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ガンジャ先生。3-2

市場の誘惑と初めの事件

事件はいきなり起こりだす。
Levels - Avicii

天気は快晴でとっても熱く。

日差しがジリジリ焼き尽くすようだ。


私こと佐々木 未亜(みあ)は今バンコクいる。


 元々都会暮らしだったし、地理を覚えるのも得意なほうだ。原宿だって行った事があるもん。

 そして私は今まさに。

迷子の真っ最中にいる。

めっちゃ焦ってる(汗)ちなみに汗も止まらない。


 一度立ち止まり考える。。

まず岩屋先生(ガンジャ先生?)の言うことは確かだった。ホテルを出てすぐそばにある大きな道路に出たら騒々しさがいきなりMAXに上がる。


 細い路地には業者が座っていろいろなものを売っていた。その長さは500mで収まらないよ〜。
また路地を囲むようにさらに店が軒並ぶ。どんだけ?
今日は何かのお祭りなの?


 圧倒されつつ周りの人も肌黒いタイ人。
店の準備やスパイシーな料理の匂い。
見ていて飽きさせない。
オバちゃんの帽子もかわいいし、犬も暑そうにさまよっている。高い建物を目指しぐるっと。。。すごいョ!

 5mくらいまで一面を埋め尽くすTシャツ。
香料。ゾウの置物。怪しいお面。サンダル。
あ、コンビニあるんだ。
あれかな?両替所みっけ。
なるほど〜レートは数字だからわかりやすいし楽勝かな♪


 あ、あそこにも。こういうときはどこがいいか見て回らないと‥そこで7件目くらいかぁ〜。
一番いいレートで(何とか)カタゴトの英語で両替終えた。1万円が3380バーツになったのはたぶん私一番!
えへへ~♡


     しかしそこでふと気がついた。


      ・・・ここはどこ?




■■■



「すげえな!バンコク!」

「ああ。。半端ないな」

俺はタツヤと共に連れそって両替に来ていた。だって怖いじゃん。タツヤはさすがに暑いのか、服をぬいで身軽な格好だ。
僕たちは初めて見る光景に圧倒されている。
が、それはセクシータイ人の制服姿だった。


「同い年くらい?ってかあんなスカート短いのいいの?」

「いやいや達也くん。まだまだだね♪それより透けるの分かって堂々とするあの紫のブラ。。ヤバくない?」

「匠。。お前に会えて良かった!」

「スタイルいいなぁ。。タイって素晴らしい」

「ぱつん!パツン!なんであんなセクシーなの?」

「神は存在する。今わかったわ」


「うわぁ!あの娘ウィンクした!マジかよオイ!」

「ちげーよ俺にしたんだってば♪あー微笑みの国かぁ♪」

「なんかギャルの印象変わったわ。ちょうどいい黒褐色最高だ!」
タイの学生はたむろってくれてる僕たちを見ると、笑ってくれたり手を振ってくれる。


ガシッと握手を何してんだろ〜?
みたいにバイクタクシーの運ちゃんがみてる。。。


 僕らのホテルのとなりは専門学校?まぁとりあえず学校らしく、入っていく制服姿は僕らのテンションMAXしてすでに時間は止まっていた。

 暑い中制服を見たらふらふら〜ふらふら〜と通り過ぎて見る2人組は変態そのものだった。

 でも眼福眼福♪いいもの見れた♪



「しかし広いなここは。迷子なる前に両替する?」

「英語喋れるの!匠!すげーパないな!」

「いや、全然」

「…どうすんのさ」

「まあ見てみた感じBANKって書いてあるじゃん。そして各国のレートも」

「マジか!あの電子版ってそういう意味か!」

「そう。だからあそこの紫?なとこでいんじゃない?近いし。英語わかんないけど何とかなりそう」

「うぉー匠すげえ!超頭いい!」

‥ひげ生えたインドの人も何も言わず紙幣出して変えてたし、そこまで難しい課題でないような。


 ドキドキしたが「チェンジマネー!」とタツヤの一言。。
苦笑しながら係の人は両替してくれた。こういう時、助かるなぁ。

サインとかするんだ。その作業5分かからず。

 僕らの1万円は3170バーツ変わる。少しレート落ちたのはFeeというのが引かれたからと理解。領収もらったし。


先生が観光地という事が分かる。売り場もたくさんそれいて白人、黒人、アジア人、タイ人で溢れかえってる。
まさに人類の坩堝。上を見ればでかいカリン塔がそびえ立つ。あれ東京タワーよりでかくね?


