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ガンジャ先生。8-2

思わぬ遭遇と悲劇

 みんなが疲れてサービスアパートメントに着いたのは。すでに21時を回っていた。ああ。寝むたい。
Alan Walker - Faded

「コラ!走るなコケるぞ〜」
「だってやっとベッドに着いたもん!」
ワイワイしながら帰る僕らの前に。
見慣れた顔をしたスーツを着た人がいた。


「やあ。お帰り。日に焼けたかな?みんな」

「「山本先生!」」

みんな一斉によっていく。
僕はゆっくりと歩いてついていき。笑ってみせた。

後ろから支払いを終えて。こちらを見るガンジャ先生は嬉しそう。いろいろ。。あり過ぎた。

それでもみんな話たいことがあるんだ。
みんな山本先生を囲むように。。
「すごかった!花火がボーンって!」
「あんな綺麗な外人初めて見た!」
「音がこうドコーン!って!お腹に!」
「海の中が。最高でした♪」
「もう〜疲れたよ〜先生」
「楽しかったです。山本先生」

「おいおい。お前達の先生はあっちだろ?」

騒ぐみんなが振り向きガンジャ先生を迎える。
ガンジャ先生がゆっくり歩いてくる。
一歩一歩。踏み出す感じで。。踏み出す感じ?気の所為か。

山本先生と仲いいのかな?
何を話すのかみんな興味津々だ。
未亜がキラキラした目で。

「ガンジャ先生!早くきて!」と急かす。
手をとって引っ張る。


山本先生にあと5歩くらい近づき。ガンジャ先生は。

「山本。良い子だなこいつら・・」
と笑ってみせた。

「エヘヘ〜」と歩が笑い。
「イェイ♪」と未亜が笑う。
みんなが笑顔になった。

ゆっくり歩きながら宿に入ろうとローイさんがドアを開けてくれた。

みんな入ろうとした

その瞬間



ガンジャ先生は口から「ゴボッ!ゴボ。。グブッ。。」と血を流し
その血は血というより赤い泡で
隠す手からどんどんと溢れる


倒れるかと思った 
だけど先生は倒れない
一瞬で先生の白いTシャツは紅く染まった

地面に落ちる大量の血
みんな何があったかわからない
時が止まる



「「ガンジャ先生!!」」
「お前ら大丈夫だ!近づくな!ペッ!」

口から残り血を吐き。
ガンジャ先生は踏ん張り立ち上がり。

「わりぃ。大丈夫。ちょい疲れが出たみたいだわ。カオさん!掃除お願い!」

「大丈夫なわけ無いじゃん!」
「いいから来るな!さがってろ!」
「岩屋。。大丈夫か?」
「大丈夫。あー再開の場を汚しちまったな。みんなとりあえず部屋かえるぞ」

未亜がよってくる。

「先生。。血いっぱい出たよ?ウグっ。。」
「未亜も部屋戻ろうな?山本お願いするわ」
もう声がガラガラだ。

山本先生はみんなを宿に誘導する。

「大丈夫だって。ガンジャ先生は今までも元気だっただろ?ちょっと疲れただけだ。ほら戻るぞ?」

優しそうに山本先生は未亜話しかける。
「うん。。でも。。」
「とりあえず部屋でゆっくりしときなさい。明日説明するから。今日はみんな疲れているし。な?匠、大渡?」
「はい。タツヤ、行くか」
「うん。いこっか。茜ちゃんも。未亜ちゃん?明日聞こ?」


皆心配そうな顔をしてるが僕は何もできない。

山本先生に任せるかたちで宿の階段を上がっていく。
ガンジャ先生は落ち着いたのか、タバコに火をつける。ホールの入口で手を振っていた。

最後まで気にしてる未亜が階段を上がり。
見えなくなった時。


振り返るとガンジャ先生は入口の神様に崩れ寄りかかるように倒れてた。

「岩屋!しっかりしろ!」
「お前も。。よるな。もう呼んでる」


部屋に戻るが、気になってしょうがない。
ベランダから外をみようと窓を開けた時。

路地に救急隊がホテルの前に飛び込んだ。
タンカを担いできて。

下の階から突然悲鳴が聞こえた。

「ガンジャ先生!うぁーーーーーん!通して!通してってば!!」

急いで降りていく。未亜だ!

