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ガンジャ先生。6-6

興奮の瞬間 

はしごを上がりフィンを脱ぐ。
ふらつきながらも僕は船に戻ってきた。
Coldplay - Viva La Vida eastern odyssey remix

 ボンベを置き、ゴーグルを取るとみんながこっちを見ていた。

「ごめんね。。落として。どうだった?海」

「良かったよ。って楽しかった!」

その時僕は興奮してたんだと思う。
パッとみんな表情が明るくなり。

「匠くん!」「匠!笑った!」
と歩と雪菜が抱きついてきた。

あれ?あれ。。笑った?それがどうしたの?
その時意味がわからなかった。

が、僕の感情は戻ってきたらしい。

外はどんより曇りだが。僕の心は晴れていた。



△△△

「はーい集合!BCDはボンベにかけてから上で!」
無事初ダイビングを終えた僕たちは西田さんの一言で戻る。
上にはスイカやパインが並んで、コーヒーも飲めるようだ。

「とりあえずお疲れ様♪初めてにしては。みんなパニクらずよくできてたと思うよ?」
「ちょっとビビりました。。ありがとう御座います」
「泳げないという割には楽しんでたね♪おめでとう!どうだった海の中?」
「なんか不思議でした。。でも楽しかった。です」

みんなもニヤニヤして聞いている。
僕は照れくさそうに頬をかく。

「まあ食べながら話そうか。次はちょい移動して、もう少し岩が多いところかな?」
へーとかほーとかみんな言う。
西田さん話ではタオ島はたくさんのスポットがあるらしい。
比較的にサンゴが多いところに行くみたいだ。

「ゲージのチェックをしっかりと。空気の確認も忘れないでね。茜ちゃん優秀。残圧70もあったね」
おーとみんな言う。
僕は初め遅れたが、それでも最後50切っていた。

テヘヘと照れてる茜。性格がゆったりだから合うのかな。

「課題も少しずつやっていくので、ボードをよく見ること。あとバディの動きもね。タツヤくんは足バタバタさせすぎービデオ思い出して!」
「フアぃ!?」スイカを口に。。食べてから言え。
諸注意を聞きながら次の目的地につく。

 観光名所なのか、沖から海岸をみると水着を着た外人さんも見えた。スノースケーリングもできるらしい。

□□□
2度目のダイビングはより安心してできた。

海の中は海面より優しく、僕はケイさんと雪菜のお尻を追いかける。
ケイさんは小ぶりだけど足がキレイ。
雪菜は全体的に流線型な泳ぎに惹かれた。人魚ってあんなのかな〜と見てるとお尻にぶつかる。
ゴーグルの奥で優しく微笑む。。ごめんなさい。

もちろん今回は、蹴飛ばされずにちゃんと飛び降りたよ。

サンゴというより、小さな魚がすごくいて。
岩が近くにあると緊張していたけど、バランスも取れる様になってきた。
田辺さんが逆立ちして泳いでいるのがちょっとカッコいい。。。あとでやりたい。

みんなで揃ったり、バディで移動したりすっかりと満喫できた。
最後海面に上がると雨が落ちていた。
低気圧は来るんだろうな。 

そして船で埠頭に上がる頃には本降りに。
まあ水着だし気にならないけど、サンダルはぐちゃぐちゃだ。

見慣れたスクールにつき、明日の朝一で行くから寝坊しない様に!と注意され解散。
フロアにいたプイさんに迎えられ部屋に戻る。

「今日は近くのーお店?でみんな食べマス〜明日で最後ナノデ西田さん達も来ますョ♪」
時間があるのでシャワーを浴び一息つく。
風呂上がりにタツヤと煙草を吸うのが日課になった。
「んー?なんか耳に水ある気がしない?」
立ってトントンしている。確かに音がちょい変。
「耳抜きできた?初めちょー焦ったわ」
「なんだろうね。あの感覚。気圧ってすごいな」
「西田さん水の中優しいんだけどなぁ。。出たら怖い」
「ケイさんはどっちも優しいぞ」
他愛のない会話でケラケラ笑う。

