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吾妻鏡と修善寺紙

こんにちは。
和紙職人見習いの舛田です。

本日は、先日行った「吾妻鏡」の視察についてご紹介します。

「吾妻鏡」とは鎌倉時代に成立した日本の歴史書で、国指定の重要文化財にもなっているものです。

歴史マニアでもない私がなぜこんなものを見に行ったのかというと、実はこの吾妻鏡、一部に“修善寺紙”が使用されているのです。
江戸時代以前につくられた修善寺紙は、実は残っているものがほとんどなく、数少ない確認できるもののうちの一つがこの吾妻鏡です。

当時の修善寺紙は“色よし紙”とも言われ、「薄くて、すだれ目があり、薄紅色」という特色ある紙だった言われています。
しかし、実際どんな色だったのか、どんなすだれ目だったのか、ということは、実物を見ないことにはわからない、、、、
と言うことで、特別な許可を得て国立公文書館へ視察に行ってまいりました。

写真をご覧ください。

左が修善寺紙、右が楮紙です。
明らかに色が違い、くっきりとすだれ目がでていることがわかります。

そしてここで注目したいのが“薄紅色”と言われた、その色味です。
現代人はおそらく“薄紅色”といわれると薄いピンク色を想像する人が多い気がします。実際そのようなピンクに近いような(赤みの強い)紙も、染料を使うことで明治期には作られていたようですが、
明治時代よりももっと前、古くから“色よし紙”と言われた修善寺紙の“薄紅色”は、この吾妻鏡に使われる紙の色です。
つまり、、、
結構茶色っぽい。

そして、前から色よし紙の実現に向けて、試作を重ねていた、私の作った紙と見比べると(下に3枚並べてあるのが私の試作した紙です。条件違いで3パターン持参しました。)

結構色が近い!!!
これを見た時は、嬉しさが込み上げるというか、テンションがあがるというか、
ああ、やっぱり間違ってなかったのか。
と言う気持ちになりました。

まだまだ安定してこの色味を出すことができないので、そのとき重要となる“木灰”の選定や、すだれ目をだすための道具の調査及び作成を進めていきたいと思います。

さあ、色よし紙の復活が近づいてまいりました。
みなさまその時をもうしばし、お待ちください!

【追伸】

やっとまとまった雨が降りました。
湧水の流れが糸のように細かったけど復活💪
バンバン漉くぞ!


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