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ガンジャ先生。7-4

踊る大捜査線

メインロードにはすぐ出る事ができた。
道路はバイクやトゥクトゥク。
左右にレストランなどがあり、タオとは違う都会感じた。
Havana Brown - We Run The Night ft Pitbull

僕たちは分かれて行動した。

迷う可能性があればすぐ戻ること。電話を持って行き何かあれば連絡すること。
バイクにはタツヤと未亜が乗り、道路から左右を探してくれる。主には市街の周りだ。

 僕ら雪菜と茜は歩の走って行った先から分かれて、何かあれば連絡をと分かれる。僕は市場付近を隈なく周る。露店が多く人も多い。
 日差しは2時頃。めちゃくちゃ熱い。

 路地に紛れる黒髪の子の捜索は始まる。


□□□
しかし、熱いな。
日陰に移り、ますます見えにくい位置についた。
10分ほど経ち落ち着いて考える。

ついカーっとなって出てきちゃった。
みんな心配してるかな?
でも。。なんだろうな。寂しい。

んで何やってんの?歩
どこから来たのか。
ベンチ反対側の机にガンジャ先生が座っていた。

「せ、先生。。何も話たくないです!」

「ふ〜ん。まあいいだろ。水飲むか?」
コクンと頷く。冷え冷えのペットボトルをもらう。
 
先生は何か他にも買ってきたみたいで赤い袋をいじって。

小さなスピーカーを出して、ビールを開ける。
「ぷはー最高だな〜ビールとビーチ♪んで今流行りのモバイルスピーカーue!じゃじゃーん♪」
「スマホとリンクさすと。。(ピロン♪)ほら♪つながった♪」
う。ひとりで話ているがちょっと興味が。。なんでコードもないのに曲が鳴るんだろう?ちなみにけっこう音もでかい。

「ビーチだし”chillout"ガンちゃんセレクトで行くか。フフーン♪」
洋楽な歌詞と電子音と、ゆったりしたその曲は今の心境に合って良かった。

 しばらくそんな感じで時間が流れていく。
「先生。。その煙草?葉巻?匂い強いですね」
「いいだろ♪楽しい気分なるぞ〜マリファナだ♪」
「!は?マジで」
「マジだ。吸わんと痛くてやってられん。あ、内緒にしといてな歩♪」

。。。この先生大丈夫かな。
独特香りはこちらの鼻につく。
聞くんじゃなかった。興味が。。

「。。ちょっと吸っていい?」

「いいけど、落ちるぞ〜多分。これはいい気分の時はより良くなって、ストレスあるとより悪くなるんだ」

「へーそんなもんなんだ。。」

「まあそんなもんだ。煙草とは違うからなーでも景色良いから上がるかもな?」

確かに水面がキラキラしていい。
暑いけど、日陰だし波風も潮の匂いも吹き気持ちいい。
「‥えいっ」
「あ、1服だけだぞ?」
むせると思ったけど、そうでなく。
煙を肺に入れて。。。あれ?これ。。頭が重くなる。



「あーあーやっぱ落ちたか。アハハ♪おもしれー」
私は重力に負けてテーブルに付き伏せ顔を塞ぐ。
何か全身が重くなったみたいだ。。
だんだんと意思がはっきりしてくる。


ここパンガン。タイでも南国の島。
先生は前でお酒飲みながら楽しそう。
耳がまず良くなった。
不思議な事だが鳥のさえずり、また道路を走る車のエンジン音までバッチリだ。
目が良くなる。腕の隙間からみたら、奥のホテルで動いている人もわかる。
鼻も良くなる。独特のマリファナの匂いと潮の香り。
感覚が良くなる。日差しの反射を肌で感じ、汗がでてる場所が感じられた。

あれ。。これって。?ふと顔を上げた。
「先生。私この感覚。。知ってる」


「ん?そうか。慣れれば悪いもんじゃないだろ。現実はこんなもんだ♪」

「そっか。。そうだ。私。つわりきたとき。。」

「ああー女の子だもんな。よく似てるっていうな。ちょっとまっとけ」

 五感が凄く研ぎ澄ませれ、頭を急に降るとグァンと気持ち悪くなる。
先生は近くの露店に歩いていく。
 スピーカーから鳴る音は凄くよく聞こえて。的確にテンポを刻む。凄いな、ズレなどない。心が落ち着いてきた。