外は雨だけど、ロッジ前の空間はなんていうか。
そういう空気がある。

木々の茂る前の通り、ビショぬれになったハンモッグ、タバコとコーラの缶。
降り注ぐ雨の音。

そんな対したもんは何もない。

けど僕にとっては。贅沢な気分にしてくれる。

こんな日々が続けば良かったと。


□□□

「チワっす〜♪入りまっす〜ご飯ご飯♪」
タツヤに釣られて女の子のロッジに。でかいというか、、なんかキレイ。いい匂いしてるかな?あ冷房ついてるし。。

部屋には歩と未亜ちゃんがちょこんとベッドに座ってる。

「え、匠?ヤバいかも」

「ん?どした」

「ふぁー歩ちゃん空いたよ〜」

「!!」

シャワー室からだろうか。
頭をタオルで吹きながら上半身ハダカでパンツ一枚の茜が。。あわれな姿で登場した。

「ん?どったの歩ちゃん?」
茜は全然気づいてない。

・・きれいなピンク乳首だ。そしていいおっぱい。
あ、眼があった。ニコッと満面の笑みをおくる。

「ひゃー!匠君!!!?」
「みちゃーだめー!!」「うぁー!ムー!」

歩と未亜が枕を投げる。どちらも俺。

「グハッ!イタッ!出るってマジで!」

ソファでもみくちゃにされ。。

「男子!外で!」

入口から外の席に飛び出された。。

理不尽だ。が!ありがとう茜。
タイらしく僕は手を合わせておがんだ。眼福眼福♪

「匠くん。。何してるかな?」
あ、外から笑顔の雪菜が。。プイ先生も帰ってきた。
こういう時の雪菜はマジ怖い。

再び修羅場になる。ちなみにタツヤはヤバそうなった時すでに逃げてた。

「ハハハ♪匠くんラッキーね♪」

プイ先生は事情を聞いて大笑いしていた。
茜に謝るけど、少し照れていいよいいよ、とそこまで気にしてないみたい。歩はプンプンで今も蹴ってくるが。

そして18時半ごろ。みんなで食事を取りに出かけた。

食料品店の奥にその食堂あり、大きくないけどちょうどいい感じだ。
入口の大きな席通されプイさんと店員さんは話ている。

「もう少しで来マスー仕事カナ?メニューはみんな大好きタイ料理デス。あ、キタキタ」

3人の見知った指導員さん他2名の大人の人が入ってくる。

「おまたせーあ、この人たちは香港から着た古畑さん夫婦。明日一緒に船なのでよろしくね」
「「はーい」」

そして楽しい料理が始まった。
お馴染みの定食屋だけど、プイさんがいろいろ聞いて、唐揚げぽいものから、ミソスープに似たもの、サラダ。
大皿でカレーが3種出た。これは中々熱い料理になりそうだ。

グリーンはお馴染み、イエローは日本のカレーに似ていて甘め、レッドは具材が海鮮で辛い!が一番上手い。
みんなで米にかけたりしてワイワイ食べる。

「みんな若いなぁ。。ガツガツ羨ましいね」

「「うまい(美味しい)です!」

「私達はビールのほうがいいかな。ケーンあれをー」

店内の冷蔵ショーケースの下からビールが。。ジョッキも。キンキンだなありゃ。プイさんが目を光らす。
「すごいデスネー!こんな冷えてる!」

「日本人はやっぱりこれだよね〜♪カンパーイ」

大人勢も飲みだし、場が盛り上がりだす。
西田さんはプイさんを捕まえてバンコクの状況きいていた。
ケイさんは川上姉妹とタツヤと話して盛り上がっているみたい。

「匠くんっていったかな。明日はよろしく。ちょっと飲む?」
「あ、一応未成年なので。。」
「そうかそうか。いいな若いって。元気もらうみたいだ」
「古畑さんはよく来られるのですか?ダイビング」
「そうだね。どうしても仕事が忙しいから。。なんとか休み取って来るんだよ。ほら香港って独特の空気でしょ?ゆったりしたくて。」

古畑さんが言うには、香港はどこ行っても忙しいらしい。
それでいて、沖縄なみに暑いというか蒸し暑い。
泳ぐにしろ、海水浴もあるらしいが、まともに入れないぐらい人で混む。プールは狭いし南国らしくないと。
「それに近いんだよな。タイは。飛行機で日本に帰るより近いし安い」
へーそうなんだ。と納得した。
確かにそういう考えすれば。。そういうもんかも。
都会はもうなれてるから大体サムイとかタオにくるみたい。まあ潜る意外は。。やることなさそうだしなこの島。

「香港もいいところだよ。遊びにおいで♪」
と奥さんが名刺をくれた。
ヨガのインストラクターをやっているらしい。どうりでスタイルいいはずだ。
正直顔が日本人というより中国よりだったので、日本語がでたのは驚いた。
「あ、ミミは香港人。でも結婚して3年になるから〜日本語も上手いだろ」
「そうなんですか!」
「唔該晒♪」
隣で仲良くしてる雪菜も驚いた。普通に話してるもん。
ミミさん言うには子供が小さいらしく、すぐこれなくなったが、やはり休みって感じがするらしい。体作りにもいいんだって
そこまで騒騒しい香港も気になるけどそんなもんなんだろうな。

でも国際結婚かーやるな古畑さん。
ちなみに若くして大学の教授らしい。
なるほどと納得した。

「それで、匠くんはどの子が彼女なのかな?タイプは?」
「彼女はいませんよ」
大人はすぐそんな事をいう。。
まあみんなかわいいけど。

ふと茜を見た。いいおっぱいだった。ありがとう。

雪菜はニコッとして。腹をつねる。。

僕は少し興奮していたと思う。
ダイビングの事をいろいろ質問していた。

そうして僕たちのダイビング3日目終わる。

外は少し小雨になって、タイに来てから一番涼しかった。


ちなみに田辺さんは黙々と食べてました。
クールと思ってたけど。無口なんですね。




経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و