ややこしい if 仮定法(現在、過去、過去完了、混合型)を解説します。|音声あり
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if 仮定法
「if」を使った仮定法の表現は、その動詞や助動詞の時制により、文章の意味が変わってきます。また「仮定法過去」が文字通りの過去のことを表す、というわけではなく、「起こりそうにない状況」を表すことが余計に仮定法をわかりにくくしているんではないでしょうか。
・仮定法はConditionalで覚える
「if」を使った仮定法は英語で「Conditional」と言い、表現する対象の違いから「0~3rd」まで4種類の「Conditional」があります。日本語での「仮定法過去」や「仮定法過去完了」という名前よりは英語の名前「Zero Conditional」や「First Conditional」覚えやすいと思います。
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Zero Conditional
普遍的な状況の仮定法
■ 表現の対象
科学的事実、必ず同じ結果が出る状況。
■ 文章の形
if + 動詞現在形, + 動詞現在形
※「will」などの助動詞は使わず、動詞だけでの表現です。
・Zero Conditional 普遍的な状況の仮定法 の例文
■ If ice is heated, it melts.
氷を熱すると溶けます。
(氷が溶けるのは科学的事実なので0Cで表現されます。)
■ You get water if you mix hydrogen and oxygen.
水素と酸素を混ぜると水になります。
(このような化学反応は科学的事実なので0Cで表現されます。)
■ If babies are hungry, they cry.
赤ちゃんは空腹なら、泣きます。
(これは「babies」は「the」がない複数形なので、一般的な赤ちゃんを表し、特定はしていません。したがって一般的な共通認識なので0Cで表現されます。)
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First conditional
仮定法現在
■ 表現の対象
起こりそうな未来の状況。
■ 文章の形
if + 動詞現在形, + will 動詞
(「will」の代わりに「can, should, may, might」でも可。)
※1番普通に使われるパターンです。
・First Conditional 仮定法現在 の例文
■ If I have enough money, I'll buy some new shoes.
十分なお金があれば、私は新しい靴を買います。
(これは「お金があれば私は靴を買う」というほぼ実現可能なことを表現してるので1Cで表現されます。しかし、これが次に出てくる2Cで表現するとその場合は
If I had enough money, I would buy some new shoes.
となり、「靴を買うお金を得ることがほぼ不可能だが、あれば靴を買いたい」というニュアンスになります。話し手の表現したいことによってConditionalは使い分けましょう。)
■ We may be late if the train is delayed.
電車が遅れると私たちは遅れるかもしれない。
(これは電車が遅れると、遅刻することが起こりえるので1Cで表現されます。)
■ If it rains, I won't let my kids go to the park.
雨が降ったら子供たちを公園に行かせません。
(これは私の意志を表しているため、条件が整えば起こるであろう未来なので1Cで表現されます。)
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Second Conditional
仮定法過去
■ 表現の対象
仮説もしくは起こりそうにない状況。
■ 文章の形
if + 動詞過去形, + would 動詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
※過去形を使っていますが、過去のことを表しているわけではなく、起こりそうにないことを表現するために過去形と助動詞の過去形を使っています。英語では、過去形というのは現在から離れているということを表現するイメージがあり、2Cのように現実から離れていることを表現するときも使われます。また「would, could」などは丁寧な表現としても使われますが、これらを使うことによって相手との関係性がある程度離れていることを表現し、すなわち丁寧な表現ということになります。
・Second Conditional 仮定法現在 の例文
■ If I met the president, I'd complain.
もし大統領に会ったら私は文句を言います。
(これはほぼ大統領に会うことはないだろうけどというニュアンスなので2Cで表現されます。)
■ If you won the lottery, you should pay back your debt.
もし宝くじに当ったら、あなたは借金を返済するべきだ。
(これは宝くじに当選するのは、ほぼ不可能というニュアンスで2Cで表現されます。)
■ If I were you, I wouldn't go out with that guy.