3階から階段を降りると、みんないた。

入口ではドアマンとフロントの優しいおじさんがいた。通させてくれない!なんで!?

「先生が。。先生が!開けてよ!ゥウウ。。」
「開けろよ!オイ!開けろって聞こえねーのか!」
タイ人の二人は何も言わない。
わかったのか雪は未亜を必死で抑える。

「未亜ちゃん!ダメだよ・・」

優しいおじさんは無言で。
いつもと違う厳しい顔で入口を封鎖してる。

ガラス越しに見える姿は。
ガンジャ先生が持ち上げられ搬送され。
山本先生も着いていき。

救急車は音を立てて出発した。
少し間の抜けたパーポーという救急の音と。

「せんせぃ!せんせぃ!うぁぁ‥ヤダよぅ。ヤダ。ヤダ。。。」
・・泣き叫ぶ未亜の声だけが耳に残った。

過ぎさって行ったあと。みんな呆然とし。

さっきまでいた所に結構な量の水たまりができていて。月に揺られて赤かった。


■■■

僕らはしばらくして部屋に戻る。
僕たちは何も知らない。
いつも。いつのときもいっぱいいっぱいで。
自分の事ばかり気にしていた。


その後携帯に電話がかかってきた。
山本先生だ。

山本先生が言うには危険な状態は超え落ち着いた。
もうすぐ戻るが先に休んでていい。と。
岩屋は安静の為に入院すると。

声のトーンが落ち着いていたので、山場は超えた事がわかった。少し安心する。最後に皆に伝え今日は休みなさいと。
そう言って電話は切れた。

どこが違うんだ?俺にとっちゃあ同じだがな

顔見りゃ分かる。違うか?匠

大なり小なり人は罪を重ねているもんだ。それを業(ごう)と呼ぶ。人に嫌な事を‥‥

友達の事だろ?自分で考えろ。

当たり前だ。誰も死んでほしい息子なんていない

あの時聞いた言葉が。。。
あの部屋で聞いた言葉が。。。
繰り返し頭に周る。

先生。なんでこんな僕たちに優しくしてくれるのですか?
いつも好き勝手言ってるのは僕のほうなのに。。

修学旅行みたいに。監視してない。
いけない事も。見て見ぬふりして。。
自由行動も好きにさせてくれた。
僕たちが。問題児だったからかな?
嫌、違う。言ってたじゃないか?ガンジャ先生は口ぐせの様に。僕たちを対等に見てた。

自分で考えろ

ああ。タツヤに聞かれないだろうか。
僕は初めて。枕で声を殺し泣いた。。。



みんなのキツイ事を聞いてくれたのは。
あなたが初めてでした。


ガンジャ先生!

その日は朝早く。あまり寝てないのに暗いうちに眼が冷めた。ベランダに向かい。静かな朝、建物の屋根に光る鳥がいた。

先生 無事でいてください

僕は生まれて初めて。外国の神様に祈った。その鳥は厳しい顔をしている。

僕は何か。できるはずだ。考えろ。

ーーー


先生が病気だったのを知るのは翌朝だった。


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経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و

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🇹‌🇦‌🇨‌🇹

海外が好きです。広島出身。 よくいる広島人で。燃えやすく冷めやすい(笑) 香港とバンコクで働いていました。  いろいろな経験を小説やマガジンで説明できればいいなと思います。 この世界は素晴らしい。 Twitter @tactvv

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小説 ガンジャ先生。 第1部よろしくお願いします! \(^o^)/ 舞台はバンコク。6人の高校2年生の旅行記。
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