見出し画像

初めて一人で海外に行ったときのこと

こんにちは。ただのジョンと申します。

ヘッダー画像をご覧になった方、お気づきでしょうか。

スタジオジブリが2020年9月より、過去上映した映画作品の場面写真を公開しています。「常識の範囲内でご自由にお使いください」とのこと。気前が良いですね。お言葉に甘えて、早速使用してみました。

映画『千と千尋の神隠し』にて、主人公の千尋と、職場の先輩であるリンが大きなおまんじゅうを食べるシーンです。僕の好きなシーンでもあります。

今年はコロナ渦で、楽しみにしていた旅の予定がなくなってしまいました。仕方ないので、最近は過去行った旅の記憶を思い出すことにしています。

今回は、僕が行った海外旅行について書いてみます。

書を捨てよ旅に出よう

少し前の話です。

僕は、一人で海外旅行に行ったことがありませんでした。

お世話になっていた方に段取りを組んでもらって、一緒に旅したことはありましたが、ほとんどその方に頼りっきりでした。

もし自分一人で旅をするとき、もしくは誰かを連れて行くとき、うまくやれるだろうか・・・

ふと不安になったのです。

もともと旅好きというタチでもないのですが、旅行は楽しいですし、何か新しい景色を見たいなという気持ちと、一人で何かしたという経験欲しさに旅行の計画を立てることにしました。

問題は行き先です。アメリカ、ヨーロッパ諸国は旅費がお高めです。中東は神秘的ですがなんだかちょっと怖い気がします。インドは・・・興味はありますが次回以降にしましょう。

「やっぱり、初めての一人旅は安く行けて安全そうなところにしよう」

総合的な判断により、台湾へ行くことにしました。

夜の便で日本を発ち、無事台湾に着きました。

宿はAirbnbで取っていたのですが、タクシーを使ってすぐにたどり着くことができました。

初めて一人で来た海外。外は真っ暗で、雨が降っていました。宿に着いた安堵感と、一人でいることの寂しさが入り混じった気持ちでした。

「明日から何しよう」

その日は夜遅かったので、すぐ眠ることにしました。

初海外の洗礼

次の日の朝には雨も上がり、まさに旅日和といった天気でした。

目的地を決めて、すぐにでも出発したいところでしたが、昨晩から何も食べておらず、まずは腹ごしらえをすることにしました。

宿を出て、歩いていると早速気になるものが目に入りました。

おまんじゅう屋さんです。

いかにも長年やってるような古めかしいお店に、地元のおばちゃんらしき店員さんが一人。

台湾の早朝、地元民が立ち寄る老舗で肉まんを頬張る。素晴らしいプランです。店員さんの顔が仏頂面なのが少々気になりますが、ここで肉まんを買うことが、物語の始まりになることを確信しました。

「おばちゃん、こんにちは」

「・・・」

どうやら、言葉が通じなかったようです。でも心配は要りません。こんなこともあろうかと、「旅の指さし会話帳」を持ってきていました。本にある肉まんの絵を指さしながら、もう一度言いました。

「これください!!!」

すると、おばちゃんが何か早口で話し始めました。何を言っているのか全くわかりません。

言葉で意思疎通ができないと判断し、ノンバーバルコミュニケーションに切り替えることにしました。

両手で大きなおまんじゅうのジェスチャーをしながら

「にく・まん・じゅう!」

日本語で言いました。必死の訴えが通じたのか、コンビニのレジに置いてあるようなガラスケースをおばちゃんが指さして、

「これかい?」

という表情をしたのです。そこには、白色とピンク色2種類の、まさに『千と千尋の神隠し』に出てきたような大きなおまんじゅうがありました。

僕はコミュニケーションが成立した感動と、空腹で早くご飯にありつきたい気持ちで、首を大きく縦に振りました。

色によって味が変わることは無いと思ったものの、心配なので白いおまんじゅうを買いました。

店内には簡易的なイートインスペースもあり、そこで買ったおまんじゅうをいただくことにしました。

見たこともない大きなおまんじゅう。初めて食べるとは言え、肉まんと名の付くものは美味しいに決まっています。目の前にあるのは約束の肉まんです。

まるで、千尋がニガダンゴを食べた後のように、ガツガツ食らいつきました。

2、3口食べたあたりで、あることに気づきました。

「なかなか具にたどり着かない・・・」

空港だって、宿だって、これまで順当に旅の目的地にはたどり着くことができていました。今さら、肉まんの具にたどり着かないなんてことはないでしょう。

おそるおそる、肉まんを二つに割ってみることにしました。

息が詰まりました。

そこには、見渡す限りものすごい密度の白い生地が詰まっていました。

おわりに

生地だけでお腹いっぱいになりすぎて、その日はしばらく他の台湾グルメが食べられませんでした。

やっぱりコミュニケーションって大切だなと気づいた出来事でした。

あとで調べたところ、僕が食べたのは「饅頭(まんとう)」という、パンのような食べもののようです。

画像1

台湾で肉まんのことを言うときは、「肉包(ローパオ)」が正しいようです。そんなことも知らずに台湾へ行ったとは、若さでしょうか。

お店のおばちゃんは、ちゃんと「お饅頭」を提供してくれたわけですから、何も間違ってなかったということですね。

みなさんも台湾に行くことがあれば、「おまんじゅう」には気をつけて下さい。

(おわり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?