もし私があなただったら、その男と一緒に出かけないでしょう。
(私があなたになることは不可能なので2Cで表現されます。またこの場合のif節内のbe動詞は主語が「I, he, she, it」などであっても「were」が使われることが多いです。「was」も間違いではありません。)
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Third Conditional
仮定法過去完了
■ 表現の対象
想像する起きなかった過去の状況。
■ 文章の形
if + 過去完了, + would have 過去分詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
※これは過去にこうなれば、こうなっただろうという表現です。
・Third Conditional 仮定法過去完了 の例文
■ If I hadn't eaten so much, I wouldn't have felt sick.
そんなに多く食べなければ、気分は悪くならなかったでしょう。
(実際はいっぱい食べてしまって、気分が悪くなってしまったということです。)
■ She could have become a doctor if she had gone to university
大学に行けば、彼女は医者になっていたかもしれない。
(実際は大学には行かず、医者にもなっていないということです。)
■ I might have asked her out, if she had been free yesterday.
もし彼が昨日空いていたなら、私は彼をデートに誘ったかもしれない。
(実際は昨日彼は空いていなく、デートに誘わなかったということです。)
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「0~3rd Conditional」まで学びましたが、実際にはそれ以外の表現も存在します。それは「if節」と「主節」で時制が異なり、様々な状況を表現します。それらは「Mixed Conditional 仮定法混合型」と呼ばれます。
Mixed Conditional (Past & Present)
仮定法混合型(過去と現在)
■ 表現のイメージ
過去にこうなれば、現在はこうだ。
■ 文章の形
if + 過去完了, + would 動詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(過去と現在) の例文
■ If I had bought the stocks, I would be rich.
もし株を買っていたら、私は金持ちでしょう。
(実際は過去に買っていないので、今は金持ちではありません。)
■ If you had taken English in high school, you would have more job opportunities.
高校で英語を学んでいたら、あなたにはもっと多くの仕事の機会があるでしょう。
(実際は高校で英語を学ばなかったので、今は多くの仕事の機会がありません。)
■ If we had been born in Japan, we wouldn't require a visa to visit other countries.
日本で生まれていれば、私たちは他の国へ行くのにビザは必要ありません。
(実際は日本で生まれていないので、他の国へ行くのにビザが必要です。)
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Mixed conditional(Past & Future)
仮定法混合型(過去と未来)
■ 表現のイメージ
過去にこうなれば、未来はこうなっていたはずだ。
■ 文章の形
if + 過去完了, + would 動詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(過去と未来) の例文
■ If she hadn't forgotten to sign up for the trip, she would be joining us next week.
彼女が旅行に申し込むのを忘れていなかったら、彼女は来週私たちに加わっていたでしょう。
(実際は彼女は申し込むの忘れたので、来週私たちには加われません。)
■ If I'd gotten the job, I'd be moving to Beijing next year.
就職していたら、私は来年北京に引っ越ししていたはずです。
(実際はその仕事に就けなかったので、来年北京に引っ越さなくでもいいです。)
■ If he hadn't wasted his bonus in gambling, he could go to Japan with us tomorrow.
彼がギャンブルでボーナスを無駄にしていなかったら、明日私たちと一緒に日本に行くことができました。
(実際は彼はボーナスを使ったので、明日私たちと日本にいくことはできません。)
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Mixed conditional(Present & Past)
仮定法混合型(現在と過去)
■ 表現のイメージ
現在(習慣や能力などが)こうであれば、過去はこうなっていたはずだ。
■ 文章の形
if + 動詞過去形, + would have 過去分詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(現在と過去) の例文
■ If I were rich, I would have bought that Mercedes I saw the other day.
金持ちだったら、この前見たベンツを買っていただろう。
(実際は現在金持ちでないので、あのときベンツは買えませんでした。)
■ If at least one of us spoke Japanese, we would've translated the documents.
私たちの少なくとも1人が日本語を話せたら、その資料を翻訳していたでしょう。
(実際は誰も日本語が話せないので、資料を翻訳できませんでした。)
■ If she didn't have to work so much, she could have joined the party last night.
