【クソ小説を書こう : 友人Yからのお題】問2 120才の現役官能小説家 鬼肌忌鮫になりきって、以下の3つのワードを使って短い官能小説を書きなさい。 「縄」「牡丹」「ミルク」

【眼球の誕生。】

♪君はもう知ってるかい? この宇宙はもうYesって言うのをやめるらしいんだ 君はもう知ってるかい?

燃えさかる蝋燭が剥き出しの乳房の少し上で揺れる。ガソリンが車のタンクで揺れるのと全く同じ速さで、私の上で揺れている。同時に、下腹部に食い込む縄が、右の太腿に牡丹模様をつけていく。

少しずつ傷ついていく大事な身体を見て、嫌だ嫌だと声を上げてはみるけれど、ブランキーのSoon Crazyの大きな音に掻き消されてしまう。

あの綺麗だった白い肌、桃色でいた乳首、露の光るような腿。あれだけ心の澱になっていた膨らんでいく乳房が、今は少し愛おしく感じる。

痛みは刺激だ。刺激は心地よい。心地よいから快感だ。身体は快感を貪り食う。快感を身体を貪り食う。

でも。でも、私は。まだ私を生きていたい。
そう心の声を上げた。瞬間、目隠しが剥がれた。

「これで、清算できる。」
そんな私の声を、ブランキーが後押しする。

♪Sweet Milk Shake 片手に胸を弾ませた
♪女がベッドを蹴り上げた すごくヒステリックに

ベンジーの声を背中に聞きながら、私は逃げる。
逃げる。逃げる。逃げる。逃げている。

♪とっておきのサングラスで
♪とっておきのサングラスで

「君はもう知ってるかい?」
気がつくと、横に寝ていた男が、新しい蝋燭を見せながら、聞いてくる。

嗚呼、私はこの先もYesと言い続けるのだろう。

(終わり)

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