリとも動けない。。涙が出た。

これは。夢だ。


一斉にビーチから人いなくなり。

海の中へと落ちる。
不思議と息ができ。奥に潜る。
音は聞こえない。
魚が舞っている。
ただひたすら見えない奥に潜る。
その先に行くと光が。

気がつけば僕は浮いていた。

最後の風景。僕の部屋だ。
めちゃくちゃになってた。
「うグッ。。ぐ。。。た。すけて」
「たすけ。てください。。」
最悪だ。

苦しむ自分の姿を見て。
僕は手をのばす。
でも全然届かない。
どんなに近づこうとも。
すり抜けるだけだ。
(だれか!誰か気づけよ!死んじゃうだろうが!)


これは 夢であって くれ


〜〜〜

「匠くん!」

目を開けると雪菜が目の前にいた。
僕は涙を流し。。あれ、体が動く。

「ユッキー!ユッキーだよね?ここは病院じゃない!」「ちょ、ちょっと。。みんな見てる。。よ匠くん。。」

「‥中々盛大な寝ぼけだな?」
「「きゃーきゃー♪」」
「うふ。若いってイイネー♪」
「あれ?ユッキーと匠ってそうなの?パないの?」
「それで。。いつまで抱きついてる気?匠」

僕は起きてそのまま雪菜を抱きしめていた。
言い訳ではないが。

その時恐怖で僕は震えていた。


☆☆☆
ジリリリ〜 カチッ!
う。ん〜少し寝たかな?アイテてて。少し足が筋肉痛になってる。
時刻は9時半。みんな寝てるみたい。
まだ眠いけど、電気をつけて起こさないと。
「起きて〜未亜ちゃん」
「ん。。ご飯?」
「茜ちゃんも〜」
「くーくーくー。。」
「歩、起きて〜って酒くさw」
「プイ先生は。。起きてるね」
とりあえず歩はシャワー浴びさせてと。
水着だけはなんだからTシャツ着てと。
「よしみんな行こうか♪」
「「おー(くー)」」
起きてよ茜ちゃん。。

男子部屋に入ると、端でまだ匠くんが寝てる。
「うぅ。ン。。!ぐっ!」
うなされているなー大丈夫かな?

「全然起きねーな。ふぁー雪菜任せた。あーゴクッ」
ガンジャ先生は洗面所で薬飲んでるみたい。二日酔いかな。
顔をつんつん。起きないね。。
でも表情が苦しそうだ。
その時匠くんの目から涙が。大丈夫かな?

「匠くん!」
目がパチっと開いた。

「ユッキー!ユッキーだよね?ここは病院じゃない!」「ちょ、ちょっと。。みんな見てる。。よ匠くん。。」

耳まで真っ赤だ。わかる。
だっていきなり抱きついてきたんだもん。
というか。。私の胸に顔埋めて。。
私そんなにない。。よ?
はぁ。みんなみてるし!もー!恥ずかしい!!


□□□
その後みんな準備をして。
ホテルの前には1台の車が止まっていた。
ソンテウと言うらしい。少し広めの後部に乗り込み。

僕達はビーチに向かって走りだした。
「‥ごめんねユッキー。。寝ぼけてた」
「‥いいけど。もー恥ずかしかったんだから!」

茜はその瞬間をバッチリ写真で撮り、ピースサインしていた。揉める二人もパシャリ。
「後で焼きまししてあげる〜♪」
やれやれ。

 先生がテンションあげるため曲をスピーカーで流すうるさいソンテウは。結構時間をかけて目的地に。おかげで少し心が落ち着いた。
大きな坂を上がり下がりしながらビーチに向かう。
たまに行き交うバイクの軍団と。
黒い路地が少しずつ現実を戻す。


建物が増えてきたなと思った先に。
海岸らしいものが見えてきた。

「あそこがハードリン・ビーチだ。会場?あの辺全部だ♪」

まだ距離があるが、ビーチは明るく何か気持ちをドキドキさせる。

さあ。最後の課題だ。楽しもう。

しかし最悪の夢だった。

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و