もし彼女があまり仕事をする必要がなければ、彼女は昨夜のパーティーに参加できたはずです。
(実際は彼女は仕事をかなりしないといけないので、昨日はパーティーに参加できませんでした。)
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Mixed conditional(Present & Future)
仮定法混合型(現在と未来)
■ 表現のイメージ
現在こうであれば、未来はこうなるはずだ。
■ 文章の形
if + 動詞過去形, + would 動詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(現在と未来) の例文
■ If I didn't have so much vacation time, I couldn't return to Japan next week.
休暇があまりなかったら、来週日本に帰えれなかったでしょう。
(実際は休暇があるので、来週日本に帰れます。)
■ If you were a fluent English speaker, our company would send you to New York for this project.
あなたが流暢な英語を話す人なら、私たちの会社はこのプロジェクトのためにあなたをニューヨークに行かせるでしょう。
(実際は流暢に英語を話せないので、会社はあなたをニューヨークには行かせません。)
■ If he didn't like you, he wouldn't be going out with you tonight.
もし彼があなたを好きでなければ、今夜あなたと一緒に出かけることはないでしょう。
(実際は彼はあなたを好きなので、今夜あなたと出かけます。)
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Mixed conditional(Future & Past)
仮定法混合型(未来と過去)
■ 表現のイメージ
未来がこうであれば、過去はこうだったはずだ。
■ 文章の形
if + 動詞過去形, + would have 過去分詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(未来と過去) の例文
■ If I weren't going on my business trip next week, I could've taken over his task.
もし来週出張に行かなければ、彼の仕事を引き継ぐことができたでしょう。
(実際は来週出張に行くので、彼の仕事を引き継げませんでした。)
■ If my parents weren't coming tomorrow, I would have suggested using my house for the party.
両親が明日来なかったら、私の家をパーティーに使うことを勧めたでしょう。
(実際は明日両親が来るので、私は勧めませんでした。)
■ If I didn't have an important meeting tomorrow, I would have gone out drinking.
明日重要なミーティングがなかったら、私は飲みに出ていただろう。
(実際は明日重要なミーティングがあるので、私は飲みに行けませんでした。)
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Mixed conditional(Future & Present)
仮定法混合型(未来と現在)
■ 表現のイメージ
未来がこうであれば、現在こうだ。
■ 文章の形
if + 動詞過去形, + would 動詞
(「would」の代わりに「could, should, might」でも可。)
・仮定法混合型(未来と現在) の例文
■ If I were going to that concert tonight, I would be very excited.
今夜そのコンサートに行けるなら、私はとてもワクワクしているだろう。
(実際は今夜コンサートに行けないので、私は今ワクワクしていないです。)
■ If she weren't giving a speech tomorrow, she would be free.
彼女が明日スピーチをしてないでいいなら、彼女は空いているだろう。
(実際は彼女は明日スピーチをしないといけないので、彼女は今空いていないです。)
■ If you didn't come with us to the beach this weekend, everyone would be disappointed.
今週末、あなたが私たちと一緒にビーチに来なかったら、皆がっかりしているでしょう。
(実際はあなたは私たちと一緒にビーチに来るので、皆喜んでいます。)
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Other expressions using "if"
"if"を使ったその他の表現
■ even if ~:たとえ~だとしても
「even if」には「if仮定法」と同じように、各Conditionalで表現が可能です。
■ as if ~:まるで~のようだ
「as if」は基本的に実際のこととは違うことを表現しているので「as if」に続くのは「動詞の過去形」か「過去完了形」になります。
・"if"を使ったその他の表現 の例文
■ You have to do it, even if you don't like it.
たとえそれが好きでなくても、あなたはそれをしなければなりません。
(even if + 動詞現在形, + 動詞現在形)
■ Even if I were rich, I wouldn't quit my job.
裕福だとしても、私は仕事を辞めません。
(even if + 動詞過去形, + would 動詞)(Second Conditional)
■ Even if we had done everything, he wouldn't have been saved.
私たちが全てやっていたとしても、彼は助からなかっただろう。
(even if + 過去完了, + would have 過去分詞)(Third Conditional)
■ He is talking as if it were no business of his.
彼はそれが他人事のように話している。
(as if + 動詞過去形)
■ He looks happy as if he had won the lottery.
宝くじに当ったかのように彼は幸せそうに見えます。
(as if + 過去完了)
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