 そして小一時間堪能した僕らはホテルの路地裏に戻る。

ここはいっきに静かになるなーと路地を抜けた時、委員長が声をかけてきた。

「甲斐君!未亜見なかった!?」

「いや。。俺達近場にいたから。。未亜ちゃんも制服らしい人影も見なかったけど。どうしたの?」

「未亜、みんな帰ってるのに誰も見てないのよ!どうしよう。。」

食堂からガンジャ先生が飛び出し声をかける。
聞こえていたようだ。


「お前達は食堂で休憩しとけ。
委員長、未亜ってあの小さいショートの子だな」

「はい!私も‥」

「いいからまっとけ。」
先生は、笑顔だったが止めた手は大きかった。


 それからの先生の行動は速かった。

まず先生はホテルの受付何人かに声をかけた。

掃除のオバちゃん、外でかばん運びのおじさん、ドアマンの人と共に先生が一斉に飛び出す。

 オーナーらしいおじさんはニコニコして僕らにお茶を出してくれ「ダイジョウブ、ダイジョウブ」と声をかけてくれた。

タツヤと顔を合わせる。心配になってくる。。。
・・・僕は何もできない



■■■


―――30分以上路地しゃがみ込んで人通りを見ている。


 誰か知った人がすぐ通ると思ったけど、誰も。
一緒にきた人誰も合わない。
奥に来すぎたのかな。

 ‥‥‥心配は段々不安へと変わっていく。

全然知らない場所で一人っきり。
いつの間にか涙が溢れていた。
となりの野菜を売っているタイのオバちゃんが気がついてるけど何を言ってるかわからない。
私は涙を止めることなく再び路地を向いていた。

 その時別のタイの男の人がこちらを見てる。

聞こえる言葉がタイ語だからわからない。
パニックになりそうだ。。怖くて下を向く。


私どうなるんだろう。。。

「お母さん・・ごめんね」涙が止まらない。



 !ふと頭をポンと叩かれた。


もうすでに恐怖でいっぱいな私は恐る恐る‥

顔を上げた。



「何やってんだ未亜?ほら帰るぞ」


そこにガンジャ先生がいてくれた。

私はその状況がよくわからず。ただただ。。


「わぁーーーーーん!」


先生へ抱きついて大泣きをしていた。


「ごめんなさい。。ごめんなさい。殴らないで・・・下さい。ヒック。。」



―――優しい気持ちが怒りに変わる


      言葉がでない


      震える手を抑え


      できるだけ優しく


       未亜の頭をなで続けた―――



■■■


 後日談。

 初めに気がついた人はホテルのドア開ける人ローイさんだったらしい。
野菜売りのオバちゃんが探してるローイを見つけてくれた。そして電話で連絡してガンジャ先生はすぐ駆けつけた。
 場所は郵便局の近くだったらしくかなり奥まで私は行っていた。



 すぐ帰らず。
泣き止むまで何も言わず頭をなでてくれた先生。

気を使ってくれたんだろうと思う。

そして食堂にみんな謝るころ少し笑顔なれていた。

雪ちゃんは抱きしめて
「ごめんね!ごめんね!気がつかなくて‥‥」

本当に嬉しくて。少しまた泣いちゃった。


先生の大きな手はとても優しかった。
全然怒っていない。



もう勝手な行動はしません。ごめんなさい先生。



――この事件は序章に過ぎない事を知った。


         ねぇ?ガンジャ先生――

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و