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宵、時々光。

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夜が終る、その瞬間に。

少しだけ夜更かしした金曜の夜は、いつのまにか更けて、昨日と今日の境界線が曖昧なまま。

閉め忘れた遮光カーテンの隙間から刺す陽の光。

シャッフルで音楽を流す。ジャカジャカと鳴る音はどうやら場違いで、まだぼんやりとした意識を無理やりこっちへ引っ張ってくる。荒療治。

やかんに水道水をたぷたぷと注いで、火をつける。

沸騰したお湯がことことと鳴る。朝には少し騒がしすぎる音楽を邪魔して。

朝とパンとコーヒー

掌の中でぶるぶると振動を感じたような気がして、ぼんやりと目が覚める。スマートフォンが震えている。リセットし忘れたアラーム機能。

どうやら握ったままいつのまにか寝てしまったようだ。目を一度強く瞑って、開くと、もう朝の光が少しだけ眩しい。まだほのかに残る煙草の香りと共に。

今日もいつのまにか一日が終る。

宵。朝、コーヒーを飲んで、そのままにしていたカップを水道水で軽くさっと洗う。蛇口から出る冷たい水に、じんじんと指先が痛みを感じる。濡れたままのカップに、ミルクを注いで、電子レンジで温める。ぼんやりとオレンジ色に染まる景色をじっと見つめながら、意識はほんの少し向こう側へ。チンっという音が、現実に引き戻し、意識と身体をくっつける。ゆっくりとスプーンでかき混ぜながら、ごくり、ごくりと。深いため息。コーヒ

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