「ほら。食べれるか?」
「スイカ?」
「うんスイカ。パインもマンゴーもあるぞ。でも多分スイカだ」
「何がスイカ?」
「食べてみたらわかる♪」

「!!」

一口食べるスイカは。とても水々しく。
あ。つわりで食べれない時唯一食べた味だ。
あの時と同じ様に口から安い感じの果汁が溢れ。

私は涙が出てきちゃった。

「泣くほど美味いか?スイカ♪」
「泣くほど美味い。グスッ」
「そっか」

それから先生は何も言わずまた時間が過ぎていく。
私も15分もしないうちに体が戻った。
感覚が落ち着いていく。。

でももう一度吸おうとは思わなかった。
優しいミュージックだけが聞こえる。


□□□
「ねえタツヤ。。ここ絶対違うと思う」
「だろうな。20分も走ってるけど。。戻るか」
海周りグルッと周り。ちょっとした畑と。3頭の牛がいる。絶対違うじゃんw
「もーバカー一度連絡するね!帰れるの?」
「安心しろ。ほぼ一本道だ。戻ればいい♪」
サムズアップをしながらそういう。かっこ悪い。
タツヤがバカで安心した。

「もしもし!未亜、いたか?」
「あ、牛はいるけど。。多分全然違う方にいるから戻るね」
・・なんで牛?
「ああ分かった。こっちも一度集まる。見つかってないな」
電話を切ると雪菜が走りよって来た。
「こっちもいろいろ探したけど。。いないわね。よく考えたらご飯食べたあとだし。。レストランいかないよね?カフェとか?」
そうだ。確かに。。俺何焦ってるんだろ。

「もしもし〜匠くん?歩(アユム)いた?」
「いや、こっちも全然だな。市場にはいない。か」
「そっか〜歩ちゃん好きそうなところ。。ブランド店?」
「・・いやそんなんないから」
「む!南って私呼んでる!双子の感!行ってみる〜」
「・・気をつけてネ。」

まだまだ歩見つけるのは難しそうだ。
その時。道路を「ヒャッハー!」ってバイクで走る白人達の集団を見てしまった。う、ちょい不安になった。


△△△
「でさー聞いてよ先生〜聞いてる〜?」

「ハイハイ。酒癖わるいな歩。。」

 歩は何か吹っ切れたのだろう。こいつだけでビール3缶目だ。。買いに行くかな。グタグタになってやがる。俺の白シンハーちゃん。。


「ところでさー歩。賭けしねえか?」

「ん?賭け?なにおさー」

「誰が一番にここ来るかとかどう?」

「てかみんな探してんのー?もう1時間以上こないじゃん!ムキー」

「多分。。な。泳いで遊んでるかも(笑)」

「マジ。。えーんひどいー」

「まぁくるだろ。夕方までは長い♪んで誰がくると思う?」

「んープイ先生かな。やはり」

「プイはもう場所知ってるぞ?メールお願いしてるからその作業終わればくるはず」

「あーずるいーじゃあ匠がくる!」

「おおー意外だな。。俺は雪菜が本命で。茜かどっちかと思う」

「タツヤと未亜は。。?」

「‥どっちかというと探しに行くかもしれん」

「だな〜wで、何かけるの?おっパイ?」

「脱ごうとせんでいい・・ひとつだけ頼み事聞くってのはどうだ?」

「のった♪じゃーおかわり先生♪」

すでに時刻は4時半近くなっていた。はぁもう飲むか。暑いし。夕方の予定はキャンセルと。

「プイ?終わったらビール買ってきて。そこの西海岸だ。ん?あー元気そうだぞ?酒癖悪いが(笑)」

□□□
メールが届いていた。

プイさん。
了解。子供達の航空券は調整つきました。
添付で送りします。
一度。帰る前に会えればと手配中です。
これは岩屋には秘密でお願いします。

みんなの事よろしくお願いします。
         ー山本

ラップトップをカフェで閉じるタイの女性は。
微笑んでいた。
「ンー今日も暑いね!」

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و